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Google、クラウドで円周率31.4兆桁計算。ギネス更新
2019年3月15日 17:13
Googleは14日(米国時間)、Pi Dayを迎えるにちなみ、同社のクラウドサービスGoogle Cloudを使って円周率を31.4兆桁まで計算し、既存のギネス記録を更新したと発表した。
正確には、今回計算された円周率の小数点以下の桁数は31,415,926,535,897桁。これも円周率になぞらえている。これは2016年11月にPeter Truebによって作られた記録よりも9兆桁多い数字となっている。
円周率の計算に使われたアルゴリズムはChudnovkyの公式に基づくもの。このアルゴリズムを使った計算の難点は、桁数が増加するにつれ必要な演算リソースと時間が桁数以上に加速して増加していく点。さらに、計算が進むにつれ、潜在的なハードウェアの機能停止や障害に耐えることが難しくなる。
今回の円周率の計算には、Google Cloudの高性能インフラストラクチャであるCompute Engineを使用した。Compute Engineではライブ移行機能を搭載しているため、インフラストラクチャを最新の状態に保つのをGoogleに負担させながら、アプリを継続して実行できる。また、計算された数字をディスクスナップショットとして公開することも容易であり、AVX-512をサポートするSkylakeが使えるなど、専用の物理マシンやHDDを使うよりはるか効率的だとしている。
今回の円周率計算は、2018年9月22日6時49分32秒から開始し、2019年1月21日9時40分50秒まで実施された(いずれもUTC時間)。開始から終了まで121.1日かかり、このうちの演算時間は111.8日だった。
使われた演算インスタンスは96基の仮想CPUと1.4TBのメモリだ。ディスクインスタンスは24ノード使われ、各ノードには10TB接続されており、合計で240TBのストレージ容量を持つ。演算時最大で170TBほど消費した。合計ディスクI/Oはリード9.02PB、ライト7.95PBに達した。
なお、演算結果は公開されており、Google Cloudを契約すればディスククローンにより結果を入手できる。利用には1日あたり40ドルかかる。スナップショットは2020年3月14日まで保管されている。