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Samsung、Intelを抜き半導体市場シェアで首位獲得
~Intelは25年ぶりの首位陥落
2018年1月5日 14:00
米調査会社のGartnerは4日(米国時間)、2017年の世界半導体市場の調査結果を公開した。
調査結果によれば、2017年の半導体売上高は全体で4,197億ドルで、2016年の3,435億ドルから22.2%の成長を記録した。
半導体ベンダー別の売上高ランキングは以下の通りとなっている。
2017年順位 | ベンダー | 2017年売上高 | 2017年市場シェア | 2016年順位 | 2016年売上高 | 2016年からの成長率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Samsung Electronics | 612億ドル | 14.6% | 2 | 401億ドル | 52.6% |
2 | Intel | 577億ドル | 13.8% | 1 | 541億ドル | 6.7% |
3 | SK Hynix | 263億ドル | 6.3% | 4 | 147億ドル | 79% |
4 | Micron Technology | 231億ドル | 5.5% | 6 | 130億ドル | 78.1% |
5 | Qualcomm | 171億ドル | 4.1% | 3 | 154億ドル | 10.7% |
6 | Broadcom | 155億ドル | 3.7% | 5 | 132億ドル | 17.1% |
7 | Texas Instruments | 138億ドル | 3.3% | 7 | 119億ドル | 16% |
8 | 東芝 | 128億ドル | 3.1% | 8 | 99億ドル | 29.2% |
9 | Western Digital | 92億ドル | 2.2% | 17 | 42億ドル | 120.2% |
10 | NXP | 87億ドル | 2.1% | 9 | 93億ドル | -7% |
その他 | 1,744億ドル | 41.6% | 1,577億ドル | 10.6% | ||
市場全体 | 4,197億ドル | 3,435億ドル | 22.2% |
メモリの急騰でSamsungが首位に踊り出る
特筆すべきは、売上高順のベンダーランキングでSamsungが首位を獲得した点で、Intelは1992年以来初めて、首位の座を明け渡す結果となった。
そのおもな要因はメモリで、Gartnerによれば、メモリは、2017年の全半導体収益の成長の3分の2以上を占めており、最大の半導体部門へと拡大したという。
2017年は、供給不足のためメモリ価格が急騰しており、NANDフラッシュは17%、DRAMは44%の価格上昇を記録している。
Samsungは世界最大のメモリベンダーであることから、2016年比で52.6%という大幅な増収を達成し、首位を獲得する結果となった。そのほか、SK HynixやMicronなど、そのほかのメモリベンダーも大きく業績を伸ばしており、順位を上げている。
このメモリ急騰は消費者にも影響を及ぼしており、デバイスメーカーがメモリ価格の上昇を吸収できなかった結果、PCからスマートフォンまで、すべての製品で販売価格が上昇してしまったとGartnerは指摘している。
ただし、Gartner 調査副社長のAndrew Norwood氏は、2018年にはNANDフラッシュの価格が下落し、2019年には中国のメモリ生産能力増加に伴ってDRAM価格が下落するとの見込みから、今回のSamsungの首位獲得は、“砂上のシリコンメモリ”の上に立っている結果に過ぎないと述べている。
Intelはデータセンター向けプロセッサで売り上げを伸ばす
2位を記録したIntelは、2016年比で売上高が6.7%増加しているが、こちらは、クラウドや通信サービスでの需要で、データセンター向けプロセッサの売上が6%増加したためだという。
PC向けプロセッサの売上高は1.9%増と緩やかな成長となっている。しかし、Gartnerでは、ここ何年かはデスクトップから2in1やウルトラモバイルへの市場の移行に伴い、PCの平均価格は低下してきたが、また上昇傾向にあるため、成長余地があるとの見方を示している。
2017年は買収・併合は穏やかな年に
合併や買収については、Gartnerは2017年は比較的静かな年だったとの見方を示している。
QualcommのNXP買収は大きな案件となっているが、2017年中に完了されると予想されていたものの、現時点でいまだ完了していない。Qualcommは2018年に契約完了予定としているが、もしBroadcomがQualcommの買収を実現した場合(Broadcom、Qualcommに約15兆円で買収を提案)、大きな順位変動が起こる可能性があるという。
2017年のBroadcomとQualcomm、NXPの合計収益は412億ドルで、SamsungとIntelに次ぐ規模となる。Norwood氏は、「もしBroadcomが買収を実現し、Samsungのメモリ収益が予想通りに下落した場合、2019年にはSamsungが3位へ順位を落とす可能性がある」としている。