やじうまミニレビュー

ファブリック素材のオシャレなSSD、「Seagate One Touch SSD」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
One Touch SSD

 Seagateは、ファブリック素材を採用したオシャレなSSD「One Touch SSD」を国内向けに発売した。価格は容量500GBモデルが9,780円、1TBモデルが17,990円となっている。

 この1年でフラッシュストレージが著しく価格下落しているため、500GBで約1万円、1TBで約18,000円という価格は、外付けUSB SSDのなかでもハイエンドの価格帯に入る。しかし、2018年末に登場したHPの「P600」が容量500GBで実売18,800円だったことを考えると、随分と入手しやすくなった印象を受ける(ただ2019年10月現在、P600の512GBモデルは9,300円、1TBモデルは16,000円前後で手に入る)。

 もっとも、本製品は高価格帯ならではの付加価値もある。1つは「Toolkit」で、ウィザード形式で設定していけば設定したフォルダの同期(バックアップ)が行なえる「Sync Plus」が使えること。Sync Plusの特徴は、双方向同期(SSDにファイルが追加されればホストにも反映)や、削除したファイルのアーカイブ(アーカイブフォルダに移動)がオプションで行なえる点だ。

 外付けHDDはデータのコピーが遅いうえに動作音がするので、ストレスが溜まることも多々あり、ひとえに「バックアップは重要だ」と訴えられてもしんどいユーザーも少なくないだろう。本製品のようなSSDで無音で高速だと、バックアップがストレスに思えることも少なくなる。

 ちなみに筆者の環境で約1.1GB/3,720ファイル/1,275フォルダのユーザーデータを同期させてみたところ、約12分で完了した。2回目以降はリアルタイムなのでほぼストレスフリーだ。ただ、削除したファイルのアーカイブ機能は、ファイルのリネームに対しても、いちいち削除された扱いになる点はやや煩わしく感じた。

Toolkitは総合ユーティリティだが、製品によって使える機能と使えない機能があるようだ。One Touch SSDではSync Plusの機能が利用できる
PCで同期するフォルダを選択して
One Touch SSD上で同期先のフォルダを選択
双方向同期や、削除したファイルのアーカイブの設定が行なえる
あとはToolkitが常駐して同期を自動で行なってくれる

 もう1つは、Adobeの「Creative Cloudフォトプラン」2カ月分、および写真整理/同期サービス「Mylio」の1年間利用権が付属する点(ただしMylioの日本語の提供は近日中)。前者は1,960円分、後者は50ドル相当分となる。もちろん、Seagateへのユーザー登録が必須となるし、これらを目当てに購入する人は少数だろうが、活用したほうが賢明だろう。

 さて肝心な本体だが、2.5インチHDDより一回り小さい1.8インチHDD相当のフットプリントで、クレジットカードよりも一回り小さいサイズなので、携帯性は抜群。また、表面にファブリック素材を使っているだけあって、見た目のインパクトはなかなか。Seagateのロゴが入ったタブもチャームポイントとなっていて、デザイン的には電子機器というより、ファッショナブルなアイテムという印象を受ける。

 ただ、今どき付属のUSB 3.0ケーブルがType-CではなくMicro B→Type-Aであり、しかも20cmしかないのに本体のどこにも収納できない点には閉口する。パッケージでMacへの対応も謳われているのに、最新のMacBook AirやProではUSB Type-A非搭載なので使えないというのは、どうしたものだろうか。本体はファッショナブルでスタイリッシュでポータブルなのに、残念というほかない。

 性能面ではほぼ期待どおり、CrystalDiskMarkにおいて、リード426.7MB/s、ライト395.2MB/sをマーク。4Kランダムアクセスもそこそこ高速で、アプリのインストール先として利用しても問題ない。設計思想の古さはややネックだが、最近にわかに復活しているUMPCのお供には悪くない選択肢だろう。

テスト環境

CPU:Xeon E3-1225 v6(3.3GHz)
マザーボード:GIGABYTE GA-X150M-PRO ECC
メモリ:DDR4-2400 16GB
メインストレージ:WD Black2 128GB SSD+1TB HDD
ビデオカード:Quadro 600
OS:Windows 10 Pro(1903)
製品パッケージ
本体とUSBケーブル
本体表面はファブリック素材で覆われている
クレジットカードサイズだ
本体背面に製品名やシリアルなどが記載
今どき珍しいMicro B端子
ケーブルは収納できず、持ち運びのさいかさばる
CrystalDiskMarkの結果