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CMみたいに声で動くの? Amazon Echoをサクッと理解する
2018年5月2日 06:00
語りかけるだけで家電を動かすことができたり、コンピュータが質問に答えてくれたりするスマートホームを実現するには、「スマートスピーカー」が欠かせない。今、テレビではそのスマートスピーカーの火付け役であるAmazon ECHOやGoogle HomeのCMが盛んに流されていることから、気になっている方も多いはず。
また、買ってみたはいいがマニュアルが非常にシンプルで何が出来るのか分からないという意見もよく聞く(これは使いながら機能を知って欲しいという意図だと思うが)。果たしてスマートスピーカーは何が出来るのか?具体的な運用方法はどうなっているのか?
ここでは、シェアNo.1のスマートスピーカーである「Amazon Echo」シリーズのラインナップとその特徴を紹介する。(TEXT : 山口真弘)
Echoシリーズならできるこんなこと
1. プライム会員ならすぐに音楽再生を楽しめる
プライム会員であれば無料のPrime Musicで100万曲以上の音楽をすぐ聞けるほか、Amazon Music Unlimitedに登録すれば新曲を含む数千万曲以上もの音楽を楽しめる。海外で利用可能なSpotifyはまだ非対応なのが少々残念
2. 豊富なスキルを追加できる
Alexaスキルはスマホで言うところのアプリに相当し、追加することで機能をどんどん増やせる。Alexaスキルの検索および追加はスマホのAlexaアプリのほか、PCからWebブラウザ版の「Alexaスキルストア」にアクセスすることでも行なえる。
3. タスクやカレンダーを音声操作
やらなくてはいけないタスクを音声でリストに追加したり、またGoogleカレンダーを連係させ、曜日と時刻を指定して予定を追加することも可能だ。思い立ったらすぐ音声で追加を行なえるのでうっかり忘れることもない。このほか買い物リストも用意されている
4. スマートホーム機能で家電操作
スマートスピーカーを導入したら試してみたいのが家電製品の操作。エアコンやテレビ、照明などさまざまな家電製品を音声で操作できる。後述する「定型アクション」機能を使えば、一声かけるだけで複数の家電製品の電源を一括ONすることも簡単に行なえる
5. 外部スピーカー接続で高音質音楽再生
Echoシリーズはいずれも本体背面に3.5mmステレオジャックを備えており、高音質な外部スピーカーに接続して音楽再生などを楽しめる。ライバルのGoogle HomeにはないEchoならではの機能だ。もちろんスピーカーに限らずヘッドホンなども接続できる
6. IFTTTのトリガーに対応
Amazon EchoはWebサービスIFTTT(イフト)に対応しており、ほかのWebサービスや対応家電と連係させられる。たとえばAlexaの買い物リストをメールで送信してもらったり、再生した曲をGoogleスプレッドシートに書き出すことも可能だ
Amazon Echoシリーズのラインナップ
世界でもっとも売れている、スマートスピーカーの代名詞とも言えるのがAmazon Echoだ。日本上陸こそGoogle Homeに遅れを取ったが、2017年11月からは購入希望者に対する招待制での販売がスタートし、その後2018年3月からは、一般販売が行なわれるようになった。
日本で販売されているのは、スタンダードなEchoのほか、コンパクトさがウリのEcho Dot、ホームハブ機能を搭載したEcho Plusの3製品で、いずれも同社の音声アシスタント「Amazon Alexa」を搭載し、「アレクサ、○○して」と音声で呼びかけることでさまざまな機能を実行できる。実行可能な機能は「スキル」として提供されており、追加も可能。サードパーティ製のスキルの豊富さは製品の大きなウリの一つとなっている。またAmazonの製品ということで、過去にAmazon.co.jpで購入したことのある製品を音声だけでリピート購入できるショッピング機能や、Amazon Musicを再生する機能、Kindle本を読み上げる機能も用意されている。
その性格上、新しい機能はまず海外で追加されたのち、しばらく経ってから国内向けに追加されることが多く、Echo同士の通話機能や音楽アラーム機能、さらに音声ではなくシンプルなチャイムで返答する「Brief Mode」や、連続して指示が出せる「Follow-Up Mode」など、国内未対応ながら魅力的な機能も見逃せない。対応サービスも日本国内では制限があり、なかでも音楽配信サービス「Spotify」などは日本での対応が渇望されている。さらに海外では情報を音声だけでなく画面でも表示してくれるディスプレイ搭載モデル「Echo Show」や「Echo Spot」も販売台数を伸ばしているほか、別売りアダプタ「Echo Connect」を組み合わせることでEchoを使ってハンズフリーの無料電話が可能になるなど、Echoを中核としたサービスはますます広がりを見せている。
Echo対応のスマホアプリ Amazon Alexa
専用アプリ「Amazon Alexa」では、Amazon Echoから音声で行なうのとほぼ同じ操作をスマホ上から行なえることに加えて、Amazon Echoのセットアップやスキルの検索・新規追加、さらに定型アクションの登録などを行なえる。またアプリのホーム画面には、操作のヒントとともに、Amazon Echoが実行したアクションが「カード」として並んでいるため、音声コマンドがうまく聞き取られなかった場合にAlexaがどのように理解したかをチェックし、聞き取り品質の改善に役立てることが可能だ。
Echoで使えるお勧めスキル
音楽・オーディオ「radiko.jp」
Amazon Echoでラジオを聞くためのスキル。放送局を指定して再生を行なえるほか、指定がなければランダムで局が選択される。現在位置によっては聞けない局もあるのでradikoのサイトで確認しておこう。
音楽・オーディオ「カラオケJOYSOUND」
JOYSOUNDで配信中の人気楽曲をカラオケで楽しめるスキル。ラインナップは最新曲を中心に数百曲と決して多くはないが、再生と連動してAlexaアプリで歌詞が表示されるので、自宅にいながら本格的なカラオケができる。
ゲーム・トリビア・アクセサリ「ピカチュウトーク」
ピカチュウを呼び出して会話を楽しめる人気スキル。どんな質問を投げかけてもピカチュウ語で返事が返ってくる。質問内容によってきちんと応答内容が変化するので、ついついいろんな質問をしてしまう。
教育・レファレンス「アルクの英語クイズ」
英語のリスニングの練習を行なうためのスキル。発言に対してふさわしい回答をA~Cから選ぶ仕組で、レベルは5段階、合計で250問もの問題が用意されている。チャレンジ中にレベルの上げ下げを行なうことも可能だ。
地域「運行情報 by 駅すぱあと」
列車の遅延情報や見合わせ情報といった運行情報を教えてくれるスキル。区間を指定することで迂回するための路線を教えてくれる機能もある。「JR東日本 列車運行情報案内」のようによく使う路線を登録する機能はない。
フード・ドリンク「クックパッド」
クックパッドでレシピを検索できるスキル。食材を指定すると、それを用いたレシピの候補が提示され、どれかを選ぶことでクックパッドのMYフォルダに保存してくれる。なお利用にあたってはクックパッドのユーザー登録が必要。
天気「Yahoo!天気・災害」
日本全国の天気予報と気象警報を教えてくれるスキル。普通にAlexaに天気を尋ねるのに比べてより詳細な情報が得られるほか、通知機能をONにしておけば登録された郵便番号のエリアでの雨予報をプッシュ通知してくれる。
旅行・交通「全国タクシー」
設定した乗車場所にタクシーを配車してくれるスキル。利用にあたっては全国タクシーへの会員登録のほか、乗車場所をあらかじめスマホアプリ「全国タクシー」で設定しておく必要があり、アプリの補助機能としての色合いが強い。
ライフスタイル「快眠サポート」
波の音をバックに緩やかなBGMをループ再生することで、快適な睡眠をサポートしてくれるスキル。曲は1種類のみだが選ぶ手間がかからずすぐ使えるのは利点。このほか環境音を中心に流してくれる「睡眠サポート」もある。
4月27日発売のDOS/V POWER REPORT 6月号では「特集・俺の家 2.0 ~5千円からのお手製スマートホーム~ <マンション&アパート対応>」と題して、いま住んでいる家や部屋にスマートデバイスを追加して、家をスマート化する方法を紹介。Amazon ECHO、Google Homeといったスマートスピーカーをはじめとするスマートデバイスのレビューやカタログと、それらと既存の家電を組み合わせた活用法などを70ページ超の大ボリュームで掲載している。この記事を読んでスマートスピーカーやスマートホームに興味を持った方はぜひご一読いただきたい。