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Gartner、2019年の世界半導体売上予測を下方修正
~DRAM過剰供給は2020年第2四半期まで続く見込み
2019年7月25日 14:34
市場調査会社のGartnerは22日(米国時間)、2019年全世界半導体売上高について、2018年の4,750億ドルから9.6%減の4,290億ドルになるとの予測を発表した。
前四半期(2019年第1四半期)では前年比3.4%減としていたが、そこからさらに6.2ポイントの下方修正となる。
DRAM市場では、過剰供給により2019年で42.1%の価格下落が見込まれ、Gartnerでは2020年第2四半期まで過剰供給が続くと予想している。過剰供給の要因はハイパースケールベンダーの需要回復鈍化と、在庫の増加によるものと分析している。
NAND市場については、2018年第1四半期から供給過剰が続いてるが、当面の需要が予想よりも弱いため、現在はより過剰供給が顕著になっているという。
GartnerリサーチアナリストのBen Lee氏は、「米中国間の貿易紛争や、スマートフォン/サーバー/PCなどの主要アプリケーションの低成長と相まって、メモリやそのほかの種類のチップの価格環境が悪化したことで、半導体市場は2009年以来となる最低の成長率を記録している」と説明。半導体製品の生産者は、弱い市場から打撃を受けないよう、生産計画と投資計画を見直すべきであるとしている。
Lee氏は、「NANDの急激な価格下落を考えると、2020年の需給見通しは(2019年よりも)バランスの取れたものになる可能性がある」と前置きししつつ、PCやスマートフォンなど需要鈍化要因の拡大、中国の新工場稼働による生産能力拡大などが市場へ影響を与えるだろうとしている。なお同氏は、スマートフォン市場の過剰在庫とSSDの需要低迷は今後数四半期に渡って続くと予想している。
米国-中国間で起こっている貿易紛争については、貿易レートに対する不確実性を引き起こしていると述べ、米国の規制はセキュリティ上の問題に基づいており、半導体の需要と供給に長期的な影響を与えると指摘。
それらの問題は中国国内での半導体生産を加速させるだけではなく、ARMアーキテクチャプロセッサといった技術の“フォーク”を生み出すと予測されるほか、一部メーカーは中国国外への移転を、多数の企業が影響を軽減するために製造拠点の多様化を図るだろうとしている。