Samsung、最新フラッグシップスマホ「Galaxy S10」シリーズ3機種を発表

　Samsung Electronicsは2月20日(現地時間)、米国サンフランシスコでイベント「Galaxy UNPACKED 2019」を開催し、Galaxyシリーズ10周年モデルとなる最新フラッグシップスマートフォン「Galaxy S10」シリーズを発表した。

　6.1型有機ELパネル搭載の「Galaxy S10」と、6.4型有機ELパネル搭載の「Galaxy S10+」の2モデルに加えて、より広いユーザー層をターゲットとする5.8型有機ELパネル搭載の「Galaxy S10e」の計3モデルをラインナップ。いずれもワールドワイドで2月21日より予約が開始され、3月に発売予定。

Galaxy S10

　Galaxy S10シリーズのメインモデルとなるのがGalaxy S10だ。ディスプレイには、新開発となる6.1型有機ELパネル「Dynamic AMOLED」を採用。Dynamic AMOLEDは、HDR 10+準拠のHDR表示をサポートするとともに、発色性能も従来から向上。

　また、ブルーライトカット機能により42%のブルーライトをカットできるという。表示解像度は1,440×3,040ドット、アスペクトは19:9。HDR 10+表示対応ディスプレイ搭載スマートフォンは、Galaxy S10シリーズが世界初とのことで、次世代の表示性能を実現したとしている。

　このディスプレイは、従来モデル同様に側面がカーブしているだけでなく、ディスプレイ上部の前面カメラ部を丸く切り抜いた「Infinity-O」と呼ばれる仕様となっている点も大きな特徴の1つ。ディスプレイ上部にはいわゆるノッチがなく、上下左右ともにベゼル幅が極限まで狭められており、筐体に対するディスプレイ占有率は93.1%に達している。

　また、ディスプレイ下部にはディスプレイ内蔵型指紋認証センサーも搭載する。この指紋認証センサーは、すでに登場している製品とは異なり超音波で指紋を読み取る方式を採用。そのため、光学式指紋認証センサーに比べて高速かつ高精度の認証を可能にしているという。さらに、指紋認証センサーが前面に配置されることで、利便性も高まるとしている。なお、従来モデルに搭載されていた虹彩認証機能は省かれている。

　背面カメラには、超広角(画角123度)、広角(画角77度)、望遠(画角45度)のトリプルレンズカメラを搭載。撮像素子の画素数は超広角が1,600万画素、広角と望遠が1,200万画素で、広角と望遠には光学式手ブレ補正も搭載。また、広角の撮像素子はデュアルピクセルオートフォーカスにも対応するとともに、絞りをF1.5とF2.4に切り替えるデュアルアパチャー機能にも対応。前面カメラは1,000万画素のカメラとなる。

　カメラ機能では、AI処理対応チップセットを搭載したことで、シーン検出機能が大幅に強化されている。また、進化した動画手ブレ補正機能「Super Steady Video」を搭載することで、手持ち撮影でもほとんどブレのない動画を撮影できるとしている。

　このほかにも、スマートフォン初となるWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)サポートや、Unity Technologiesのゲームエンジン「Unity Engine」への最適化やベイパーチャンバークーラーの採用によるゲームパフォーマンスの向上、ほかのQi対応スマートフォンや周辺機器へワイヤレスで電力を供給できる「Wireless Power Share」といった機能も搭載しており、従来モデルからの大きな進化を実現している。

　SoCはSnapdragon 855またはSamsung Exynos 9820のいずれか(地域によって異なる)を搭載。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBまたは512GB。IP68準拠の防水・防塵性能も備える。OSはAndroid 9。サイズは70.4×149.9×7.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は157g。本体カラーは、Prism Green、Prism White、Prism Black、Prism Blueの4色が用意される。

Galaxy S10+

　Galaxy S10+は、Galaxy S10をベースとして、ディスプレイを大型化するとともに、フロントカメラなどスペックを強化した上位モデルとなる。

　ディスプレイは、Galaxy S10同様にHDR 10+表示対応のDynamic AMOLEDで、表示解像度は1,440×3,040ドットと同じだが、サイズが6.4型に大型化されている。また、こちらも前面カメラ部がくり抜かれた「Infinity-O」デザインとなるが、Galaxy S10+では前面カメラがデュアルレンズとなっており、楕円形にディスプレイが切り抜かれている。筐体に対する画面占有率は93.1%。

　前面カメラは、1,000万画素のカメラと、1,000万画素の深度計測用カメラの構成となる。これによって、セルフィー撮影時に奥行きを計測し、一眼カメラのようなボケを実現できるという。背面カメラの仕様はGalaxy S10と同じだ。

　このほか、Galaxy S10+ではRAMが8GBと12GB、内蔵ストレージが128GB、512GB、1TBと、増量モデルも用意され、内蔵バッテリも容量が4,100mAhとなる。

　サイズは74.1×157.6×7.8mm(同)、重量は175g。本体カラーは、Prism Green、Prism White、Prism Black、Prism Blue、Ceramic Black、Ceramic Whiteの6色が用意される。

Galaxy S10e

　Galaxy S10eは、Galaxy S10のスペックの多くを受け継ぎつつ、より小型な筐体かつ安価な価格を実現することにより、幅広いユーザー層をターゲットとする新モデルだ。ディスプレイはサイズが5.8型となり、本体サイズは69.9×142.2×7.9mm(同)、重量は150gと、上位2モデルに比べるとかなりコンパクトとなっている。

　ディスプレイは上位モデル同様にDynamic AMOLEDで、表示解像度は1,080×2,280ドット。こちらも前面カメラ部が切り抜かれた「Infinity-O」デザインを採用するが、左右側面は湾曲しておらず、フラットなディスプレイとなっている。ディスプレイ占有率は91.6%と上位モデルにやや劣るが、それでもかなりの高占有率となっている。ただし、ディスプレイ埋め込み型指紋認証センサーは搭載されず、側面に電源ボタン一体型の指紋認証センサーを搭載する。

　背面カメラは、1,200万画素の広角カメラ(画角77度)と1,600万画素の超広角カメラ(画角123度)のダブルレンズ構成となる。広角カメラはデュアルピクセルオートフォーカスや光学式手ブレ補正、F1.5とF2.4を切り替えられるデュアルアパーチャー機能を搭載する。前面カメラは1,000万画素となる。

　ただ、Galaxy S10eはスペックを抑えたミドルレンジモデルといわけではなく、SoCはSnapdragon 855またはSamsung Exynos 9820のいずれか(地域によって異なる)、RAMは6GBまたは8GB、内蔵ストレージは128GBまたは256GBと、上位モデル同等となっている。また、そのほかの多くの仕様も上位2モデルとほぼ同じで、フラッグシップモデル同等の高性能モデルとなっている。

　OSはAndroid 9を採用。内蔵バッテリ容量は3,100mAh。本体カラーは、Prism Green、Prism White、Prism Black、Prism Blue、Canary Yellowの5色が用意される。

Galaxy S10 5G

　Galaxy S10 5Gは、Galaxyシリーズ初の5G対応モデルだ。現時点では細かい仕様は公表されていないものの、ディスプレイサイズは6.7型とかなり大きく、Galaxyシリーズ初の3Dカメラを搭載するという。また、内蔵バッテリ容量も4,500mAhになるとのこと。発売時期は未定。