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Samsung、皮膚に合わせて30%伸びるOLEDディスプレイ

 Samsungは6日(現地時間)、最大30%伸び縮みすることで皮膚に貼り合わせても違和感のないOLEDディスプレイ技術を発表した。

 通常、ディスプレイを伸ばしたり形状が変化したりすると性能が低下したり、最悪壊れてしまったりする。この問題を克服するためには、基板、電極、薄膜トランジスタ、発光材料層、センサーを含む全ての材料において、電気的特性に加えて物理的な伸縮性を持たせなければならない。

 そこでSamsung研究者は、ディスプレイに使われるプラスチック素材をエラストマーに置き換えてこの問題に対処。微細パターンと大面積処理を可能にする露光技術を使用してディスプレイを実装した。

 エラストマーは高い弾性を持つ素材だが、熱に弱いため既存の半導体プロセスへの適用は課題があったが、研究チムは分子組成を調整することで熱耐性を向上。また、半導体製造プロセスに耐えうる分子鎖を化学的に合成した。

 また、“島”のような構造を適用することで、圧力に弱いOLEDピクセルにかかるストレスを最小化。エラストマー部分には変形しにくい伸縮性のある電極材料「クラックメタル」を塗布することで、OLED画素自体を変形させることなく、画素間や配線の電極を伸び縮みするようにした。

 これにより、最大で30%におよぶ皮膚の伸び縮みに対応し、信頼性を確保。1,000回伸ばした後でも安定して動作することを確認した。加えて、手首に装着することで、固定のシリコンセンサーよりも2.4倍強い心拍信号を拾うことができたという。

 実用化すれば、皮膚の一部のように感じられるため、睡眠や運動の際に取り外したりすることなく、長時間に渡って生体データを測定でき、なおかつほかのデバイスに転送することなく画面ですぐにこれらのデータを確認できる。そのため、成人、子供、乳児および特定の患者のためのウェアラブルヘルスケア製品に適用できるとしている。