やじうまミニレビュー
手のひらに収まるページめくりデバイス「BOOX Tappy」。スマホでも使えるか?
2026年7月29日 06:01
「BOOX Tappy」は、E Ink採用のAndroid端末「BOOX」ブランドで販売されている、電子書籍のページをめくるためのワイヤレスデバイスだ。以前紹介した楽天Koboの「Kobo Remote」と同じく、メーカー純正オプションとして販売される本製品は、ページめくりだけにとどまらず、モードの切り替えによって上下スクロールなどにも対応するなど、見かけによらない多機能さが売りだ。
国内代理店から機材を借用したので、BOOXと組み合わせた場合の使い方のチェックに加えて、メーカーが対応をうたっていないiOS/Androidデバイスとの組み合わせで使えるのか否かについても検証していく。
ページめくり以外にスクロールや曲スキップにも対応
本製品は、タイプライターを思わせる丸いキーが、横に2つ並んだ外観が特徴だ。以前紹介した「Kobo Remote」のように、手に持って使うことを前提としておらず、デスク上に置くことを前提としたデザインで、底面には脚の役割を果たす突起もある。とはいえ、手のひらにすっぽり収まるサイズなので、ボディごと握って使うことも可能だ。
キーはデフォルトでセットされている「ハート」「マグカップ」のアイコンのほか、「⚪︎」と「×」が印字された予備のキーが付属しており、交換して利用できる。「ワイヤレスページターナー」という名前のわりには、ページめくりを想起させるアイコンでないのが不思議だが、実用面に影響があるわけではない。
接続方法はBluetoothで、両方のキーを同時に2秒押すことでペアリングモードとなり、デバイスからの検出が可能になる。本体左後部の電源スイッチ隣にあるLEDの点灯状態および色で、各種ステータスを判別する仕組みだ。
操作方法はいたってシンプルで、向かって左のボタンは左方向、右のボタンは右方向へとページがめくられる。本が右綴じか左綴じかは関係なく、表示しているページをどちらの方向にめくるかを決めているようだ。
今回、「BOOX Note Air5 C」で検証を行なったところ、Google PlayストアからインストールしたKindle、楽天Kobo、DMMブックス、ebookjapanといった電子書籍アプリでは、問題なくページめくりが行なえた。試した中で明確にNGのアプリがなかったことからして、音量ボタンでのページめくりに対応したアプリのほとんどで利用可能だと考えられる。
また、本製品の特徴として、このページめくりに加えて、上下スクロール、曲の順送り/逆送りという、3つのモードを備えていることが挙げられる。両方のキーを同時に5秒長押しして切り替える仕組みで、ブラウザを使う場合は上下スクロール、音楽プレーヤーでは曲のスキップといった具合に、目的に応じて本製品を使い分けられる。汎用デバイスであるBOOXならではのオプションだ。
もっともページめくり(および音量調整)が「読み取りモード」、上下スクロールが「閲覧モード」といった具合に、それぞれのモード名と実際の挙動が頭の中で結びつかず、直感的にどのモードを使えば目的の操作が行なえるのか分かりにくい。シンプルに「ページめくりモード」「スクロールモード」などでよかったように思う。英語版ではそれぞれ「読書モード」「ブラウジングモード」とされているのでなおさらだ。
さらに上下スクロールのための「閲覧モード」でも、ページがめくれそうになる(半ページほどめくれるものの次ページに移動できず元に戻る)という、紛らわしい挙動があるのがややこしい。無反応ならまだしも中途半端に反応するぶん、知らずにこの症状に遭遇すると不具合と誤認しかねない。
このあたり、総じて複数のモードを切り替えられるメリットよりも、操作の難解さというデメリットの方が大きいように、個人的には感じられる。
Androidでもページめくりは動作するが……
さてこの製品、気になるのは「BOOX以外のデバイスで動作するか」だ。メーカーサイトでは対応機種について「Note Air5 C、Palma 2 Pro、およびファームウェアV4.2以降を搭載し、Bluetooth機能をサポートするそのほかのBOOXデバイス」と、専用品のように書いているが、前回の「Kobo Remote」のように、無保証ながらライバルにあたるKindleとの相性が抜群だった例もあるので、実際に試してみないと分からない。
というわけで実際に試してみた。まずiOS/iPadOSについては、Bluetoothデバイスとして検出され、ペアリングも問題なく完了するのだが、反応したのは音量調整だけで、Kindleをはじめとした電子書籍ストアアプリのページめくりには反応しなかった。あらゆる電子書籍アプリを試したわけではないが、少なくとも日本国内で使われているメジャーどころについては、非対応と考えて差し支えなさそうだ。
一方のAndroidについては、Bluetoothデバイスとしてペアリングを行なうことで、ページめくりや音量調整、上下スクロール、曲の順送り/逆送りといった各種操作が行なえた。元のBOOXがAndroidベースなので、こちらは動いて当然といえば当然だ。さらにデバイスのプロパティからバッテリ残量が確認できるという、本家のBOOXにはない利点まである。
ただし実用性ではやや難がある。というのもAndroidではBOOXと違ってモード切替時に具体的にどのモードなのかが表示されず、また現在のモードを表示する機能もないことから、操作を手探りで行なわなくてはいけないからだ。あれこれいじっているうちにモードがうっかり切り替わってしまうことも稀にあるので、前述の「閲覧モード」のページめくりの不具合と誤認しかねない症状にも遭遇しやすい。
また、今回は「Pixel 10 Pro XL」とLenovoの「Legion Tab Gen 3」の両製品(どちらもAndroid 16)で検証を行なったが、「Legion Tab Gen 3」ではブラウザの上下スクロールが動作しないなど、デバイスによっても挙動の違いが見られた。たまたま両者で挙動が違ったので原因がデバイス側にあることが分かったが、デバイスを1つしか所有していなければ、モードの選択ミスなのか不具合なのか判断がつかないだろう。
BOOXユーザーにはおすすめ。Androidはやや高リスク?
以上のように、本製品はBOOXに加えて、ノンサポートながらAndroidでも利用できるという特徴を持つが、Androidについては前述のように実用面で難があり、積極的にはおすすめしにくい。BOOXで使うために購入したユーザーがAndroidで試しに使ってみるのならまだしも、最初からAndroidで使う目的で購入するのは、リスクが少々高い印象だ(繰り返しになるがメーカーは対応をうたっていない。念のため)。
一方でBOOXとの組み合わせでは、モード切替についても最低限の分かりやすさは確保されているので、満点とまではいかなくても十分に合格点がつけられる。あとは軽めのキータッチと深いストローク、および(原則として)デスク上に置いて使うスタイルがどれだけ合うかだろう。実売価格も4980円と、ページめくりデバイスとしては許容範囲だ。
いずれにしてもBOOXのユーザーにとっては、電子書籍の閲覧環境を後付けでグレードアップできるデバイスが公式で用意されているのは喜ばしいことだ。BOOX自体、ページめくりボタンを搭載しない製品の方が多いので、今後対応機種が増えてくれば、それらをあらためて活用することにもつながる。個人的には、選択中のモードをロックできる機能の追加を、一ユーザーとして要望しておきたい。

































