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配線に“液体金属”。NHKが伸縮可能なディスプレイを開発

開発された伸張可能なディスプレイ

 NHK放送技術研究所(技研)は、伸縮可能なフルカラーディスプレイを開発したと発表した。映像に包みこまれるようなドーム型ディスプレイなども実現でき、没入感や臨場感を高めることができると期待されている。

 従来の金属配線では、基板の変形により電気抵抗の上昇や断線が発生するため、伸縮ディスプレイを実現できなかった。

 そこでNHK技研は配線材料に液体金属を採用することで、伸縮させても断線することなく、低い電気抵抗を維持できる伸縮配線を開発。液体金属の粘度も調整することで、印刷による細い配線パターンの形成を実現した。

 製作されたディスプレイのサイズは64×64mmで、ゴム基板上に赤/緑/青色に発光するマイクロLEDを格子状に形成し、この画素間を液体金属による伸縮配線で接続。これにより32×32画素パッシブ駆動のフルカラー表示を実現した。自由に変形できるほか、1.5倍に伸張させても安定して表示できたという。画素ピッチは2mm。