やじうまミニレビュー

ファン内蔵のGoogle製スマホ充電器「Pixel Stand(第2世代)」、速攻レビュー

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Google「Pixel Stand(第2世代)」

 Googleの最新スマホ「Pixel 6」シリーズと併せて開発されたワイヤレス充電器「Pixel Stand(第2世代)」が本体から少し遅れて12月14日に発売となった。最大で23Wの高速無線充電が可能なほか、冷却用のファンを内蔵するなど、機能/仕様的に見所の多い製品だ。筆者は11月下旬に予約を行ない、本日12月15日に届いたので、早速簡単なレビューを行なってみた。

最大23Wでの置くだけ充電が可能。ファン内蔵

 製品名が表わすように、Pixel Stand(第2世代)は、2世代目のGoogle製ワイヤレス充電器。初代は最大出力が10Wで、この出力差が大きな違いだ。より高い出力による急速充電が可能なスマホが増えているなか、Pixel Standも世代を重ね、出力を上げたのは当然の帰結と言っていいだろう。

 Pixel Stand(第2世代)は、Pixel 6の場合で最大21W、Pixel 6 Proの場合で最大23W、その他のQi対応デバイスの場合で最大15Wの無線(置くだけ)充電が可能だ。同梱の電源アダプタも初代の18Wから30Wへと出力が大きくなっている。Pixel 6 Proは通常の有線充電でも21W/23Wで充電するので、無線でも有線と同じ速度で充電できることとなる。ただし、12月15日時点ではPixel 6/Pixel 6 Pro側の対応が間に合っておらず、12月下旬に提供予定のアップデートでこの最大出力での充電が可能となる。

【初出時に】Pixel 6 Proは通常の有線充電の場合、最大30Wで充電できるとしておりましたが、正しくは23W(無印は21W)でした。お詫びして訂正させていただきます。

本体正面
側面
背面にUSB Type-Cコネクタ
パッケージ
同梱物は、本体とケーブルと電源アダプタ(30W)
初代との比較
初代の電源アダプタ(左)と第2世代の電源アダプタ(右)。サイズは少しだけ第2世代の方が大きい。また、第2世代はGのロゴがエンボス加工され、コンセント面が黒くなっている

 もう1つの特徴が冷却ファンを内蔵していることだ。第1世代の本体部分が板状になっているのに対し、第2世代は円柱を斜めにカットしたような形で容積がずいぶん増えている。これは、ファンを内蔵した事によるものだ。

 充電を行なうとバッテリが熱を持つが、急速充電を行なうとさらに温度が上昇する。スマホのバッテリは室温より高すぎたる(あるいは低すぎる)温度で利用すると劣化する可能性がある。その対策として第2世代にはファンが内蔵されたようだ。台座の折れ曲がったところに隙間があり、ファンが回ると、ここからスマホの背面に風が流れる。

 ファンの騒音については、前述の通り現時点では最大速度での充電ができないので、最大速度で回転させられていない可能性があるが、今回短時間ながら試した限りでは2段階に速度が変化していた。低速回転の時の騒音は、非常に僅かで、耳を充電器にくっつけるくらい近付いてようやく音が聞こえる程度。高速回転の時は、数十cm離れても「ファー」っという風切り音が聞こえるが、音楽などを再生すると完全にかき消されるレベルだった。

 ファンが動くのは高速充電しているときのみのようで、静音モード(低速充電)を選べばファンは動作しない。ちなみに、ゲーム実行中など、本体が過熱している時は、Pixel Standに載せても一定の温度で充電が停止した。おそらくさらなる発熱を防ぐための仕様だろう(この状態でも有線では充電可能)。つまり、本製品のファンは、充電による追加の発熱でゲームプレイなどの高負荷時にサーマルスロットリングで性能低下を防ぐことは目的となっていないようだ。

 なお、高速充電と低速充電は、後述するとおり、充電中に画面をタップするだけで切り替えられるほか、Pixel Standの設定で高速と低速を自動的に制御する「最適化」モードも選べる。

Pixel 6 Proを置いたところ
充電モードは、高速、低速、最適化の3つから選択可能

Pixel Standの追加機能

 初代も含めPixel Standには、充電以外の追加機能が搭載されており(正確にはPixel Stand利用時に追加機能が利用可能になる)、初回接続時にセットアップウィザードが起動し、各機能を設定できる。

初回接続時にセットアップウィザードが起動する。ここで設定しなくても、「設定」→「接続済みのデバイス」→「Pixel Stand Gen 2」の歯車をタップして後からも設定できる

 1つが、ドッキング(充電)中にサイレントモードをオンにする機能。Pixel Standを使うのが就寝中というのであれば、これをオンにしておくと、充電中は各種通知に悩まされなくなる。

サイレントモードのオン/オフ

 もう1つはフォトフレーム機能で、充電中にGoogleフォトの指定したアルバムを自動再生する。

フォトフレーム機能

 もう1つはめざましディスプレイ機能で、オンにするとアラームが鳴る15分前から画面が徐々に明るくなる。これにより、起きるときに目がまぶしくなるのを防ぐようなのだが、筆者は第1世代からこの機能をオンにしているものの、そもそも画面の輝度が不十分で効いている感じはしない。

めざましディスプレイ機能

 もう1つは、スマートホーム機能で、これをオンにすると、充電中にロックを解除することなく、スマートデバイスを直接操作できる。寝室の照明や家電などを制御するのが目的だろう。

スマートホーム機能

 また、充電中に画面をタップすると、上記のスマートホーム機能のクイックコントロール機能に加え、高速充電/低速充電切り替えのアイコンが表示される。

充電中はロック解除せずに、タップでスマートホーム機能のクイックコントロールと、高速充電/低速充電切り替えを制御できる
各種追加機能も含め、Pixel 5でももちろん使えた

ネックは価格

 ということで、非常に短時間ではあるが本日届いたばかりのPixel Stand(第2世代)をレビューしてみた。置くだけ充電は非常に手軽だし、ケーブルの挿抜で充電(USB)端子が痛んでいくのを防ぐ効果もある。本製品は(アップデート後に)Pixel 6シリーズを、置くだけで有線と同じ速さで充電できるようになり、仕様的には素晴らしい製品だ。

 ただ、価格が9,570円というのは高すぎるだろう。AppleのMagSafe充電器(4,950円)と30W USB-C電源アダプタ(5,280円)をセットで買うと同じくらいの値段にはなるが、MagSafe充電器は2,200円の20W USB-C電源アダプタで動作するので、その組み合わせと比較すると割高になる。15Wクラスのqi対応無線充電器なら千円台からあることを考えると、諸手を挙げて万人にお奨めとは言いがたい。

 もう1つ、初代では可能な本体を横置きにしての充電が第2世代ではできないのも気になった。筆者は、スマホを横向きにして充電しながら動画を観ることがよくあるが、それができない。充電中は発熱でバッテリや性能に影響が出るから、負荷がかかる操作はするなという製品思想なのかもしれないが、リスクを承知の上で「ながら充電」をさせてくれてもいいのではと思う。

 ということで、Pixel Stand(第2世代)は、Pixel 6シリーズユーザーにとっては、15Wを超える出力で無線充電できる(厳密にはできるようになる)唯一の製品。また、ファンを内蔵し、発熱によるバッテリへの負荷を抑えてくれる機能や追加機能も搭載する。そこに価格差に見合う価値を見いだせるかどうかがポイントになるだろう。