やじうまミニレビュー

3千円台で買える「Kobo Remote」、実はKindleアプリと相性抜群?

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「Kobo Remote」。楽天Kobo自ら販売する公式オプションという位置付け。実売価格は3,880円

 「Kobo Remote」は、楽天Koboが販売している電子書籍端末Koboシリーズと組み合わせ、ページをめくるためのリモコンデバイスだ。一般的にタップもしくはスワイプでページをめくるところ、物理ボタンによって離れたところからでもページをめくれるようになるので、端末をタブレットスタンドやアームに取り付けての読書など、使い方を広げてくれる製品だ。

 電子書籍端末と組み合わせて使えるページめくりデバイスは数多く存在するが、それらは基本的にサードパーティの製品であり、本製品のようにメーカー自らオプションとして発売するケースはまれだ。昨年暮れにお目見えしたもののすぐ完売、現在も品薄が続いている本製品について、メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。

機能はページを「進む」「戻る」のみ。使い勝手は良好

 本体はプレゼン用デバイスによくあるストレート形状で、親指が当たる位置に2つのボタンが用意されている。この2つのボタンは言うまでもなくページを「進む(順方向)」と「戻る(逆方向)」で、先端の大きなボタンが「進む」、手前の小さなボタンが「戻る」に割り当てられている。通常は先端の「進む」に指を置き、必要に応じて手前の「戻る」を使うことで、ページを前後に行き来する仕組みだ。

 機能としてはこの「進む」「戻る」だけで、オプションメニューを表示したり、ライブラリやストアを閲覧するなどの機能は持たないが、電子書籍端末を使っている時間のほとんどはページめくりに費やされているはずで、機能的にはこれで十分だろう。機能をあれやこれやと盛り込んで操作体系が複雑化するよりも、この方がよほどよい。この分かりやすさこそが売れている理由だと考えられるので、なおさらだ。

製品本体。プレゼン用デバイスに似た形状
大きなボタンが「進む(=ページをめくる)」、小さなボタンが「戻る」
横から見たところ。握りやすい形状をしている
先端にあるのはBluetoothボタン。ここでペアリングを行なう
単3電池×1で駆動する。寿命は約1カ月と少々心もとない
同梱品一覧。ストラップおよびクイックスタートガイドのみとシンプル
実際にページめくりを行なっている様子。ちなみにボタンの空振り(押しているのに反応しない)も若干起こっているが、これは端末側の症状

 ちなみに、この「進む」「戻る」を押した時の挙動は、今回組み合わせて試用しているカラーE Ink端末「Kobo Libra Colour」などに搭載されているページめくりの物理ボタンとまったく同じだ。そのため長押しすると連続ページめくりが行なわれたり、指を離して連続ページめくりが終わった瞬間に画面全体がリフレッシュする挙動もそっくりだ。

 なお、対応機種はBluetooth接続に対応した同社のすべての電子書籍リーダとされており、直近数年間で発売されたモデルは一通り対応しているようだ。

 今回は最新にあたる「Kobo Libra Colour」のほか、筆者私物の10.3型モデル「Kobo Elipsa 2E」でも試したが、問題なく動作した。ページめくりボタンが元デバイスにあるかないかは、特に動作に影響しないようだ。

今回はページめくりボタンを搭載した「Kobo Libra Colour」と組み合わせたが、ページめくりボタンのない機種で物理ボタンでの操作をしたい人にも向く

楽天Kobo端末以外で果たして使えるか?

 さてこの製品で気になるのは、楽天Kobo端末以外のスマホやタブレット、およびKobo以外のストアアプリとの組み合わせで利用できるかどうかだ。

 汎用的なBluetoothゆえ接続自体はできそうだし、ページめくりの信号さえ一致すれば動作する可能性はありそうだが、実際どうだろうか。興味深い結果が得られたので、順番に見ていこう。

楽天Kobo端末との組み合わせは問題なく動作するが、ではそれ以外の端末とはどうなのだろうか

 まずAndroidスマホ/タブレットに関しては、「Pixel 10 Pro XL」およびレノボの「Lenovo Legion Tab Gen 3」で試したところ、Koboアプリは動作しなかったが、音量キーでページをめくる機能を有効にすることで、Kindleアプリで動作することを確認した。

 ボタンの役割も同一で、使い勝手に関しても問題はない。さらに「Fire HD 10」でも同様に利用が可能だった。

 ちなみにAndroidでの動作が確認できたのはKindleアプリだけで、試した限りでは楽天Koboアプリのほか、DMMブックス、ebookjapan、BOOK☆WALKER、ブックライブでは動作しなかった。いずれも音量キーでページをめくる機能を有効にして検証を行なっており、非対応とみてよいだろう。

これは「Pixel 10 Pro XL」のペアリング画面。Koboでは動作しないが、Kindleでは問題なく動作する

 一方で、iOSデバイスに関しては、「iPad mini」との組み合わせを試したところ、Koboアプリでは無反応だったが、Kindleアプリについては利用が可能だった。前述のAndroidや、Fireでの動作も含めて、とかくKindleアプリとの相性が抜群なのがおもしろい。

 なお、iOSのKindleアプリに対応したページめくりデバイスは、ebookjapanアプリでも同様に動作する場合があるが、本製品はebookjapanアプリでは画面タップと認識されてしまい、ページめくりは不可能だった。

iPad miniでもKindleアプリでは問題なく利用できる

 以上のように、結論は「デバイスの側で認識さえすれば、Kindleとの組み合わせが最強」ということになる。せっかくなので「Kindle Colorsoft」などのKindle端末で使えないか試してみたが、こちらはBluetoothデバイスとして検出すること自体が不可能だった。ほかのKindle端末でも同じ症状だったので、おそらく他製品も同じと考えてよいだろう。

なぜかKindleユーザーにとって魅力的な一台?

 以上のように本製品は、楽天Kobo端末と組み合わせて快適なページめくりを実現する製品だが、iOSやAndroidの楽天Koboアプリには対応せず、あくまで楽天Kobo端末での利用に特化している。その一方で、ライバルにあたるKindleアプリとの組み合わせでは、iOS/Androidデバイスで動作するなど、Kindleユーザーにとって魅力的な一台になっている。

 とはいえ意図的にKindleで使える仕様にしているわけではなく、たまたま動作しただけ、と考えるのが妥当だ。当然ノンサポートであり、将来の仕様変更でいきなり使えなくなる可能性もあるので、iOS/Androidと組み合わせる前提で本製品を調達するのはおすすめしない。ただし、すでに手元に本製品があるならば、iOS/Androidでの利用を試してみる価値は十分にある。

 というわけで、楽天Kobo側は、iOSおよびAndroidアプリ側で使えるようアップデートするのが急務なのは言うまでもないとして、本製品は実売3,880円とリーズナブルで、手持ちの楽天ポイントの残高で買えてしまう場合も多いはず。自分の利用環境にマッチしそうな人は、購入を検討してみてはいかがだろうか。

製品パッケージ。ホワイトのほかブラックもラインナップする