西川和久の不定期コラム

オンキヨーデジタルソリューションズ「TW08A-55Z8」

~シャープな八角形デザインの8型タブレット!

 オンキヨーデジタルソリューションズは11月24日、8型のWindowsタブレット「TW08A-55Z8」を発表、11月27日から販売が開始された。ストレージの容量が32GBあるので少し余裕を持って運用できるタイプだ。編集部から実機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

オクタゴン(八角形)デザイン採用の8型タブレット

 最近発表が続いている8型Windowsタブレット。SoCはほぼ同じ、違いはメモリが1GBか2GBか、ストレージが16GBか32GBかの組み合わせと言った感じで、スペック的には特徴が出しにくくなっている。

 そんな中、今回ご紹介するオンキヨーデジタルソリューションズ「TW08A-55Z8」は、2GB/32GBと、安価な8型の中では最大容量で、さらに筐体は角を落としたオクタゴン(八角形)デザインを採用した、ちょっとこだわりのモデルだ。

 Windows搭載タブレットに限らず、Android搭載機やiPadも角がラウンドのものが多く、このカクカクしたデザインは、気になった人も多いのではないだろうか。小型なだけに、持ち歩くことを前提にすると、デザインも重要な要素となるのは言うまでもない。主な仕様は以下の通り。

【表】オンキヨーデジタルソリューションズ「TW08A-55Z8」の仕様
SoCAtom Z3735F(4コア4スレッド、
クロック 1.33GHz/1.83GHz、キャッシュ 2MB、SDP 2.2W)
メモリ2GB(DDR3L-RS-1333)
ストレージ32GB
OSWindows 8.1 with Bing(32bit)、
InstantGo対応
グラフィックスプロセッサ内蔵Intel HD Graphics、
Micro HDMI
ディスプレイ8型光沢WXGA(1,280×800ドット)液晶、10点タッチ対応
ネットワークIEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS
インターフェイスMicro USB 2.0、microSDカードスロット、
音声入出力、前面200万画素/背面500万画素カメラ
センサー3軸加速度センサー/照度センサー
その他Kingsoft Office 2013マルチライセンス対応/フォント同梱版搭載
サイズ/重量125.5×215.3×9.2mm(幅×奥行き×高さ)/約410g
バッテリ/駆動時間リチウムイオンポリマーバッテリ(3.7V、4,000mAh)、
約4.4/10.9時間(JEITA測定法2.0/1.0)
直販価格25,000円(税別)

 SoCはAtom Z3735F。4コア4スレッドで、クロックは1.33GHzから最大1.83GHz。キャッシュは2MBでSDPは2.2Wだ。メモリは2GBのDDR3L-RS-1333。ストレージはSSDで32GBを搭載している。このSoCはスペック的に2GBを超えるメモリは増設できないと言う機能制限がある替りに単価が安く、最近非常に良く使われている。OSは32bit版のWindows 8.1 with Bing。最大メモリ2GBなので、32bit版で十分だ。

 グラフィックスはSoC内蔵Intel HD Graphics。外部出力としてMicro HDMIも備えている。ディスプレイは10点タッチ対応、8型光沢WXGA(1,280×800ドット)液晶を搭載する。IPS式ではないものの、製品サイトには視野角上下各85度/左右各85度と明記されている。IPS式より約10度程度狭いものの、実用上は問題無さそうだ。

 インターフェイスは、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS、Micro USB 2.0、microSDカードスロット、音声入出力、前面200万画素/背面500万画素カメラ。センサーとして、3軸加速度センサー/照度センサーを搭載する。

 サイズは125.5×215.3×9.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量約410g。3.7V/4,000mAhのリチウムイオンポリマーバッテリを内蔵し、バッテリ駆動時間は、JEITA測定法2.0で約4.4時間、JEITA測定法1.0で約10.9時間。

 Kingsoft Office 2013マルチライセンス対応/フォント同梱版搭載をプリインストールし、直販価格は25,000円(税別)となる。

 少し前にご紹介したドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」との違いは、ストレージ32GB、背面カメラ500万画素、GPS無し、重量約100g増、Kingsoft Office 2013搭載、価格約5千円アップ……といったところだろうか。SoCが同じなので性能差は無いと思われる。これらの違いによる価格差が、安いか、妥当か、高いかは、ユーザーの重要視するポイントにもよると思われる。

 と、書いてる矢先にドスパラからも32GB版が発表された。「Diginnos DG-D08IWB 32GB」で価格は24,980円とほぼ同じ。どちらにするか悩むユーザーが増えそうだ(笑)。

前面中央上に200万画素Webカメラ。写真からは分からないがその右側に照度センサーとバッテリLEDがある。中央下にWindowsボタン
左/下。左サイドはカバーの下にmicroSDカードスロット。下側面には内蔵モノラルマイク。特徴的なフチになっているのが分かる
右/上。右サイドに電源ボタンと音量±ボタン。上側面にMicro USB 2.0(電源入力兼)、ヘッドフォン出力/モノラルマイク入力、Micro HDMI出力
背面左上に500万画素Webカメラ。右下にモノラルスピーカー
ACアダプタなど。USBタイプのACアダプタ。サイズ約55×40×23mm(プラグ部含まず)、重量58g、5V/2A出力。USBケーブルとUSB→Micro USB OTGケーブルも付属
重量は実測で約407g。カバーの下にmicroSDカードスロットがあるのが分かる

【お詫びと訂正】初出時、HDMIケーブルが付属すると記載しておりましたが、正しくは付属しません。付属するのはUSB→Micro USB OTGケーブルとなります。お詫びして訂正いたします。

 筐体はオクタゴン(八角形)デザイン採用と謳うだけあって、このクラスの普通のタブレットよりフチの角張った雰囲気が印象的だ。確かに手でガッチリホールドできる。ただ「Diginnos Tablet DG-D08IW」より約100g重い分、少しズッシリ感じる。

 前面は、中央上に200万画素Webカメラ。その右側に照度センサーとバッテリLEDがある。中央下にWindowsボタン。背面は金属ではなく、樹脂シルバー塗装仕上げだが高級感がある。左上に500万画素のWebカメラ、右下にモノラルスピーカーを配置。

 上サイドにはMicro USB 2.0、ヘッドフォン出力/モノラルマイク入力、Micro HDMI出力と、ケーブル接続するものはここに集中している。またUSBは充電兼だ。下サイドはモノラルマイク。右サイドに電源ボタンと音量±ボタン。左サイドはカバーの下にmicroSDカードスロットがある。特筆すべき点は無いものの、全体的にスッキリまとまった印象だ。

 付属のACアダプタはUSBタイプで、サイズ約55×40×23mm(プラグ部含まず)、重量58gと小型。出力は5V/2Aだが、PCなどの普通のUSBポートからも充電できる。

 8型光沢WXGA(1,280×800ドット)液晶ディスプレイは、先に書いたようにIPS式ではないものの、視野角はそれなりに確保されており、明るさ、コントラスト、発色も十分。パネルのクオリティは高い。もちろんタッチも問題無く反応する。

 少し前まで、安価なWindowsマシンが搭載する液晶パネルのクオリティが低くずっと気になっていたが、そろそろこの件も解決しそうだ。ただ同クラスのAndroid機は既にIPS式が主流なので、もう一頑張りして欲しいところか。

 前面200万画素、背面500万画素のWebカメラは、少し試したところ、背面はまあまあの画質だった。とは言え機能や速度的にも今どきのスマートフォンには勝てないので、おまけ程度と考えるべきだろう。

 スピーカーはモノラルで裏にあることもあり、音楽を聴くにしても、動画を観るにしても欲求不満になる。パワーも不足気味だ。音質はほどほどのバランスであるだけに、少し残念な部分だ。

 部分的に辛口になってしまったが、この価格帯の8型Windowsタブレットとしては、良い方で、安かろう悪かろう的な要素は無く、トータル的には満足できる内容に仕上がっている。

若干ストレージが速いものの、Atom Z3735Fタブレットとしては平均的な性能

 OSは32bit版Windows 8.1 with Bing。powercfg /aで調べたところInstantGo対応だ。縦位置で2面あるスタート画面は標準のまま。プリインストールアプリのタイルは無い。デスクトップは、壁紙が変更され、左側に若干のショートカットを配置している。

 SSDは容量32GBの「Toshiba 032GE4」を搭載。C:ドライブのみの1パーティションで約24.5GBが割り当てられ、空きは20.7GB。BitLockerで暗号化しておらず素のNTFSになっている。

 Kingsoft Office分、若干容量が減っている感じだ。とは言え、ストレージが16GBの場合、空きは約6.5GB程度だったのでこの差は大きい。

 Wi-FiはBroadcom製。その他のデバイスも含め、このクラスとしては標準的な内容となっている。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。Windows 8.1標準でプリインストールのタイルは無い
起動時のデスクトップの壁紙は変更され、左側にはPDF系、Kingsoft Office、サイトへのショートカットなどが並んでいる
デバイスマネージャ/主要なデバイス。SSDは「Toshiba 032GE4」、Wi-FiはBroadcom。照度センサーなどセンサーもある
SSDはC:ドライブのみの1パーティションで約24.5GBが割り当てられている

 プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリは特になし。デスクトップアプリは、「i-フィルター6.0」、「Kingsoft Office」。「ONKYO問合せ窓口一覧」は該当サイトへのショートカットだ。初期起動時の空きが約20GBなので、それを考慮し、最小限の構成にしているようだ。

アプリ画面1
アプリ画面2

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2、BBenchの結果を見たい。CrystalMarkのスコアも掲載した(4コア4スレッドで条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 4.1。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4.1、プライマリハードディスク 7.05。PCMark 8 バージョン2は1146、CrystalMarkは、ALU 18916、FPU 17188、MEM 19192、HDD 19770、GDI 4138、D2D 3035、OGL 2621。参考までにGoogle Octane(デスクトップ版IE)は3409。

 ドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」とSoCが同じなので、スコアもほぼ同等だ。ただSSDの違いから若干本機の方がスコアが高い。

 BBenchはバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残3%で35,750秒/9.9時間。いつもの5%で9.7時間。このクラスでこれだけ持てば十分だろう。

winsat formalコマンドの実行結果は総合 4.1。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4.1、プライマリハードディスク 7.05
PCMark 8 バージョン2の結果は1146
BBench。バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残3%で35,750秒/9.9時間
CrystalMarkはALU 18916、FPU 17188、MEM 19192、HDD 19770、GDI 4138、D2D 3035、OGL 2621

 以上のようにオンキヨーデジタルソリューションズ「TW08A-55Z8」は、SoC Intel Atom Z3735Fを搭載し、メモリ2GB、ストレージ32GBの8型Windowsタブレットだ。パネルはIPS式ではないものの、クオリティも十分。microSDカードやMicro HDMI出力も装備し、機能面で特に不満は無く、オクタゴンデザインも個性的だ。

 モノラルスピーカーが残念ではあるものの、8型Windowsタブレットで実用的な2GB/32GBを求めているユーザーにお勧めしたい1台と言えよう。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/