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Xiaomi、防水対応/Snapdragon 888のフラグシップスマホ「Mi 11 Pro」と「Mi 11 Ultra」

Mi 11 Ultra

 Xiaomiは29日(中国時間)、新製品発表会を開催し、SoCにSnapdragon 888を搭載したIP68防水防塵対応のフラグシップモデル「Mi 11 Pro」、および「Mi 11 Ultra」を発表した。中国では本日より予約開始し、4月2日に発売する。

 メモリ/ストレージ構成および価格は、Mi 11 Proの8GB+128GBモデルが4,999人民元(約8万4,000円)、8GB+256GBモデルが5,299人民元(約8万9,000円)、12GB+256GBモデルが5,699人民元(約9万2,000円)。Mi 11 Ultraの8GB+256GBが5,999人民元(約10万円)、12GB+256GBモデルが6,499人民元(約10万9,000円)、12GB+512GBモデルが6,999人民元(約11万7,000円)。

 いずれもXiaomiとしてははじめてIP68規格(水深1.5mで30分静置)に準拠し、一般生活シーンにおける水没による故障の可能性を低減した。同社独自の検証では、水深42mでも動作したという。

Mi 11 Pro
Xiaomi初のIP68準拠
独自のテストで水深42mもクリア

 また、両モデルともにメインカメラのセンサーとしてSamsungと共同開発した「GN2」を採用。5,000万画素で1/1.2型と高級コンデジに匹敵するサイズとなっており、画素あたりのサイズは1.4μm。35mm換算24mmの焦点距離を持つ8枚のレンズで究極の画質にこだわった。

 AFは従来のDPAF(Dual Pixel Auto Focus)から進化した「Dual Pixel Pro」を搭載。RGB画素のうちGの画素のフォトダイオードを2つの台形状としたことで、左右の比較のみならず上下方向の比較も可能になり、AF速度がさらに高速化。とくに暗所でより高速に合焦が可能になったとしている。

 Mi 11 Ultraでは、さらに広角カメラ/望遠カメラともにソニーのIMX586というメインカメラ級のセンサーを採用し、第三者機関によるテスト「DxOMark Mobile」で史上最高となる143点をマークした。発表会では、ソニーの高級コンデジ「RX100M7」との暗所撮影における画質比較も行ない、ほとんどのシーンで優れた写真が得られることをアピールした。

Samsungと共同開発した1/1.2型センサーGN2を採用
iPhone 12 Proのセンサーと比べるまでもなく圧倒的な大きさ
Dual Pixel Proで上下の位相差検出も可能になった
Mi 11 UltraはDxOMark Mobileで総合1位の143点をマーク

 発表会で製品解説をした雷軍CEOによると、Xiaomiでスマホカメラの開発に携わっているスタッフはすでに1,000人を超え、AIに関する研究チームも300人規模となっている。RX100M7より優れた画質を実現したのは、スマートフォンではデジタルカメラにはない高性能なプロセッサがあり、演算によって写真を補正できる強みを活かせる結果だとした。

 もっとも、発表会では夜景や暗所といった極限状態での撮影比較がほとんどであり、日中の撮影サンプルは比較していない。雷軍氏によれば「時間の都合で大部分を省いたが、それでも9割以上はMi 11 Ultraのほうが優れていると考えている」とした。RX100M7のような高級コンデジはレンズ性能に圧倒的な余裕があるため、明るい場所では有利という裏返しでもあるのだが、「高級コンデジと同じ土俵で比較できるはじめてのスマホだ」ということを強調した。

 また、Mi 11 Ultraでは64点のdToFによるレーザー測距機能を備え、高速なフォーカスを実現。3つのカメラすべてで8Kの動画撮影に対応しているほか、このうち2つのカメラで同時に動画を撮影できる。さらに、2台のMi 11 UltraをBluetoothで連携させ、片方からもう片方のプレビューを見ながら撮影を操作できるという、プロ動画クリエイター向けの機能を実装した。

ソニーの高級コンデジRX100M7に肉薄する大きさ
暗所ではより多くのディテールを残せる
白飛びや黒つぶれも少ない
Mi 11 Ultraは望遠カメラもメインカメラ級のセンサーを採用
8Kで撮影された動画
Mi 11 Ultraでは2台で連携して、もう片方を操作できる

 このほか、0.6倍に相当する広角カメラと、光学5倍に相当する望遠カメラを搭載。デジタルズームを併用した場合、Mi 11 Proは100倍、Mi 11 Ultraは120倍のズームができる。

 Mi 11 Ultraの背面のカメラモジュール部は突出して大きいのだが、じつはその横に小さなサブディスプレイを搭載している。電話やメールの通知のみならず、背面カメラを使ったセルフィー撮影のさいのプレビュー画面として使うことや、バッテリが10%以下のときに電話をとるといった操作ができ、55時間の待ち受けを実現した。

ちょっとやりすぎとも思えるMi 11 Ultraの背面のカメラ部。じつはサブディスプレイ搭載
通知や、背面カメラを使ったセルフィー撮影のさいのプレビュー画面として使えるサブディスプレイ

 このほか、両モデルともに一酸化珪素(SiO)を負極に採用したリチウムイオンバッテリを世界初搭載。電力密度が大幅に向上し、11 Proでは8.53mmの薄型筐体で5,000mAhの容量を実現。一方11 Proでは8.38mmとさらに薄いが、これは11 Proがガラスカバーであるのに対し11 Proはセラミックカバーであり、より薄型でも同等の強度が得られるためとしている。

 充電は有線でも無線でも67Wの急速充電に対応したのが特徴。いずれも容量2%の状態から約37分で満充電になる。なお、標準パッケージではACアダプタもケーブルも付属しない「エコ仕様」となっているが、67Wの急速充電器がセットになったモデルも同額で用意される。

 この新製品にあわせて80Wの給電が可能な無接点充電スタンドと、120Wの急速充電器のセットを499人民元で投入する。この無接点充電スタンドは縦置きのみならず、横置きでも充電できる。Mi 11 Proと同時購入の場合は数量限定ながら+199人民元で入手可能。加えて、19個ものコイルを内蔵し、3台のデバイスまで充電可能な無接点充電器も599人民元で発売する。

世界ではじめてSiOを負極に採用したリチウムイオンバッテリ
有線でも無線でも67Wの急速充電に対応した
無接点充電対応のスタンドのパッケージ
19個のコイルを内蔵した無接点充電スタンドも同時投入する

 ディスプレイは両モデルともに3,200×1,440ドット/120Hz表示に対応した6.81型AMOLED。DisplayMateによりA+の評価を受けているほか、Dolby Visionにはじめて対応した。表面はCorning Gorilla Glass Victusを採用し、耐スクラッチ性は2倍、耐衝撃性能は1.5倍としている。また、工場出荷時に抗菌の保護フィルムが貼付され、抗菌背面カバーが付属する。

 放熱はMi 11と同じベイパーチャンバー構造となっているが、グリスの代わりに新たにフェイズチェンジマテリアル(相変化材料:PCM)を採用した。熱を受けると軟化し、両面に密着することで放熱性を高める。

3,200×1,440ドット/120Hz表示対応のAMOLEDを採用
相変化材料を用いて熱伝導性を2倍に高めた

 このほか共通で、SoCにSnapdragon 888、6,400Mbps駆動のLPDDR5メモリ、UFS 3.1ストレージ、Wi-Fi 6、OSにMIUI 12.5などを搭載する。重量はMi 11 Proが208g、Mi 11 Ultraが234g。

 なお、29日の発表会では、ビジネス向けフラグシップの「MIX」シリーズと、Xiaomiが長年沈黙を続けていた自社開発SoC「澎湃」なども発表される予定であったが、すでに2時間におよぶ長丁場になっている点と、雷軍CEOの体調不良が重なっていることもあり、翌日となる30日夜19:30(中国時間)に改めて発表会を開くと予告された。