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NTT、サングラス並みに透ける電池
2018年11月26日 18:53
日本電信電話株式会社(NTT)は、光透過性も持った「透ける電池」の基本動作を確認したと発表した。
従来の電池は、高出力で長持ちする電池を実現するため、電極に金属の集電層上に活物質、導電材、結着剤が混合された合材層が形成され、全体的に黒色で光を透過しない構造が一般的となっている。
今回、NTTは光透過性の観点で電池を構成する材料と構造に着目し、入射光の吸収と反射を抑制する技術開発を行ない、存在感なく周囲に馴染むデバイスの実現を目指したという。
開発された「透ける電池」は、光の吸収を抑制しやすい材料を電池の電極として選択。適用できる領域の拡大を目指して、電極を導電性フィルム上に成膜し、電解質をゲル化することで、「透ける」だけでなく「曲がる」電池を実現したという。
分光光度計による光透過特性の評価では、平均約25%の透過率を有していることが確認され、一般的なサングラスに相当する透過率を実現しているほか、充放電性能は平均電池電圧1.7V、放電容量0.03mAh(電流密度0.01mA/平方cm)が確認されており、一般家庭にある掃き出し窓約1.5個分のサイズで、市販のコイン電池(CR1025)の容量に相当するという。
また充放電可能な二次電池として動作することも確認されており、充放電を100回繰り返した後でもLED点灯が可能であったとしている。
同社では、本技術について、従来の電池では適用困難だった領域に広く適用できる可能性があり、情報表示端末分野のディスプレイ、建物の窓等の建材分野の太陽光発電素子など、研究開発が進む透明に関する技術分野と組み合わせることで、IoTの新たな可能性拡大につながることを期待するとしており、今後、透明度と電池性能の向上の両立に取り組みながら、具体的な適用先を探索するとしている。