やじうまミニレビュー
ファブリック素材のオシャレなSSD、「Seagate One Touch SSD」
2019年10月24日 06:00
Seagateは、ファブリック素材を採用したオシャレなSSD「One Touch SSD」を国内向けに発売した。価格は容量500GBモデルが9,780円、1TBモデルが17,990円となっている。
この1年でフラッシュストレージが著しく価格下落しているため、500GBで約1万円、1TBで約18,000円という価格は、外付けUSB SSDのなかでもハイエンドの価格帯に入る。しかし、2018年末に登場したHPの「P600」が容量500GBで実売18,800円だったことを考えると、随分と入手しやすくなった印象を受ける(ただ2019年10月現在、P600の512GBモデルは9,300円、1TBモデルは16,000円前後で手に入る)。
もっとも、本製品は高価格帯ならではの付加価値もある。1つは「Toolkit」で、ウィザード形式で設定していけば設定したフォルダの同期(バックアップ)が行なえる「Sync Plus」が使えること。Sync Plusの特徴は、双方向同期(SSDにファイルが追加されればホストにも反映)や、削除したファイルのアーカイブ(アーカイブフォルダに移動)がオプションで行なえる点だ。
外付けHDDはデータのコピーが遅いうえに動作音がするので、ストレスが溜まることも多々あり、ひとえに「バックアップは重要だ」と訴えられてもしんどいユーザーも少なくないだろう。本製品のようなSSDで無音で高速だと、バックアップがストレスに思えることも少なくなる。
ちなみに筆者の環境で約1.1GB/3,720ファイル/1,275フォルダのユーザーデータを同期させてみたところ、約12分で完了した。2回目以降はリアルタイムなのでほぼストレスフリーだ。ただ、削除したファイルのアーカイブ機能は、ファイルのリネームに対しても、いちいち削除された扱いになる点はやや煩わしく感じた。
もう1つは、Adobeの「Creative Cloudフォトプラン」2カ月分、および写真整理/同期サービス「Mylio」の1年間利用権が付属する点(ただしMylioの日本語の提供は近日中)。前者は1,960円分、後者は50ドル相当分となる。もちろん、Seagateへのユーザー登録が必須となるし、これらを目当てに購入する人は少数だろうが、活用したほうが賢明だろう。
さて肝心な本体だが、2.5インチHDDより一回り小さい1.8インチHDD相当のフットプリントで、クレジットカードよりも一回り小さいサイズなので、携帯性は抜群。また、表面にファブリック素材を使っているだけあって、見た目のインパクトはなかなか。Seagateのロゴが入ったタブもチャームポイントとなっていて、デザイン的には電子機器というより、ファッショナブルなアイテムという印象を受ける。
ただ、今どき付属のUSB 3.0ケーブルがType-CではなくMicro B→Type-Aであり、しかも20cmしかないのに本体のどこにも収納できない点には閉口する。パッケージでMacへの対応も謳われているのに、最新のMacBook AirやProではUSB Type-A非搭載なので使えないというのは、どうしたものだろうか。本体はファッショナブルでスタイリッシュでポータブルなのに、残念というほかない。
性能面ではほぼ期待どおり、CrystalDiskMarkにおいて、リード426.7MB/s、ライト395.2MB/sをマーク。4Kランダムアクセスもそこそこ高速で、アプリのインストール先として利用しても問題ない。設計思想の古さはややネックだが、最近にわかに復活しているUMPCのお供には悪くない選択肢だろう。
テスト環境
CPU:Xeon E3-1225 v6(3.3GHz)マザーボード:GIGABYTE GA-X150M-PRO ECC
メモリ:DDR4-2400 16GB
メインストレージ:WD Black2 128GB SSD+1TB HDD
ビデオカード:Quadro 600
OS:Windows 10 Pro(1903)