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SK Hynix、世界初128層TLC 1Tb NAND量産開始。2020年に32TB SSD製品化

 韓国SK Hynixは26日(韓国時間)、世界初となる「128層TLC NAND」の量産開始を発表した。出荷開始は2019年後半を見込む。

 垂直積層数として世界最高の128層という高密度TLC NANDフラッシュで、チップあたりのNANDセル数は3,600億を超え、1Tb(1テラビット=125GB)の記憶容量を実現する。

 「超均一垂直エッチング技術」および「高信頼性多層薄膜セル形成技術」、「超高速低電力回路設計」などのNAND技術により128層TLC NANDを実現しており、4プレーン設計を採用し、データ転送速度は1.2Vで1,400Mbpsを謳う。

 すでにQLC NANDでは1Tbチップが市場投入されているが、TLC NANDとしては市場初となる見込み。

 同社が2018年に発表した、「3D CTF(Charge Trap Flash)」デザインと「PUC(Peri Under Cell)」技術を組み合わせた独自の「4D NAND」プラットフォームの製品として開発されており、4Dプラットフォームとプロセスの最適化により、既存の96層NANDから製造プロセス総数を5%削減し、結果として128層NANDへの移行にかかる投資コストは、以前の移行と比較して60%抑えられ、投資効率が大幅に向上。また128層4D NANDでは、96層4D NAND比でウェハあたりのビット生産性は40%高いという。

 同社では、スマートフォン向けの次世代UFS 3.1製品を2020年上半期に開発予定で、128層1Tb NANDフラッシュでは、現行スマートフォンの最大容量である1TBに必要なNANDチップの数を512Gb NANDと比べて半分に削減でき、厚さ1mmの薄型パッケージで消費電力を20%削減したソリューションを提供するとしている。

 同じく2020年上半期には、自社製コントローラとソフトウェアを搭載した、コンシューマ向け2TB SSDの量産も開始する予定であるほか、クラウドデータセンター向けに16TBおよび32TBのNVMe SSDも2020年に投入する見込み。

 また同社では、次世代の176層4D NANDフラッシュの開発も進めていることも表明している。