笠原一輝のユビキタス情報局

8コア版の性能は伊達じゃない!ゲーミングノートに最高性能をもたらす第11世代Core H45をチェック

Intelの「第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ Hシリーズ」(第11世代Core H45)を搭載したレファレンスシステム

 Intelが5月11日に発表した「第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ Hシリーズ」(以下第11世代Core H45)は、開発コードネーム「Tiger Lake-H45」で知られる、TDPが45Wに設定されたゲーミングノートPCやクリエイター向けのノートPCをターゲットにしたCPUだ。

 IntelのノートPC向け第11世代Coreは、昨年(2020年)の9月に発表された薄型ノートPC向けの「第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ」(以下第11世代Core」、1月に発表されたそのTDP 35W版の「第11世代インテルCore Hシリーズ・モバイル・プロセッサ」(以下第11世代Core H35)などの複数の製品があるが、今回発表された第11世代Core H45は最上位の製品となり、dGPUを搭載するようなハイエンドゲーミングノートPCなどをターゲットにしたCPUとなる。

 今回、その第11世代Core Hシリーズを搭載したノートPCをテストする機会を得たので、その利用感や性能などについてお伝えしていきたい。今回試用したのは、Intelがレビュー用に用意したマシンで、CPUは第11世代Core H45の最上位モデルとなるCore i9-11980HK、GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060(6GB)を搭載したマシンになる。

第11世代Coreの4つ目の製品

第11世代Core H45はCPUだけがパッケージに封入されており、PCHは別パッケージとして提供される(出典:Intel)

 第11世代Core H45は、これまで発表されてきたノートPC向け第11世代Coreプロセッサの製品としては3つ目、正確に言うと、最初に発表した製品にはUP3、UP4という2つのパッケージがあるので、4つ目の製品になる。それぞれを整理すると以下の表のようになる。

【表1】4つのノートPC向け第11世代Coreプロセッサ
製品名第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ(UP3)第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ(UP4)第11世代インテルCore Hシリーズ・モバイル・プロセッサ第11世代インテルCoreプロセッサ・ファミリ Hシリーズ
開発コードネームTiger Lake(UP3)Tiger Lake(UP4)Tiger Lake(H35)Tiger Lake(H45)
パッケージFCBGA1449(46.5×25mm)FCBGA1598(26.5×18.5mm)FCBGA1449(46.5×25mm)FCBGA1787(50×26.5mm)
チップセットパッケージ内蔵(TGL-PCH)パッケージ内蔵(TGL-PCH)パッケージ内蔵(TGL-PCH)モバイル用インテル 500 シリーズ・チップセット
CPUコア最大4コア最大4コア最大4コア最大8コア
CPU側PCI Express Gen 44レーン4レーン4レーン20レーン
メモリLPDDR4x-4266/DDR4-3200LPDDR4x-4266/DDR4-3200LPDDR4x-4266/DDR4-3200DDR4-3200
グラフィックスXe Graphics(最大96EU)Xe Graphics(最大96EU)Xe Graphics(最大96EU)Xe Graphics(最大32EU)
Thunderbolt 4コントローラ内蔵内蔵内蔵内蔵
オペレーティングレンジ(TDP)28W~12W15~7W28~35W(35W)35W~65W(45W)
ターゲット薄型ノートPC超薄型ノートPC/タブレット薄型ゲーミングノートPCゲーミングノートPC

 こうした4つのTiger Lakeの違いは、製品の構造、採用されているパッケージ、そしてTDPのレンジ、そしてそれらに由来する機能の違いなどがある。

4つのTiger Lake(筆者作成)

 一番大きな違いはTDPのレンジの違いだ。最初に発表された第11世代CoreのUP4は26.5×18.5mmという超小型パッケージで、TDPのレンジも7~15Wになっており、薄型ノートPCでも10~12型など小型のPCやタブレットなどをターゲットにしている。それに対してUP3は通常のパッケージサイズで、TDPのレンジは12~28Wになっており、一般的な薄型ノートPCをターゲットにした製品となる。

 1月に追加された第11世代Core H35は、UP3のTDPを35Wに拡張した製品で、VAIOのVAIO Zのような薄型ノートPCにも採用されているが、これはむしろ例外で、基本的には薄型のゲーミングノートPCをターゲットにした製品だ。

 そして、今回登場したのが第11世代Core H45だ。名前からわかる通りTDPは45Wに設定されている。ただし、この45WというのはcTDP(Configurable TDP、PCメーカーが設定可能なTDPのこと)の標準値で、最大65Wや、最低35Wに設定することもできる。このあたりはOEMメーカーの選択次第で、より大型の放熱機構を搭載して65WにすればそれだけCPU性能を上げられるし、35Wにすれば第11世代Core H35と同じように薄型にすることも可能だ。

 第11世代Core H45は、構造や機能がUP3/UP4/H35と大きく異なっている。UP3/UP4/H35では、PCHがパッケージの内部にPCH(Tiger Lake-PCH)を内蔵しているSoCになっているのに対して、H45ではPCHが別パッケージになり、2チップ構成だ。このため、基板サイズなどはUP3/UP4/H35などに比べてどうしても大きくならざるを得ない。

 ただし、こうしたゲーミングPCではそもそも消費電力がCPU以上に大きなdGPUを搭載していることが一般的で、放熱機構が大型である必要があるため、筐体サイズはそもそも大きめだ。その意味ではあまり影響はない。

8コアのCPU+1/3のXe Graphics+20レーンのPCI Gen 4という別ダイになっている

H45とUP3/UP4/H35との違い(筆者作成)

 そして、もう1つの大きな違いはUP3/UP4/H35のCPUが最大でクアッドコア(4コア)までであるのに対して、H45は最大でオクタコア(8コア)構成になっていることだ(一部製品は6コアになっているが、これは2コアが無効される形)。

Tiger Lake-H45のダイフォト(出典:Intel)

 Tiger LakeのCPUは、Willow Coveという「Cove」系のCPUアーキテクチャとしては第2世代のものを採用、コア1つあたりのL3キャッシュサイズが3MBとなっているため、8コアを持つH45では24MBと大幅に強化されている。

 ただし、Tiger Lakeのもう1つの特徴である多くのAAAタイトルを30fpsでプレイできるXeアーキテクチャのGPUに関しては、実行ユニット(EU)の数が減らされている。UP3/UP4/H35のXe Graphicsは96基のEUを備えているが、H45は最大で32基のEUとなっている。これはダイサイズのトレードオフで、CPUの方を8コアにする代わりに、GPUの方は抑えめにせざるをえなかったということだろう(このためGPUのブランドはXe GraphicsではなくUHD Graphicsとなる)。

 とは言え、H45のターゲットはdGPUを搭載したフルサイズのゲーミングノートPCやクリエイター向けのノートPCだ。つまり、ほぼ100%の割合でdGPUが搭載されることになるので、iGPUは必要最低限あればいいという判断だろう。

 潔くiGPUがない製品を出せば良いのではないかという声も聞こえてきそうだが、ゲーミングノートPCにせよ、クリエイターノートPCにせよ、バッテリで動かすことも考慮しなければならないので、その場合にはNVIDIAのOptimusなどに対応することで、バッテリ駆動時はdGPUをオフにして、省電力なiGPUだけで利用するというデザインが可能になる。そのことを考慮してiGPUは残されているわけだ。

 もう1つのUP3/UP4/H35との違いはPCI Expressのコントローラだ。UP3/UP4/H35は、CPUにPCI Express Gen 4のコントローラが4レーンあり、これを利用してdGPUかSSDをPCI Express Gen 4で接続することが可能になっている(dGPUを搭載した場合には、SSDはPCH側にあるPCI Express Gen 3に接続することになる)。

 これに対してH45はPCI Express Gen 4が20レーン用意されており、dGPUに16レーンを使用し、同時にx4でSSDを接続することができる。あるいは、SSDをRAIDで利用するために2つ搭載する場合にはdGPUに8レーン、SSDに8レーン(4レーン×2)などの構成も可能になる。

 なお、第11世代Core H45には以下のようなSKUが用意されている。上位2つのSKUはIntel Turbo Boost Max Technology 3.0に対応しており、シングルコアと2コア時に最大で5GHzに達するスペックになっている。

 また、最上位のCore i9-11980HKはプロセッサナンバーの最後にKがついていることからもわかるように、倍率ロックが外されておりオーバークロックが容易にできるようになっている。また、vProに対応したビジネス向けのSKUも用意されている。

【表2】第11世代Core H45の一般消費者向けSKU
プロセッサ・ナンバーコア数 /スレッド数/L3 キャッシュDDR4(MT/s)動作周波数(GHz)@ cTDPグラフィックス・ブランドグラフィックス基本 /最大動作周波数(MHz)基本動作周波数(GHz)最大1 コアターボ(GHz)最大2 コアターボ(GHz)最大4 コアターボ(GHz)最大6 コアターボ(GHz)最大8 コアターボ(GHz)Tj(℃)Intel SIPPIntel vProIntel TXT
i9-11980HK8C/16T/24M32003.3 @ 65WIntel UHD Graphics350/1,4502.65(ITBM3.0)5(ITBM3.0)4.94.74.5100非対応非対応非対応
i9-11900H8C/16T/24M32002.1 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.54.9(ITBM3.0)4.9(ITBM3.0)4.84.64.4100非対応非対応非対応
i7-11800H8C/16T/24M32001.9 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.34.64.64.54.44.2100非対応非対応非対応
i5-11400H6C/12T/12M32002.2 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.74.54.54.34.1なし100非対応非対応非対応
i5-11260H6C/12T/12M32002.1 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4002.64.44.44.24なし100非対応非対応非対応
【表3】第11世代Core H45のビジネス向けSKU
プロセッサ・ナンバーコア数 /スレッド数/L3 キャッシュDDR4(MT/s)動作周波数(GHz)@ cTDPグラフィックス・ブランドグラフィックス基本 /最大動作周波数(MHz)基本動作周波数(GHz)最大1コアターボ(GHz)最大2コアターボ(GHz)最大4コアターボ(GHz)最大6コアターボ(GHz)最大8コアターボ(GHz)Tj(℃)Intel SIPPIntel vProIntel TXT
W-11955M8C/16T/24M32002.1 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.65(ITBM3.0)5(ITBM3.0)4.94.74.5100対応対応対応
i9-11950H8C/16T/24M32002.1 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.65(ITBM3.0)5(ITBM3.0)4.94.74.5100対応対応対応
W-11855M6C/12T/18M32002.6 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4503.24.90(ITBM3.0)4.90(ITBM3.0)4.74.4なし100対応対応対応
i7-11850H8C/16T/24M32002.1 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.54.84.84.84.64.3100対応対応対応
i5-11500H6C/12T/12M32002.4 @ 35WIntel UHD Graphics350/1,4502.94.64.64.44.2なし100対応対応対応

Core i9-11980HKを搭載したIntelレファレンスデザインのテストシステム

テストシステムにはCore i9-11980HKと

 今回筆者が入手したH45搭載システムはIntelのレファレンスシステムで、テストだけのために作られた販売を前提としないシステムとなる。メーカーはMSIで、実際にはこのシステムをベースにMSIから販売される可能性は十二分にあるが、あくまで今回のテストに利用したのはレファレンスシステムであり、市販されるものとは違うということをあらかじめお断わりしておく。テストに利用したマシンのスペックは以下のようになっている。

【表4】テストシステムの環境
製品名Intel Branded Sample System
CPUCore i9-11980HK(8C/16T、24MB L3キャシュ、最大5GHz)
GPUGeForce RTX 3060 Laptop GPU(6GB、GDDR6、65W)/Intel UHD Graphics
メモリ32GB/DDR4-3200(デュアルチャネル)
ディスプレイ16型QHD+ 2,560×1,600ドット
ストレージ2x 512GB Samsung PM9A1 PCIe Gen 4 SSD
ドライバNVIDIA: 27.21.14.6221、Intel: 27.20.100.9219
OSMicrosoft Windows 10 Pro 64-bit(20H2)
バッテリ90 WHr

 Core i9-11980HKはH45のトップビンで、最上位スペックになっている。最大の特徴は、cTDPの設定にある。今回発表されたH45の製品の中でi9-11980HKを除くSKUは、cTDP downの35Wが設定されているのに対して、i9-11980HKはcTDP upの方の65Wが標準設定としてスペック表に記載されており、その場合のベースクロック周波数は3.3GHzとなる。

 もっともこのcTDP 65Wというのは、「OEMメーカーに対してそういうオプションを用意していますよ」という意味であって、OEMメーカーは元々のスペックであるTDP 45Wを選ぶこともできる(その場合にはベースクロック周波数は2.6GHzとなる)。より高いTDPに対応するためには、それだけの放熱機構を用意する必要があり、重さや体積とのトレードオフになる。したがってOEMメーカーがどちらをターゲットにするかは製品の特徴次第と言える。今回のシステムをチェックしてみたところ、cTDP 65Wの設定になっているようだ。

キーボード/タッチパッド
マシンの左右側面

 そして、このi9-11980HKのもう1つの特徴は、Turbo Boost時に、シングルコアないしは2コアで動作している時に5GHzに達するようになっていることだ。このため、CPUをシングルコアで動かした時は高速になるという特徴がある。

 Windowsなどではアプリケーションの起動などはシングルスレッドであることが多いので、細かいことだがユーザーの使い勝手に大きく影響するとも言えるし、ゲームでも未だシングルスレッド性能重視であることが多い。なお4コア時は4.9GHz、8コア時でも4.5GHzに達するスペックになっており、UP3はH35に比べるとマルチコア時のクロックが高いのももう1つの特徴だと言える。

CPUはCore i9-11980HKが搭載されている、L3キャッシュは24MB

 GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060で、ビデオメモリはGDDR6を6GB搭載している。また、SSDはSamsung ElectronicsのPM9A1を2つ搭載しており、RAID 0構成になっている。なお、PM9A1は、Samsungがリテール市場向けに販売している980 PROのOEM版で、PCI Express Gen 4に対応したSSDとなる。このため、今回のシステムではGPUはx8で接続されており、2つのSSDがx4でCPUに直結されているという構成になっていた。

Ryzen 9 5980HS(参考値)を上回る性能を発揮したCore i9-11980HK

 AMDのシステムと比較したかったのだが、日本市場ではAMDのハイエンドであるRyzen 9 5980HXやRyzen 9 5980HSを搭載したノートPCはまだ販売が始まっていない。そこで今回は本誌の以前の記事で紹介した、Ryzen 9 5980HSを搭載したシステムのスコアを引用して比較してみた

 なお、この記事は三門修太氏が1月に執筆された記事であり、今回の筆者の記事に向けて作業しているのは5月。その間にベンチマークそのものもパッチが当たったりしているので、あくまで参考の数字として掲載させていただく形になる。AMD側のテスト環境は上記の記事などを参照していただきたい。なお、GPUはIntelのシステムがGeForce RTX 3060/6GB、AMDのシステムがGeForce GTX 1650 Max-Q/4GB(Turing世代だがRTXには未対応のSKU)となる。

 当然ながら、GPU単体としての性能はGeForce RTX 3060/6GBの方が上になるので、グラフィックス周りのテストはIntel側が有利になる。もちろんグラフィックステストも、CPU+GPUの性能なのだが、よりGPUの方が結果に与える影響は大きいと考えられるので、GPUの性能が結果に与える影響が大きいものに関しては、あくまで参考程度に参照していく。

 また、ノートPC向けのCPU性能を比較するときにいつも言っているが、現代のノートPCのCPU性能はシステム側の熱設計に依存するところが大きい。このため、今回のテストの結果はあくまで、今回のシステムという熱設計の環境下で得られた結果であり、別のシステムで計測した場合には違う結果になる可能性が高いことはお断わりしておく。

 そうした注意点を説明していくと、筆者が通常行っているベンチマークテストと三門氏の記事で行なっているテストの2つで共通していたのはCinebench R23、3DMark、FINAL FANTASY XV BENCHMARK、PCMarkの4つだった。それらの結果を、Intelのシステムは、GeForce RTX 3060(dGPU)とIntel UHD Graphics(iGPU)の両方の結果を参照して見ていきたい。

【グラフ1】Cinebench R23
【グラフ2】グラフィックス関連テスト
【グラフ3】PCMark 10

 この中で、Cinebench R23と3DMarkのTimeSpy(CPU)を除くテストの多くはGPUの違いが影響していることがわかる。PCMarkも結構GPUを使うテストなので、IntelのシステムでGPUをiGPUで動作するように設定した場合の結果とdGPUで動作するように設定した結果を見れば明らかだろう。

 したがって、CPU単体の性能ではCinebench R23と3DMarkのTimeSpy(CPU)の結果が参考になる。結論から言えば、あくまで参考値ではあるものの、1月時点でのAMDのRyzen 9 5980HSの結果を上回っている。

 もちろん、AMD側にはRyzen 9 5980HXというTDPが45W以上になるさらなる上位SKUがあるので、それとはどういう比較になるのかという点は議論として残るが、Cinebenchではかなり良い勝負だし、3DグラフィックスでのCPU処理では第11世代Core H45は高い性能を発揮する可能性が高いということを示唆していると言える。

8コアになることで4コアのH35やUP3などと比べて大きく性能が向上しているCore H45

 筆者が今回のシステムをテストして思ったことは、8コアの第11世代Core H45は、4コアの第11世代Core H35(H35)や第11世代Core(UP3)などと比較して、リニアに高い性能を発揮しているということだ。

【グラフ4】Cinebench R23でのほかのTiger LakeやCezanneとの比較

 もちろんTDPが標準45W、システムの設計上は65Wに拡張されていることもあるが、やはり8コア化された恩恵が大きいと考えられる。AMDの方は同じCezanneで、かつ8コア同士のRyzen 9 5980HSとRyzen 7 5800Uの差はそのプロセッサのブランドよりも小さいと言える。これは両者の差が実質的にはTDPの枠だけということが影響しているだろう(5800Uがそれだけよくできているということの裏返しでもある)。

 その意味では、Intel側もCPUコアを8コア化することで、モバイルノートでも性能を向上させる余地があると言えるだろう。Alder Lakeでそうした8コア化されたモバイル向けが登場すれば、AMDとも良い勝負になるのではないかと考えられる。

 このように、(あくまで参考値であるものの)AMDのゲーミングノートPC向けの2番目のSKUとなるRyzen 9 5980HSと比較して、Core i9-11980HKはCPU単体のテストではわずかに、そしてゲーミング時の性能では大きく上回っている。その意味で、ゲーミングノートPCのCPUとしては性能的な観点からも十二分に選ぶ意味がある。

 今後、多くのOEMメーカーから、第11世代Core H45を搭載した製品が登場するため、GeForce RTX 30シリーズなどのとの組み合わせで選択すると、快適なゲーミングノートPC生活を送ることができそうだ。