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Micron、世界初の232層NANDを出荷。CrucialのSSDとして発売へ

 米Micron Technologyは26日(現地時間)、世界初となる232層NANDの量産を開始したことを発表した。業界最高水準の面密度を備えているほか、従来のNANDと比較して大容量化とともに消費電力効率も向上するとしている。

 同社によれば、3D NANDで200層を超える積層数を超えるためには、高アスペクト比の構造を形成する高度なプロセス技術、新材料、176層NAND技術に基づく最先端設計技術の進展を含めた広範囲のイノベーションが必要だったとしており、大きな分岐点に立ったとしている。

 232層NANDは業界最速のNAND I/O速度(2.4GB/s)を実現しており、従来の176層NANDより50%高速。また、前世代と比較してダイあたりの書き込み帯域幅は最大で100%、読み取り帯域幅は75%以上向上するとしている。

 さらに、世界初となる6プレーン動作のTLC NANDが量産化される。これはTLCフラッシュの中で大あたりのプレーン数が最も多く、各プレーンで独立して読み取りも可能。高速I/Oや低レイテンシといった特性と合わせて、さまざまな構成においてクラス最高水準のデータ転送速度を実現する。

 加えて、データ転送のビットあたりの消費電力を30%以上低減する、低電圧インターフェイス「NV-LPDDR4」に対応する最初の製品にもなるとしており、モバイルアプリケーションやデータセンター、インテリジェントエッジでの利用にも好適。従来のコントローラやシステムとの後方互換性も維持している。

 TLCの面積あたりの容量密度は、これまでで最も高い14.6Gb/平方mmを達成。これは市場にある競合他社製品と比較して35%~100%も高いとしている。パッケージは11.5×13.5mmと、これも前世代の同社製品と比較して28%小さく最小サイズのNANDとなった。これにより基板実装面積も抑えられるとしている。

 232層NANDはシンガポール工場で量産され、当面はCrucialブランドのSSDとしてコンシューマ製品ラインとして出荷する。追加の製品および提供時期については今後発表する予定としている。