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HPEのサーバー向けSAS SSD、稼働32,768時間超えでデータ喪失。復旧も不可

主力サーバーProLiantでもSAS SSDが使われている

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が11月29日に公開したサポート文書によれば、同社のサーバーやストレージ製品に使われている特定のSAS SSDにおいて、稼働時間が32,768時間を超えると、復旧が不可になる深刻な不具合が発生するとした。

 HPEによると、SSD製造業者から特定のSAS SSDモデルのファームウェア障害についての通知を受けたという。これらのSSDは、ProLiant、Synergy、Apollo、JBOD D3xxx/D6xxx/D8xxx、MSA、StoreVirtual 4335/3200といった多くのHPE製サーバー/ストレージで使われている。

 この問題は、「HPD8」より以前のファームウェアバージョンを使用しているSSDにおいて、32,768時間の稼働(およそ3年270日8時間)で障害が発生。障害が発生すると、SSDのデータが喪失し、回復できなくなる。同時に稼働を開始したSSDは、同時に障害が発生する可能性があるとしている。

 32,768は16bitの整数型で負から正まで扱える範囲の最大値を1つ超える数値であり、これに関連した不具合と見られる。

 HPEはこの問題を防ぐためのHPD8ファームウェアを配布しており、すぐに適用するよう呼びかけている。適用しない場合、ユーザーは今後起こりうるエラーのリスクを受け入れることになる。なお、リリースが遅く稼働時間が32,768時間に満たない一部モデルは、12月9日の週の配布を予定している。

【12月5日更新】なお、日本電子計算株式会社が5日に発表した自治体専用IaaSサービス「Jip-Base」の障害について、「ストレージのファームウェアが原因」としているが、同社広報によると本件とは無関係としている。