ニュース

BIOSが古いAMD 300マザーで第2世代Ryzenを動作させる3つの公式方法

~AMDが一時的にAPUを貸し出し

 AMDのサポートページで、古いBIOSを搭載したSocket AM4マザーボードで第2世代Ryzenを動作させる方法が公開されている。

 AMDは2017年4月に、AMD A320/B350/X370チップセットを搭載した“第1世代”のSocket AM4マザーボードを投入している。これらのマザーボードは問題なく第8世代APUやRyzen 1000シリーズを動作させられるが、2018年2月に投入したVega GraphicsつきのRyzen Gシリーズや、2018年4月に投入した第2世代Ryzenシリーズについては、BIOSの更新を行なわなければ起動させることはできない。

 もちろん、旧プロセッサとマザーボードをセットで購入し、そのアップグレードとしてRyzen Gや第2世代Ryzenに移行した場合、旧プロセッサでBIOSアップデートを行なえばなんら問題ないが、なんらかの理由で旧プロセッサがすでに手元にない場合も考えられる。AMDが公開したページはこういったユーザーを対象としたものだ。

 AMDでは3種類の解決法を提示している。

1.マザーボードを購入した小売店に問い合わせ、小売店でBIOS更新を適用してもらう
2.マザーボードメーカーが対応BIOS適用済み品と交換
3.AMDが「Boot kit」と呼ばれるAPUを短期間で貸与、ユーザー側でBIOS更新後に返却

 興味深いのは3番のBoot kitだろう。説明によれば、これはマザーボードメーカーが対応BIOS適用済み品と交換に応じなかった場合に利用できる方法とのことだ。

 AMDの保証申請ページにアクセスし、第2世代RyzenプロセッサのOPNおよびシリアルナンバーを入力、問題記述のフォームに「Boot kit Required」と記入した上で送信すれば申請できるという。

 申請後、モデルナンバーやシリアルナンバーをはっきりと確認できる第2世代RyzenプロセッサとAMD 300シリーズのマザーボードの写真、そして購入証明書の写真、さらにはマザーボードメーカーによって交換ができなかった旨を証明するやり取りのコピーが要求される。

 申請が通れば、APUは往復送料支払い済みの状態で送られ、到着後10営業日以内に返却する必要がある。このAPUには冷却ファンが付属するが、こちらは返却の必要はない。

 なお、日本国内に関しては、Ryzen Gシリーズ販売開始時に、店頭で販売されているAMD 300シリーズマザーボードの多くが対応を果たしているほか、BIOSアップデートに関しては小売業者もしくは販売代理店のサポートに問い合わせれば対応すると思われるため、Boot kitを申し込む必要性は低いとみられる。