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2021年度の国内PC市場はAppleが好調でシェア伸ばす。市場全体の台数は前年比約16.9%減
2022年3月2日 10:42
株式会社MM総研は2日、2021年度通期の国内PC出荷台数を発表した。
出荷台数は前年同期比16.9%減の約1,322万1千台で、2020年度の1,591万台(1995年の統計開始以来最高記録)から約270万台近くの減少となっている。金額ベースでは1兆1,150億円で前年度比20.2%の減少。単価も低下傾向に見えるが、報告によれば世界的な部品不足の影響で、少なくとも2022年度前半は少しずつ上昇が続く見込みとしている。
メーカー別シェア(括弧内は構成比)は1位のNECレノボグループが388万3千台(29.4%)、2位の日本HPが203万5千台(15.4%)、3位の富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が168万9千台(12.8)、4位のDellが168万1千台(12.7%)、5位のdynabookが94.6万台(7.2%)、6位のAppleが66.3万台(5%)。
各社とも前年度と比べて出荷台数が落ち込んでいるが、Appleのみ前年度の56万5千台から66万3千台に伸ばしており、シェアも3.6%から5%に達している。またFCCLは、GIGAスクール端末としてタブレットを中心に販売していたため、2021年の1~3月期にあった特需の反動が小さく、また企業向けの出荷が回復したことを要因として、前年度の4位から3位に浮上した。
ルート別出荷台数としては、個人市場が420万9千台で10.8%減、法人市場が901万2千台で19.5%減。特に法人向けは、GIGAスクール向け出荷が落ち着いたことで減少幅が大きくなった。
2022年度の国内PC出荷台数は前年比14.4%減の1,132万1千台を見込む。2020年をピークとして2年連続の減少となるが、法人市場の買い替え需要が堅調なため減少幅は縮小する見込み。ただし新型コロナウイルス感染症の蔓延による部品の供給不足ならびに価格の高騰や、ウクライナの軍事衝突によってサプライチェーンが安定しない状態が続くことが予測されるため、PC市場の再成長を実現するためには、メーカーによる安定した製品供給網の確立が求められるとしている。