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NHKと日本触媒、有機ELディスプレイを長寿命/省電力化する新材料を開発

 NHK(日本放送協会)は8月31日、株式会社日本触媒と共同で有機ELディスプレイの長寿命化かつ省電力化を実現する新材料を開発した。

 有機ELディスプレイでは、電子が陰極から電子供給層を通じて運ばれ、発光層で正孔と結合することで発光する。この電子供給層にはリチウムなどのアルカリ金属がおもに利用されており、陰極から電子を取り出すさいに必要なエネルギーの大きさは、ディスプレイの電力消費に直結する。

 今回開発された「フェナントロリン誘導体」は、電子供給層に用いることで陰極を構成する金属元素と強く配位結合するため、より少ないエネルギーで陰極から電子が取り出せる。研究グループではこれを利用して、世界最高レベルの電力効率を実現する有機ELの試作に成功した。

 また、フェナントロリン誘導体はリチウムなどと比べて酸素や水分と反応しづらいため、ディスプレイの長寿命化にもつながるとしており、今後も長寿命で省電力なフレキシブル有機ELディスプレイの早期実用化に向けて研究開発を進めていくという。