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スパコン「富岳」で行なわれた研究がゴードン・ベル賞の最終候補に選出

~水槽実験や風洞実験がシミュレーションで完全代替できる時代が到来

 東京大学、みずほ情報総研株式会社、理化学研究所、一般財団法人 日本造船技術センターの研究グループによる、スパコン「富岳」を使った大規模数値流体シミュレーションに関する研究が、ゴードン・ベル賞の最終候補に選ばれた。11月16日から19日にわたってオンラインで開催される高性能計算に関する国際会議「SC20」で発表される。

 ゴードン・ベル賞は、高性能並列計算を科学技術分野へ適用することに関して、イノベーションの功績がもっとも顕著な研究に対して与えられる。

 同グループの研究は、富岳をはじめとした最新鋭のCPUに適した革新的なアルゴリズムを考案することにより、従来のスパコン「京」の70倍以上の高速な流体数値計算を実現した。

 これにより、従来の水槽実験や風洞実験によって評価されてきた船舶や自動車などの性能試験が、コンピュータによる数値シミュレーションで完全代替できる可能性が証明され、多くの産業分野における応用が期待されるという。