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ゲーマー/クリエイターから法人向けのvProまで幅広くカバーする第11世代Core

第11世代Core Hの特徴

 インテル株式会社は24日、クライアントコンピューティングに関する説明会「インテル クライアント・コンピューティング・アップデート・ミーティング」を開催した。

在宅勤務から教育/ゲームまで様々な用途をカバーする製品ラインナップ

 始めに、同社執行役員 パートナー事業本部 本部長 兼 クライアントコンピューティング事業統括の井田晶也氏が登壇し、2021年前半の振り返りや第11世代Core vPro製品などについて説明が行なわれた。

2021年前半のハイライト

 2021年前半では、第11世代Core vProプラットフォーム製品に加え、教育市場を想定したPentium SilverおよびCeleron Nシリーズ(Jasper Lake)、デスクトップ向けの第11世代Core Sシリーズなどを投入した。

 在宅勤務やサテライトオフィスによる業務の拡大、GIGAスクール構想による教育分野でのPC利用、ホームエンターテイメントやゲーム/クリエイティブ用途での活用など、市場の拡がりにあわせて、PCの価値をより感じてもらえる製品を投入してきたとする。

 さらに5月には、第11世代Core HシリーズにハイエンドノートPC向けの製品を追加。最大8コアの搭載や5GHzでの動作、簡単にオーバークロックが行なえるインテル スピード・オプティマイザーのサポートなど、ゲーマーやクリエイターの需要を満たせるとしており、各パートナーから80以上の採用製品が投入される見込み。

様々な用途でPCの価値が向上
第11世代Coreの各製品セグメント
在宅勤務の急速な拡大と定着
第11世代 vProプラットフォームの特徴
第11世代 vPro HシリーズおよびXeon W-11000シリーズの特徴

 法人市場では、ここ1年半ほどでビジネスを取り巻く環境が大きく変化。在宅勤務やリモートワークの急速な拡がりに加え、永続化を望む声も増え、実際に定着する例もある中で、同社ではITの役割がさらに重要になるとみている。

 第11世代Core vPro Hシリーズでは、ハードウェアベースの強固なセキュリティ機能や高度な管理機能に加え、従来製品からの性能向上も果たした。さらに、Evo vProプラットフォームによる高性能かつ薄型/軽量デザインも活かし、様々なシーンで働く人々の生産性を高めていきたいとした。

前世代との性能比較。11~29%の性能向上を実現
3年前の製品との性能比較。24~75%の大幅な性能向上

遠隔管理や堅牢なセキュリティが強みのvPro

 続いて、同社インダストリー事業本部の坂本尊志氏より、vProプラットフォームの活用事例について説明が行なわれた。

インテル エンドポイント・マネージメント・アシスタント

 国内企業では、セブン銀行の事例を紹介。働き方の変化により、従来から利用していたVDI環境ではビデオ会議への対応が難しいなど様々な課題が発生しており、vProプラットフォームを活用した環境へ移行したという。

 VDI環境では必要の無かった資源配布作業では、インテル エンドポイント・マネージメント・アシスタント(Intel EMA)を活用し効率化を図っているという。

 海外企業ではエーゲ航空の事例などを紹介。Intel EMAではリモートで電源を入れて、アップデートを適用し、電源を切るといった作業が可能となる。業務時間外に更新対応ができ、エンドポイントのセキュリティ向上が図れるほか、自動化にも対応可能なことから、IT部門の負担を抑えられるとした。

セブン銀行での活用事例
エーゲ航空の活用事例

8コア化しOCにも対応する第11世代Core H

 最後に、同社技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏より、ノートPC向け第11世代Core Hに関する説明が行なわれた。

第11世代Core Hシリーズの機能と特徴

 CPUには10nm SuperFinプロセスによるWillow Coveを採用。PCI Express 4.0を20レーン備え、うち16レーンは外付けGPUに、4レーンはストレージに接続できる構成となる。また、インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー(Intel RST)により、チップセット側に接続したPCI Express 3.0 SSDとのRAID 0の構築や、RAIDボリュームからの起動にも対応する。

 チューニング機能については、最上位のCore i9-11980HKではインテル エクストリーム・チューニング・ユーティリティー(Intel XTU)を通じたオーバークロック(OC)をサポート。より簡単にオーバークロック設定が可能なスピード・オプティマイザーも用意する。

 GPUはUHD Graphicsで実行ユニット(EU)は32基内蔵。QSVは2基のメディアエンコーダを内包し、動的に活用することで処理の高速化を実現できるとする。さらにAV1ハードウェアデコーダも備える。

 そのほか、Wi-Fi 6EやThunderbolt 4もサポート。前者はパケット処理の優先度付けや2.4GHz/5GHz帯を最適に切り替えて接続するKiller インテリジェント・エンジンなどにも対応する。後者はドックやデイジーチェーンなどを活用することで、シンプルにマルチディスプレイ環境を実現できるとする。

インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー
最上位製品ではオーバークロックも可能
Wi-Fi 6EやThunderbolt 4でコネクティビティも強化
GPUやAI機能なども強化している
Core i9-11980HKと前世代のCore i9-10980HKとの比較。FPSは最大21%向上
競合となるRyzen 9 5900HXとの比較。最大で26%高いFPSを発揮できるという
Core i9-11980HKとCore i9-10980HKのクリエイティブ性能の比較。14%~22%性能が向上
Ryzen 9 5900HXとの場合。競合より18~24%高い性能を実現しているとする

 また、ビジネス向けにvPro対応製品も投入。ワークステーション向けのW-11855MおよびW-11955Mも用意し、W590チップセットと組み合わせることでECCもサポートする。

コンシューマ向けの製品ラインナップ
ビジネス向けの製品ラインナップ。すべてvPro対応となる