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米連邦裁、FortniteのApp Store復活は認めず。Unreal Engineは停止処分回避

 Epic GamesがAppleに対して起こした訴訟について、米連邦裁判所は25日(現地時間)、App Storeの規約違反で削除されたFortniteの復活を強制しない一方で、開発者アカウントの停止については撤回することをAppleに言い渡した。

 既報の記事(Apple、App Storeからフォートナイトを排除。Epicは訴訟で対抗参照)のとおり、Epic GamesはApp Storeのガイドラインを違反するアプリ内課金機能をFortniteに実装させたことで、App Store内からFortniteが削除された。Epic Gamesはアプリの売り上げから最大30%の手数料を取るApp Storeの運営方針について独占的だとして、訴訟を起こすとともに、SNS上で大規模な反Appleキャンペーンを展開していた。

 また、AppleはEpic Gamesのこうした行動に対する措置として、Epic Gamesのすべての開発者アカウントを8月28日を持って停止するとの通達を行なっていた(AppleがEpicの開発者アカウント全停止を通達参照)。

 Epic Gamesは著名なゲームエンジンであるUnreal Engineを手がけており、この措置が実施された場合、多くのゲーム開発者らがApp Storeにおいて同エンジンを利用したゲームの作成が困難になるとして懸念が広がり、MicrosoftのXbox部門に務めるフィル・スペンサー氏もこれに追随し、Epic Gamesを支持する声明を出していた(Microsoft、Appleと係争中のEpicを支持参照)。

 Reutersの報道によれば、この件を担当したイヴォンヌ・ゴンザレス・ロジャース判事が「Epic GamesとAppleがお互いに訴訟を起こすことは自由だが、その対立で第三者を混乱に巻き込むべきではない」と伝え、「Fortniteが削除されたことはEpic Games自身の行動によるもの」だとし、FortniteのApp Storeでの復活をAppleに命令しなかった。ただ、開発者アカウントの停止については「Fortniteのような規約違反は見当たらず、その措置はあまりにも厳しいものだ」と撤回するように求めている。