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OPPO、10分で40%充電できるSuperVOOC搭載スマホ「R17 Pro」

~夜撮りに特化。初のSnapdragon 670搭載の「R17」も

R17 Pro

 中国OPPOは23日(現地時間)、中国・上海でメインストリーム向けスマートフォン「R17」および「R17 Pro」の製品発表会を開催した。

 8月13日に予告した製品で、発表会では詳細が語られることとなった。製品特徴の1つが筐体デザインで、大自然からインスピレーションを得たという文様つきのグラデーションの背面や、垂れる寸前の水滴のようなかたちをしたノッチつきディスプレイ「水滴屏」について説明された。

 ディスプレイ底面に内蔵された指紋センサーは、2×2mmの大面積撮像素子、3ピースのレンズにより、スリープ状態からわずか0.14秒でアンロックできるという。

 他社では率先してディスプレイ底面に指紋センサーを内蔵するモデルがあるが、OPPOは「新技術によってユーザー体験を引き上げられるかどうかを重視したため、今世代でようやく実用レベルだと判断して採用に至った」とした。ロック解除速度はまだ最適化途中であり、将来のアップデートによりさらに高速化を見込む。

自然からヒントを得たという“水滴屏”
ディスプレイ底面に指紋センサーを内蔵

 続いて説明されたのがR17 Proのみに搭載される「SuperVOOC」機能。OPPOは従来から5V/5Aで充電できる急速充電技術「VOOC」を搭載しているが、SuperVOOCでは容量1,850mAhのバッテリを2つ直列で接続し、10Vの電圧を5Vずつに分散して充電することで速度を高速化。10分で1%から40%まで充電でき、フル充電も47分で済むという。

 その一方で安全面にも配慮し、5重の保護機構や、スマートフォン/ACアダプタ両方に充電電圧や電流量を細かく制御するチップを搭載。ACアダプタ側にもプロセッサを内蔵することで安全性を高めた。1,000回のループテストや600回の急速充放電テスト、1万回のホットプラグテスト、および30項目以上におよぶシステム全体のテストといった、TÜV Rheinlandのバッテリ充電認証も取得する予定としている。

2つのバッテリを直列で接続し、急速充電を実現
10分間で40%まで充電できる

 ハードウェアとしての特徴の最後はカメラの機能で、OPPO R17 Proは同社のスマートフォンとしては初めて、「ハードウェアからソフトウェアまでを夜撮りに特化した」という。この背景には、若者の生活時間が夜にシフトしていることを挙げた。

 センサーはソニーのIMX362と比較的平凡だが、7枚のレンズ、F1.5の大口径絞り(R17はF1.7)、光学式手ブレ補正を搭載。「OPPO AIハイディフィニションエンジン」を搭載し、写真のなかの物体や背景、人物などを個別に認識して最適化を行なう。暗い場所では白飛びと黒潰れを効果的に抑えられるほか、シーンにあわせて最適なホワイトバランスを選択するという。

 TOF(Time of Flight)によるレーザー深度センサーも搭載しており、3Dモデルの撮影が可能。4~5mの距離に対応でき、Z軸に対しては数mm単位の精度まで深度を測位できるという。

R17 Proは夜景の撮影に特化
TOFによる深度計測に対応
3Dモデルを撮影できる

 一方ソフトウェア面では、Android 8.1をベースとしたColorOS 5.2を搭載。中国の2大スマートフォンゲームパブリッシャーであるTensentおよびNetEaseと協力し、低いレイヤーからゲームの最適化を行なうほか、Unreal Engine、Unity、Cocosとのコラボによりゲームエンジンレベルでも最適化。そのなかでも、PUBG Mobileが最高フレームレートを維持できるほか、中国で大ヒットとなっているMOBAゲーム「王者栄耀」の、OPPO R17向けに最適化したVulkanバージョンを近日中に提供するとした。

 OSレベルでは、ユーザーの位置情報から自動的に付近のレストランやスポットを紹介して提示してくれる機能を搭載。また、高徳地図と連携し、バーチャルアシスタントがARで道案内してくれるナビゲーション機能を搭載。「地図が読めない人でも道に迷うことはない」とした。

ARによるリアルタイムナビゲーションを搭載する

Snapdragon 670と710を搭載

R17はVOOCに対応

 R17の中国での販売時期および価格は、メモリ6GB+ストレージ128GBモデルが9月7日で3,199人民元(約52,000円)、メモリ8GB+ストレージ128GBモデルが8月30日で3,499人民元(約57,000円、青と紫モデル)または3,599人民元(約58,000円、グラデーションモデル)。

 発表会では触れられなかったが、R17の製品ページでは、SoCにSnapdragon 670を搭載していることが明らかとなった。同SoCはQualcommより8月9日に発表されたもので、今回採用は初とみられる。

 ディスプレイは2,340×1,080ドット表示対応の6.4型AMOLED。ディスプレイ占有率は91.5%、色域はNTSC 100%、輝度は430cd/平方m、コントラスト比は60,000:1などとされている。そのほかのインターフェイスはIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0、2,500万画素前面カメラ、USB Type-Cなど。

 対応バンドは、4Gが1/2/3/4/5/7/8/34/38/39/40/41、3GがC0/1/2/4/5/8、1,900(f)/2,000(a)MHz、2Gが800/850/900/1,800/1,900MHz。バッテリは3,500mAh。本体サイズは約74.9×157.5×7.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約182g。

R17 ProはSuperVOOCに対応

 R17 Proは10月より販売開始し、価格は4,299人民元(約7万円)。こちらはSoCにSnapdargon 710を搭載する。ディスプレイはR17と共通だが、本体サイズは74.6×157.6×7.9mm(同)、重量は約183gと若干異なる。

 対応バンド帯も多めで、4Gが1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/34/38/39/40/41、3GがC0/1/2/4/5/6/8/191,900(f)/2,000(a)MHz、2Gが800/850/1,800/1,900MHz。NTTドコモのプラチナバンドにあたるバンド19に対応しているため、日本国内での投入の可能性は高い。