やじうまミニレビュー
ノートの置き場に困ったのでエルゴトロンのトレーで、モニターアームで空中に設置
2022年4月11日 06:12
先日公開したLG製ウルトラワイドゲーミングモニターの購入記でも少し書いた通り、この34型モニターの導入に際し、ディスプレイだけでなく、ノートPCについてもエルゴトロン製のアームを使って設置することにしたので、本稿で紹介したい。
今回導入したのは、エルゴトロンの「LXデスクマウントモニターアーム長身ポール」と「ノートブックトレー」。正確には、LX デスクマウントモニターアーム長身ポールはLG製モニター用に買ったもので、ノート用としては、このポールに別売の追加アームとノートブックトレーを組み合わせた形となる。
なお、このノートブックトレーも含めた直近の自宅PCデスクの環境を紹介したYouTube動画も制作したので、こちらも併せてご覧いただきたい。
ノートPCをエルゴトロンのアームで設置
筆者は在宅勤務のメインマシンとしてデスクトップPCを使っている。基本的にはこの1台で事足りるのだが、たまの出勤の際に使うモバイルノートを手元で充電している。通電しているのだからと、サブモニター的に使っていた。
仕事ではリアルタイムでぱっと確認したい情報がいくつかある。その1つがPC Watchのアクセス状況。最初はノートPC上で監視アプリ(と言ってもブラウザだが)を起動し表示させていたが、デスクトップの延長として使えた方が便利かなと思い、Windows標準の「ワイヤレスディスプレイ機能」を使って、デスクトップで起動したアプリの画面を、ノートPC上に表示させることにしていた。
ちなみに、デスクトップPCは有線LANしか標準装備しておらず、ワイヤレスディスプレイにはWi-Fiが必要となるので、以前から持っていたUSB Wi-Fiアダプタをワイヤレスディスプレイ機能専用として接続して使っていた。
敢えてそこまでしてノートPCをデスクトップの追加モニターとして使うようにしたのは、いちいち手の場所を変えることなく、デスクトップのキーボードとマウスで操作できるからだ。ノートPCを単体で使っていたら、ちょっとした操作でもそこに手を伸ばす必要がある。
LG製モニター導入後もそのスタイルで行こうと思っていたのだが、色々と机周りのレイアウトを変えていたら、ノートPCの置き場がなくなってしまったのだ。
前述の通り、LG製モニター用に既にLXデスクマウントモニターアームを導入していたが、長身ポールを選んだのは、将来的にこのポールに照明機材や追加アームを取り付けることも想定していたからだ。そこで、追加アームとノートブックトレーを追加購入し、ノートもアームを使って設置することにした次第だ。
設置は簡単で、まず追加アームは高さを固定するためのリングをポールに装着し、六角レンチで固定。その上からアームを差し込む。後は、アーム先端のVESAマウントの部分にノートブックトレーをネジ止めするだけだ。
なお、アームは基本的にディスプレイの取り付けを想定しているので、1~2kgくらいのノートPCだと軽すぎて、設置してもだんだん上昇してしまう場合がある。実際、仕様上の重量制限は1.1~5.4kgで、1kgを切るものは厳密には対象外だ。ただ、筆者が使っているLIFEBOOK UH-X/E3は600g台だが、アームに2カ所あるテンションを調節するボルトを調節したところ、問題なく設置できた。
ノートブックトレーは一言で言うとタダの板きれなのだが、いくつかの特徴がある。まず、本体裏面から下に向けて2本の足が伸びている。最大で約18cm程伸ばせるので、大型のノートも安定して設置できる。
ノートだけならここまで伸びる必要はないのだが、このトレーにはノートのドッキングステーションを取り付けることも想定されており、それを固定するための両面テープも付属している。
ノートPCをメインマシンとして使い、かつ頻繁に持ち出す人は、ドッキングステーションを利用することで、Type-Cケーブル1本でノートPCとディスプレイ、キーボード、マウスなどを接続できるようになる。本トレーは、そのドッキングステーションの奥行きも考慮されているということだ。また、トレー上に貼るノートPCの滑り止め用のテープも付属している。
そして、アームに取り付けるということで、縦横、手前、奥と3次元にトレーを動かすことができる。モバイルノートを会社や取引先などにも持ち運びつつ、自宅では外付けモニターやキーボード、マウスなどをつなげてデスクトップのように使うスタイルの人にも、アーム+ノートブックトレーの利用は、設置におけるさらなる柔軟性をもたらしてくれるだろう。
アームを使うことで、机の右手部分に空中に浮かべたようにノートを設置できるようになった。この後説明する通り、直接操作する必要がなくなったので、ノートの位置は固定して使っているが、必要に応じて自分の手前など好きな位置にスライドできる。また、メインモニターに対してちょうどいい高さに設置できるようになるので、目や首、肩などにも負荷がかかりにくくなる。
Microsoftの「Mouse Without Borders」でデスクトップのキーボード/マウスから操作可能に
前述の通り、ノートPCはワイヤレスディスプレイとして、デスクトップPCの3画面目を写しだし、たまに操作して使っていた。だが、LGがキーボード/マウス共有ソフト「Dual Controller」を同社ディスプレイユーザー用に提供していたので、使ってみることにした。
このアプリを2台のPCに入れると、片方をメインPCとして扱い、サブPCもメインPCのキーボード/マウスで操作できるように、2台間でファイル共有もできるようにする。操作の移行は簡単で、マウスカーソルを画面端からさらに移動させると、自動的にキーボード/マウスが2台目で使えるようになる。遅延は全くと言っていい程なく、瞬時に切り替わる。
ただ、実際にこのアプリが原因かどうかは不明だが、このアプリを利用するようになってから、ノートPCの方でブラウザを長時間表示させていると、突然アクセス不能になる問題が起き始めた。問題が発生するのは2日に1度程度で、リロードするとだいたい直り、メインマシンでは発生しなかったのだが、利用は取り止めた。
代わりにMicrosoftが提供している同等のツールである「Mouse Without Borders」を入れることにした。このアプリについては、西川氏が直近でレビューしているので、詳細はそちらをご覧いただきたいが、機能的にはDual Controllerの上位互換的なもので、より細かな設定ができる。
初期設定ではこれもマウスカーソルを画面端より先に動かすと、もう1台を操作できるようになる。ただ、これだと画面端のスクロールバーなどを操作するときに誤って別のPCに遷移してしまうことが起きたので、キーボードショートカットを有効にして、明示的にどちらを操作するかを選択するようにした。
Ctrl+Alt+F1をデスクトップ、Ctrl+Alt+F2をノートに割り当てたのだが、この組み合わせはちょっと指が届きにくく、さくっと押しにくいので、ならいっそと、このショートカットをStream Deckに割り当てて、1ボタンで切り替えできるようにした。
ということで、エルゴトロンのノートブックトレーを使うことで、卓上のスペースをより有効活用できるようになった。また、デスクトップとの2台体制において、Mouse Without Bordersを導入することで、ノートもデスクトップのキーボード/マウスで操作できるようになり、ちょっとした操作でわざわざ腕を伸ばす必要がなくなった。
他社製のアームを使ったことがないので比較はできないのだが、エルゴトロンの製品は、堅牢かつしなやかだと感じている。堅牢性については、製品ががっちりしているのもあるが、設置したモニターなどが勝手に上昇したりすることがない。そして、いざ動かすときは、さほど大きな力を加える必要はなく、またきしんだりすることもなく滑らかに動いてくれる。この辺りの作りの良さが、同社製品の人気につながっているのだろう。