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120年間の謎だったパズルを数学的に証明。北陸先端大
2025年3月11日 13:33
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は10日、コンピューティング科学研究領域の上原隆平教授、鎌田斗南助教は、マサチューセッツ工科大学のErik D. Demaine教授とともに、「裁ち合わせパズル」と呼ばれる古典パズルの解の最適性を世界で初めて証明したと発表した。
裁ち合わせパズルとは、与えられた多角形をなるべく少ないピースで切り分けて並べ替え、別の多角形に変えるパズルで、その中でもっとも有名なものが正三角形を4つのピースに切り分けて正方形を作る「デュードニーの裁ち合わせパズル」というもの。イギリスのデュード二ー氏が1902年に発表したものだが、「4ピースより少ない解があるかどうか」については120年以上にわたって未解決のままだった。
このパズルでは、まず「2ピース」は不可能であることが明らかである(2ピースに切る場合、正方形の中でもっとも長い距離である対角線は、正三角形の中でもっとも長い辺の長さに満たないため)。そのため「3ピースの裁ち合わせ」が存在するかどうかに焦点が当てられ、研究が続けられたのだが、このたび鎌田助教が新しい証明技法を考案し、世界で初めて3ピース以下の解が存在しないことの証明に成功した。
今回の証明技法により、これまで最適解を数学的に証明することが難しいとされる裁ち合わせ問題に対して新たな地平を切り拓いたとしており、今後はほかのパズルでも不可能性を示せる可能性があるとし、さらなる精緻化により新たな立ち合わせの発見につながるとしている。