Windows 10ユーザーズ・ワークベンチ
パーソナル設定でWindows 10の見かけをカスタマイズ
(2015/10/21 06:00)
Windows 10 は、一般公開のBuild 10240以降、何度かのビルドを重ねてきた。最新はBuild 10565 Insider Preveiwとなっている。特に最新のBuild 10565は、見かけの部分にも大きな変更があり、次の一般向けアップデートに向けた仕上げにかかっているように見える。今回は、Windows 10のルック&フィールについて見ていこう。
丸ごと再インストールとなるInsider Build
Fast Ringの更新は、OSを丸ごと再インストールという趣が強い。放置しておけばいいとは言え、新しいビルドが公開されるごとに手元で評価中の10台以上のPCをアップデートするのは、それなりに大変だ。
Windows 10のアップデートは、更新プログラムの提供方法として「複数の場所から更新する」というオプションが用意されている。この機能を有効にすることで、更新用のモジュールを他のPCにLANやインターネット経由で送信できるようになる。それによって、LAN内のPCのダウンロードが高速になるが、そのメリットが本当に得られているのかどうか……。
しかも、アップデート時にはスタートアップに登録したプログラムの自動常駐や、レジストリに加えたキーアサインの変更などが無効になる。それも登録し直しだ。一般的なアプリケーション等はそのまま有効で再インストールの必要はない。ということは、これらの機能はそのうち失われることになる可能性があるんじゃないかと心配になってくる。
Windows 10とその「色」
さて、ルック&フィールについて話をすすめよう。
Windows 10のパーソナル設定は一旦、実に貧弱なものになってしまった。壁紙としての背景には任意の画像を選べるが、例えば、それを単色にしようとした場合、24色からしか選ぶことができない。そして、タスクバーの色としては、背景に応じた自動設定にするか黒に近いグレーを選ぶかといったことしかできないのだ。
個人的な環境としては、昔から壁紙は写真などを配さないで白の単色としてきた。アプリケーションウィンドウの多くは背景が白なので、ウィンドウとその背景との間のコントラストができるだけ小さくなるようにするためだ。その方が目が疲れない。また、デスクトップに散らばるアイコンやそのタイトルの視認性も高まる。ところが、Windows 10では背景に白を設定することができない。
さらに、Windows 10では、タイトルバーに色が着いていないために、どのウィンドウがアクティブなのかが分かりにくくなってしまっている。特に複数のウィンドウを開いて使うデスクトップモードでは混乱してしまう。どれがアクティブだろうが関係ないというのがWindows 10の考え方なのだろう。
新しいビルドでは、背景の色については従来通り24色なのだが、色の選択設定で「スタート、タスクバー、アクションセンター、タイトルバー」については色を着ける着けないが設定できるようになった。これまでは設定できなかったタイトルバーに色を着けられるようになったのだ。
デフォルトではオフなので、できるだけ見かけをシンプルなものにしたいという基本的な方針は変わらないようだが、これで、デスクトップモードにおいて、複数のウィンドウが開いている場合も、アクティブなウィンドウがどれか分かりやすくなった。
タイトルバーの色も、背景色から自動的にアクセントカラーを選ぶように設定できるほか、任意の48色から選ぶことができるようになっている。よほど要望が多かったのだろう。その声に耳を傾けた結果だということだ。ただ、それで当初の目的が少しぶれてしまったようにも感じられる。
もっとも、これらの色設定については、過去のWindowsがサポートしていたテーマが引き続きサポートされていて、過去の環境で設定したテーマを保存し、それをWindows 10環境に持って行った上で適用することで、あらかじめ用意されていない色環境にすることはできる。
また、Windows 8.1 までのコントロールパネルにあった「デスクトップの背景」も、Windows 10では削除されてしまったように見えるが、実際には設定画面は今も残っている。コントロールパネルの起動時に直に指定してやれば、懐かしい設定画面が現れて任意の色の指定が可能になる。
具体的には「ファイル名を指定して実行」で、
control /name Microsoft.Personalization /page pageWallpaper
を実行すればいい。
ロケーションとしては、コントロール パネル\すべてのコントロール パネル項目\個人設定\デスクトップの背景の設定画面になるが、Windows 10以降では、コントロールパネルのルートから辿ってこのページに到達することはできないようだ。
タイトルバーの色については、リリースされたばかりのOffice 2016において、Excelが緑、Wordが青、PowerPointが赤と、OS標準のタイトルバー色とは無関係に自分自身のカラーを主張している。また、Edgeに至ってはタイトルバーがない。ほかのアプリも同様で、アプリごとに自分自身で決めた色をタイトルバーに使うという方向に行きたかったのだろう。これは、スマートフォンアプリやタブレットモードでの利用したときのイメージ統一というもくろみもあったに違いない。ここでもブレを感じる。
Skypeに標準対応など新機能続々
このほか、スタートメニューを解像度に応じて4カラム設定可能になったり、タブレットモードの改善でアプリウィンドウのスナップ方法に変更があるなど、いろいろなところが変わってきている。フォト、Xbox、Groove、メール、カレンダー、地図といった標準アプリのアップデートもあった。また、EdgeでのRTCサポートによって、Skypeなどのアプリがプラグインなしでビデオチャットなどをサポートできるようになっている。
最新ビルドである10565は、Fast Ringへの提供後、すぐにSlow Ringへの提供も始まり、さらにISOファイルの配布も始まっている。このISOファイルは、Windows 7/8/8.1のプロダクトキーを使って、クリーンインストールができるとされている。
新しいアプリとしては、Skype統合のために「メッセージング」と呼ばれるアプリが新規に加わった。Skypeはストアアプリが廃止され、デスクトップアプリを使うかウェブアプリでメッセージを交換するしかない状態が続いていたが、ユニバーサルアプリとして標準搭載されるようになったわけだ。
さらに新ブラウザEdgeでは、タブにマウスポインタを重ねたときに、プレビューが表示されるようになったほか、ようやくお気に入りやリーディングリストが同期されるようになった。これらは最初から実装されていなかったことがおかしいくらいだ。
このほか、スタートメニューのコンテキストメニューの表示も手が入っている。GUIについては、次第に形になっているという印象が強く、一般公開版の10240と最新の10565を併用していると少し混乱してしまうくらいだ。
ハイエンド機なら古いPCも延命
手元のWindows 10環境を数えてみたら13台に達していた。もっとも古いPCは2011年春発売の第2世代Core搭載ノートPCや2012年発売の同世代Core搭載機といったところだろうか。最新については、恥ずかしながらまだSkylake機は手元にない。
古いノートPCはWindows 7プリインストール機で、8、8.1、10と、順次アップデートを重ねてきた由緒ある環境だ。もちろんメーカー側は両機ともにWindows 10どころかWindows 8のサポートもしていない。最古参機はメモリも12GBあるし、ストレージもSSDに換装している。だからか、それほどストレスを感じるほどではない。もちろん、その1年後、同じ第2世代Coreを搭載した機体も同様で快適そのものだ。両機ともに、タッチ非対応機ではあるが、Windows 10は、デスクトップの使い勝手を上げる方向を重視している面もあり、使い勝手は高まっている。少なくとも、Windows 10への無償アップグレードによって、古いマシンが延命したという印象も強い。人それぞれ、買い物のポリシーは異なるだろうが、ハイエンドの製品を確保しておけば、OSは1世代分くらいは長く使えるということなのかもしれない。