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龍芯、4コアの第10世代Coreに匹敵する性能を持つ独自CPU

3A6000

 中国・龍芯中科は、独自アーキテクチャLoongArchを採用した新世代4コアCPU「3A6000」をテープアウトさせたと発表した。

 3A6000は独自のLoongArchアーキテクチャを採用し、命令集からABI(アプリケーションバイナリインターフェイス)に至るまですべてを自主設計し、中国外のいかなるライセンスも不要なのが特徴。中国国産OSやソフトウェアも多数サポートしている。

 コアには6命令同時イシューに対応した64bit LA664を採用し、ベースクロックは最大2.5GHz。128bitベクタ拡張命令集LSX、および256bitアドバンスドベクタ拡張命令集LASXに対応するほか、仮想マルチスレッディング(SMT2)をサポートし、CPU全体で8スレッド同時実行のCPUとして見えるようになっている。

 同社が公開したベンチマーク(SPEC CPU2006 V1.2)およびStream V5.10、byte-unixbench V5.1.3)が示した総合性能は、Intelが2020年にリリースした第10世代Coreの4コア版に匹敵するとしている。

各種ベンチマーク結果

 従来の「3A5000」との互換性も持たせており、Linuxカーネルに対してSMTをサポートするパッチを提供したという。また、ソフトウェア/ハードウェアが協調して動作するバイナリ変換機能も強化しており、ほかのプラットフォームで動作するソフトウェアとの互換性を向上させたとしている。

 このほか、DDR4-3200対応のメモリコントローラ、SM2/SM3/SM4対応のセキュリティプロセッサなどを内包する。

 従来の3A5000と比較すると、シングルスレッド性能が60%以上向上し、マルチスレッド性能は2倍に達する。現在開発中のサーバー向けプロセッサでは、従来の16コアCPU「3C5000」および32コアCPU「3D5000」の2倍の性能に達することができるとしている。