やじうまミニレビュー

7ボタン搭載のロジクール製小型無線マウス「M546」

~高速/低速回転でもホイール感良好、ジェスチャ機能も便利

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
ロジクール「M546」

 筆者がここしばらく会社で使用していたマウスは、家で使っていたロジクール製ゲーミングマウスのG402。使い心地は悪くないが、忙しくなってデスクが散らかり始めると、有線マウスゆえにたまにケーブルが資料の書類やらに引っかかってしまったりと、ちょっとしたストレスを感じることがある。

 それで、小回りが利く小型の無線マウスに変えたいと思っていたわけで、ここではそのために購入した小型の無線マウスを紹介したい。

 ほとんどの方が同意してくれると思うのだが、マウスには「戻る」と「進む」ボタンがあった方がWebブラウジングが捗る。そして、アプリごとに機能を変えられるプログラマブルタイプだとなお良い。アプリによってボタンをコピー機能にしたりといった使い方ができて便利だからだ。そうなると何となく定番のロジクール製品を探してしまうのだが、1万円近くする多ボタン仕様の「MX ANYWHERE 2」はさすがに価格が高い。

 そこで目に止まったのが、同社の「M546」。Amazon.co.jpでの販売価格は2,900円ほどで低価格タイプなのだが、前述の戻る/進むボタンに加え、チルトホイールまで付いている。正直チルトホイール機能は全然使わないが、プログラマブルボタンとしての利用価値は高い。贅沢を言えば、グリップ感を得られる左右非対称構造の方が好きだが、この価格なのだからワガママは言うまい。

 M546は、左/右クリック、ホイール、ホイールの左/右チルト、そして側面の戻る/進むを含めた7ボタンマウスだ。本体サイズは58.5×102×38.35mm(幅×奥行き×高さ)で、手の平に収まってしまう小型形状。重量は電池込みで95.5gなので軽い。電池は単3形を1本使用する。

上面。本体色はここで掲載しているダークナイトのほかに、ペリー(青)、レデンプション(赤)、マーキュリー(灰色)の4色がある
左側面。定番の戻る/進むボタン
右側面にはボタンなし。本体左右に滑り止めのラバーコーティングが使われている。ラインが入った部分はラバーではなくプラスチックで、ラバー部分は分割されている
前面。ホイールはチルト操作に対応

 個人的にはBluetooth対応だと嬉しかったのだが、本製品はUSB無線アダプタを使用するロジクールの独自通信タイプ。同社の製品でBluetooth対応の多ボタン小型マウスとなると、現時点では前述のMX ANYWHERE 2しかないようだ。

底面にはオン/オフ用のスライド式スイッチがある。ソールはゲーミングマウスのようにツルツルではなく、サラサラとした感触
底面カバーを外すと電池搭載スペースとUSB無線アダプタ搭載スペースにアクセスできる
USB無線アダプタは端子部分を除く突出部分が3mmしかないPicoレシーバー

 思い起こせば、筆者はここ数年ゲーミングマウスばかり買っており、スタンダードなマウスを買っていなかった。そのため、M546を触ってすぐにこういった普通の低価格帯マウスもキチンと改良が進んでいるんだなと関心した。と言うのも、ホイールを回した時の感触にコロコロというちょっとした抵抗感を残しつつもスルスル気持ちよく回るという作りで、筆者がずっと以前に買った同社の低価格無線マウスとは全然違ったからだ。このホイールのスムーズさはちょっと新鮮である。

 筆者は高速スクロールを可能とする無抵抗な感触のホイールは苦手だが、M546は1スクロール分回した時の感触をわずかに得られる。そしてホイールの抵抗が小さいことから、思いっきり回せば高速スクロールも可能。PC Watchのトップページなら1番上から下まで余裕で到達する。

 これともう1つ好印象だったのは、左/右クリックボタンのしっかりとしたクリックの感触。クリック感はマウスによって結構違いが出るところで、手元にあるG402はクリック感が弱いことから余計にそう思う。それで家用のゲーミングマウスをクリック感がしっかり得られるG502に買い換えたという経緯があるわけだが、M546はG502の方に近いため好みの感触である。

ホイールボタンを近くで見ると、タイヤみたいな溝が設けられている
左/右クリックボタンは浅すぎず深すぎず。押下時は「カチッ」という音がよく聞こえる
付属電池を装着しての重量は95gで仕様値の95.5gとほぼ同じ。ちなみに私物のエネループを入れてみると100gになった
付属電池抜きの重量は71gだった

 センサーはレーザーグレードの光学センサーということで、透明なデスクマットを敷いた木製デスクで使用しても問題なく動作した。ちなみに家で使っているMacのMagic Mouseは動かない。さすがに完全に透明なガラスの上などではM546は動かないだろうが、それ以外の接地面ならほとんど場所を選ばないのではないだろうか。

 ドライバをインストールしてみると、いつの間にか設定用ユーティリティのSetPointのインターフェイスが様変わりしていた。久しぶりにロジクールのスタンダードマウスを買った筆者にはいつから仕様変更が入ったのか定かではないが、SetPoint単体ではボタンの詳細な設定はできず、別途Logicool Optionsをダウンロードしなければならない。と言ってもSetPointのインストール後にLogicool Optionsをダウンロードするようにダイアログが出るので、それに従うだけ。特に手間ではない。

Logicool Optionsの画面。緑の丸部分をクリックすると割り当て機能を設定できる

 ここから提供される機能で便利だと思ったのはボタン割り当て機能の中の1つである「ジェスチャーボタン」。これは昔のユーティリティにはなかったはずで、現行のロジクール製ゲーミングマウス用ユーティリティのLogicoolゲーミングソフトウェアにも搭載されていない。

 どんな機能かと言えば、該当ボタンを押している間、マウスを左/右/上/下の方向のいずれかに動かすことで設定した動作を実行するというもの。つまり1つのボタンで4つの機能を割り当てられるのである。これなら戻る/進むボタンがないマウスでも、ホイールクリックをジェスチャボタンにして、左方向ジェスチャを「戻る」に割り当てるなどすれば、Webブラウジングが非常に捗りそうだ。

キーストロークの割り当て
WindowsキーやCtrlキーなどを単体で割り当てるには「モディファイアキー」から設定する
「ジェスチャーボタン」の割り当て。上下左右の4方向に機能を設定可能

 3,000円以内で買えて、ボタン数も多く、ソフトウェアが高機能。事前に調べたわけではなく適当に買ったM546だが、思いの外、使い勝手の良いマウスで良い買い物となった。

(中村 真司)