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Intel CPU製造能力強化でAMDシェア拡大に歯止め

 米Mercury Researchは2日(現地時間)、2020年第4四半期のx86 CPU市場シェア調査について報告した。これによれば、Intelは製造能力の強化によって、AMDの市場シェア拡大に歯止めがかかったことが明らかとなった。

 AMDは、サーバー市場でこそ直前期と比べて0.5%シェアを伸ばしたが、デスクトップCPUでは-0.8%、モバイルCPUでは-1.2%となった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でノートパソコンへの需要が大きく高まったおかげで、x86 CPUの市場自体は急速な成長を見せていて、調査開始以来最高となる1億2,500万個の出荷量を記録した。そこで顕になった問題が供給量であり、Intelは公約どおりCPU供給を改善できたことが、シェアを伸ばした理由だという。

x86 CPU市場シェア(出典:Mercury Research)

 具体的には、IntelはモバイルCPUで前年比60%増の出荷量を達成した。とくに文教向けChromebookで需要が高いCeleronやPentiumといった安価な“スモールコア”の供給改善による影響は大きい。AMDはこの市場向けに“Stoney Ridge”とよばれるA4/A6プロセッサを用意しているが、採用例が少ない。

 デスクトップ向けでも、IntelはCore i3/i5シリーズが強かった。AMDはRyzen 5000シリーズを投入したが、供給不足が影響し、機会損失の原因となっている。ただ、Mercury Researchでは、AMDがRyzen 5000シリーズを100万個近く出荷した結果、第1四半期のデスクトップ平均価格が過去最高になったと分析している。

セグメント別の市場シェア(出典:Mercury Research)