やじうまミニレビュー

パタンと倒してオフれるWebカメラ。割安価格でなかなかイイ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Webカメラ「eMeet C950」

 在宅勤務のトレンドでWebカメラの売り切れが相次いだのも今は昔。近頃は新製品が続々と登場し、ECサイトの在庫は潤沢にある。こうなるとよほど高性能か、尖った機能がないと、少なくとも今使っているカメラを置き換えようとは思わないもの。だけれども、2021年11月に発売されたUSB接続のWebカメラ「eMeet C950」がちょっと面白そうなので試してみた。

起こしてオン、倒してオフ。カメラレンズの圧迫感から即解放

 C950は、折りたたみ式のスタンド一体型のUSBカメラ。スタンドを畳んだ状態でデスク上に置いたり、スタンドを開いた状態でディスプレイの上に載せたりでき、直付けのUSB Type-Aケーブル(約1.4m)でPCのUSBポートやディスプレイのUSB Hubなどに接続して使う形になる。

スタンドを折りたたんでカメラを倒した状態
デスクなどに置いて使うときの状態
ディスプレイ上などに載せて使うときの状態

 最大の特徴は、本体を倒すとカメラをオフにできること。もっと細かく説明すると、レンズ部を正面から向こう側に押して上向きになるよう倒すことで、カメラと内蔵マイクの機能が無効になり、手前に起こせば再び機能が有効になるという仕組みだ。

起こした状態ではカメラ、内蔵マイクがオン
向こう側に倒して上向きにするとオフになる

 ただ、USB接続している間はOS側から常にデバイスとしては認識されている。倒したときはカメラとマイクに斜線が入った映像が表示されるので、物理的に信号をカットしているわけではなく、代替映像に差し替えたうえでマイク入力をオフにする形になっているようだ。

 それでも、起こす/倒すという簡単なアクションでオン/オフできることは間違いなく、最近のノートPCで増えてきたカメラレンズを隠す物理シャッターに近いか、それよりも視覚的にわかりやすい形でプライバシー保護を実現できる。ディスプレイ上に設置した場合、カメラを倒すとレンズが視界に入らず、「見られている」ような心理的な圧迫感がなくなるのはうれしい。

倒して起こしてオンオフを繰り返してみた

専用アプリで細かな画質設定も可

 映像は最大でフルHD(1,920×1,080ドット)解像度、30fps。外付けWebカメラとしては標準的かつ必要十分な性能だ。70度の視野角はものすごく広いわけではないが、画質自体はかなりクリアで、発色が良く、精細度も高い。

MacBook Pro内蔵Webカメラ(左、720p)とeMeet C950(右、1080p)の画質比較
MacBook Pro内蔵Webカメラ(左)とeMeet C950(右)の画質比較(いずれもGoogle Meetで720p受信時)

 eMeetの製品共通で使える専用アプリケーション「eMeetLink」を使うと、解像度のほか、輝度、コントラスト、シャープネスなどの画質調整も容易に行なえる。これら画質設定を一括で切り替えられるフィルター設定では、モノクロや漫画風(彩度を高めたもの)、ユーザーカスタマイズ用のプリセットが用意されていて、このあたりの調整だけでもけっこう遊べる感じ。

専用アプリケーション「eMeetLink」。豊富な解像度から選択できる
映像の上下反転を設定したところ
プリセットでモノクロに切り替えたところ
同じくプリセットで漫画風の映像に切り替えたところ
ホワイトバランスのマニュアル調整も可能

 内蔵マイクもWeb会議用途としては満足できる。無指向性ではあるものの、ノイズキャンセリングの効果もあるようで、周囲の雑音をある程度目立たないように抑えてくれる。例えばMacBook Pro内蔵マイクだと、本体のキーボードはもちろん、近くや遠くでキーボードをタイプしている音が盛大にノイズとして入り込むが、C950のマイクではそれより数段ノイズレベルが下がる。

 今のところ2021年12月31日までという期限はあるものの、割引と値引きクーポンで2,399円で購入できる(通常価格は4,200円)。この価格でこの画質のWebカメラが手に入るのはお得と言っていいだろう。デスクトップPCはもちろんだが、コンパクト/軽量なので、ノートPCの内蔵カメラ・マイクに不満がある人にとってもぴったりの製品かもしれない。

軽量なのでノートPCに載せてもディスプレイが倒れたりしない