やじうまミニレビュー

ついに百均に出回り始めた、ディスプレイ上部に取り付けられる小物テーブルを試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
山田化学「モニター用小物テーブル」。PC用ディスプレイのほかテレビなどにも取り付けが可能だ

 PC用ディスプレイの主流がかつて液晶ではなくCRTだった頃は、ディスプレイの上に書類などを気軽に置いていたものだ。CRTディスプレイは奥行きに余裕があり、モノを置くのに十分なスペースがあったことの裏返しと言える。

 時は流れてディスプレイの主流が液晶になっても、この「ディスプレイの上」はPCユーザーにとって何かとモノを置きたくなる場所らしく、小物を置くための簡易テーブルが各社から発売されている。簡単に設置でき、かつすぐに手が届く利点もあってか、製品数はあれよあれよと増えて、現在に至っている。

 そして最近では、こうした小物テーブルは、百円均一ストアでも入手可能になっているから驚きだ。今回は百均各社で販売されている、山田化学の「モニター用小物テーブル」を購入して試用してみた。

実売価格はなんと110円。筆者はキャンドゥで入手したが、ダイソーやセリアでも見かけたという報告もある
素材はポリカーボネートで、本体サイズは112×90×21mm。耐荷重は200g
横から見た状態。アームが折りたたまれている
アームを展開した状態。ネジを緩めると270度ほど回転させられる
装着にあたってはまずはアームに適当な角度をつけて行なうのがよい
ディスプレイの上部にひっかけるようにして取り付ける
天板が平行になるよう、左右の角度調節ネジでアームを固定する
完成。ディスプレイ背面の微妙な凹凸にも対応できる
横から見たところ。奥行きは88mm程度とかなりコンパクトだ

 こうした小物テーブルの構造は非常にシンプルだ。天板の前面をディスプレイの縁にひっかけたのち、天板が水平になるよう、背面にあるアームをディスプレイ背面にあてがって、角度を調節するだけだ。貼り付けたりネジ止めをするわけではなく、ただ載せただけなので、取り外しも自在、また位置を左右にずらすのも簡単だ。

 逆に言うと振動に弱く、軽い衝撃で外れて落下することもあるのだが、取り付けたあとも左右位置の調節が自在に行なえるのがよい。ディスプレイのどの位置に置くかは、どんなものを置くかによって決まるし、それが頻繁に変わることも少なくないからだ。場所が決まれば、そのあと必要に応じて粘着テープで固定すればよい。

 今回の山田化学の小物テーブルは、テーブルの面積は実測で88×88mmと、それほど余裕があるわけではない。ペン立てを置けばそれだけでいっぱいになってしまうし、フィギュアを立たせるにしても1体が限界だ。この種の小物テーブルの中では、とびぬけてコンパクトだ。

 もっとも本製品の場合、実売110円と格安なので、複数を調達して横に並べれば、設置スペースを簡単に広げられる。もちろん広げられるのは左右方向だけで奥行きを伸ばせるわけではないが、最初から複数個使うことを想定した製品だと考えれば納得がいく。そうした意味で、価格ならではの手軽さは間違いなくある。

小型のスマートスピーカーの設置場所に最適。ただし耐荷重の目安が200gと余裕がないのは気をつけたい
フィギュアの設置場所としても便利だ。これならば耐荷重もあまり問題にならない
もちろん小物類を置くこともできるが、高さがないのでディスプレイ前からは見えなくなる点に注意
横に2つ並べて設置し、リモコンなどの定位置にするのもよさそうだ
27型ディスプレイだと横に5個ほど並ぶ
背面から見たところ。左右ネジのせいでぴったりくっつけて並べることはできない

 ところで筆者は過去にいくつかこうしたディスプレイ用の簡易テーブルを試用してきているが、選び方にはいくつかポイントがある。

 1つは、本体を水平に保つための後部の2本のアームが、左右独立して可動することだ。市販のディスプレイの背面は必ずしも平らではなく、膨らんでいたり、段差があったりする。アームの角度を左右一括でしか変更できない製品は、こうした凹凸の変化に対応できず、不安定になりがちだ。

 今回の製品は、2つのアームが途中で合流して1点で支える仕組みを採用しており、決して満点ではないものの、凹凸の変化に対応しやすいという意味では、最低限のレベルはクリアしている。実質1本のアームなのに両サイドそれぞれのネジを締め付けなくてはならないのが、やや面倒に感じるが、まあ許容範囲だ。

本来はアームは左右独立していたほうが使い勝手はよい
本製品は2本のアームが1本に合流する構造
一般的な製品(左)だと左右のアームが独立しており、凹凸に合わせて細かく調整できる場合が多い

 もう1つは、ディスプレイの縁に引っ掛ける爪にあたる部分が、あまり深くないことだ。最近のディスプレイは狭額縁化が進んでおり、引っ掛ける部分が深すぎると、画面の端を隠してしまいかねない。もちろん浅すぎて外れやすいのは本末転倒だが、画面にかかるのは避けたいところ。本製品は爪の深さが実測7mmということで、概ね及第点だ。

ディスプレイにひっかける爪の部分が深いと画面を隠してしまいかねない
今回はギリギリセーフだが、ディスプレイが狭額縁を売りにしたタイプだと画面が隠れる可能性はある
本製品(右)は天板がツルツルで、他社の製品(左)のような滑り止め加工が施されていないのはマイナスだ

 以上のように、サイズの小ささと、そもそもの構造からくる不安定さはあるものの、百均で買えるアイテムとしては悪くないというのが、実際に使ってみた評価だ。成形もしっかりしており、見た目にチープに感じたり、ディスプレイと一体化していて不釣り合いさを感じることもない。

 ともあれ、ディスプレイの上というのは、デスク周りに残された、自由に使える数少ないデッドスペースだけに、本製品は何かと活用しがいがある。この手のアイテムを試したことがない人にとっては、百均で手軽に入手できるようになった現在が、ちょうどよいタイミングと言えるかもしれない。

今回試用したブラックのほかクリアタイプもある。こちらのほうがホコリが目立たずよいかもしれない