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次世代iPhoneはLightning廃止か。欧州、Type-C充電端子の義務化法案を可決

 欧州議会は4日(現地時間)、モバイル機器などにおいて共通の充電器としてUSB Type-Cを導入する新法案を本会議で可決した。賛成602票、反対13票、棄権8票。これによって、EU内で販売されるすべての対象機器がUSB Type-Cポートを搭載することが義務付けられる。

 電子機器の廃棄物削減と、消費者により自由な商品選択の機会を与える目的で2021年9月に提出された立法案。対象となるすべての携帯機器に対して1つの充電器を使用できるようにすることで不要な充電器の購入を減らし、年間合計2億5,000万ユーロの節約と、年間約980トンのE-waste(電子廃棄物)削減を見込む。2022年6月には欧州委員会が本法案について暫定合意した旨を発表した。

 新法の対象は、有線で充電可能な最大100Wの電力供給で動作するすべての携帯機器。具体的な製品カテゴリの一例としては、スマートフォン、タブレット、カメラ、無線ヘッドフォン/ヘッドセット、ポータブルスピーカー、ポータブルゲーム機、電子書籍リーダー、キーボード、マウスなどが挙げられる。これらの製品については、EU内において2024年末までにUSB Type-C充電ポートを装備する必要がある。また2026年春からは、対象をノートPCまで拡大する予定。

 法令が施行された際の消費者メリットは、1つの充電器を多種の携帯機器に対して同じように使えるようになるほかに、新しい機器を購入する際に充電器の有無を選べるようになること。ニュースリリースではこれら2点に加えて、消費者が切り替え費用を避けるなどの目的で特定のメーカーに依存する「技術的ロックイン効果」をなくすことにも触れている。

 議会での可決を受けて、欧州理事会は本指令を正式に承認する見通し。指令は公示から20日後に発効し、EU加盟国は移行期間として12カ月の猶予を与えられる。移行期間終了後は、各国内において12カ月以内に規則を適用する必要がある。