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ARMとx86のコードが走る中国製の高性能MIPS64 CPU「龍芯3号」
(2015/9/4 13:08)
中国のCPUベンダーLoongson(龍芯)は、MIPS64アーキテクチャをベースとした高性能CPU「龍芯3号」シリーズの新製品を開発中であると、Imaginationのブログが明らかにした。
Loongsonは主にARMやMIPSアーキテクチャのCPU開発/設計/製造を手がけるメーカー。これまで8製品をラインナップしている。龍芯3号シリーズは既に「3A」と「3B1500」という製品が発売されているが、新たに「3A2000」および「3B2000」を追加する。
両モデルともにフラグシップモデルであり、4wayのスーパースカラ設計で、9ステージのスーパーパイプラインアーキテクチャを備え、インオーダーで命令を実行する。2つの浮動小数点ユニット、メモリ管理ユニット、クロスバーインターコネクタなどを備えている。
3A2000はデスクトップやラップトップ、64bitが必要な組み込み製品、および高性能ネットワークルーター向け、3B2000が8~16コアのサーバーシステム向けとなっている。なお、現在発売中の3B1500は8コアのMIPS64アーキテクチャCPUを搭載しており、1.5GHzで動作。ピーク性能は192GFLOPSで、30Wで駆動するという。
ARMとx86のコードが走るGS464Eアーキテクチャ
加えて、さらに高性能を達成する「3A3000」および「3B3000」を2016年にリリースする予定だとした。28nmプロセスを採用しており、2GHzに近い動作クロックを達成する。同社が示した性能グラフでは、1GHz当たりの性能はAMDのE1-2100およびARMのCortex-A57を超え、AMDのFX-8320とほぼ同等(整数演算では上、浮動小数点演算では下)を達成するとしている。
両モデルともにクアッドコアとなり、一見旧モデルからコア数が減っているのだが、新たに設計された「GS464E」アーキテクチャに基き、「LoongISA」と呼ばれる、1,400を超える命令をサポートするため、これまでにない特徴を備えている。
命令体型はMIPS64 Release 3をベースとしており、高性能で汎用コンピューティングに向く。またLoongVM命令を搭載し、仮想マシンをサポート。LoongSIMD命令では、128bitおよび256bitのベクトル演算をサポートする。
注目すべきは「LoongBT」と呼ばれるバイナリ変換技術。これによりLinux上でx86およびARMのコードを走らせることができるという。