西川和久の不定期コラム
LTE/通話に対応した11型Androidタブレット!「Teclast T50」
2022年10月21日 06:18
今回ご紹介するのは、TeclastというメーカーのLTE対応タブレット「T50」。編集部から実機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。通常価格は3万8,900円だが、24日現在、Amazonでは特価により2万8,720円で購入できる。
11型Unisoc T618/8GB/128GBでLTE対応
Teclastは何を扱っているのかと検索すると、Amazonのページがトップに出る。見ると日本語ページになっており、Androidタブレット、WindowsノートPC/2-in-1、そして周辺機やアクセサリなどを扱っているメーカーのようだ。
またラインナップを眺めるとハイエンドではなく、ローエンド的なものが多く、その分、価格も結構安め。ざっくり見た範囲だと、最高でも4万円程度。主力製品と思われるものはもっと安い。ちょっと遊んでみるか的な価格帯であり、衝動買いしそうな危ないレンジでもある(笑)。
今回届いたのは11型Androidタブレットの「T50」。主な仕様は下記の通りだがLTE/通話対応モデルとなる。
Teclast「T50」の仕様 | |
---|---|
SoC | Unisoc T618(x2 Cortex-A75 + 6x Cortex-A55/8コア)、Mali-G52/850Mhzを内包 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
OS | Android 11 |
ディスプレイ | 11型IPS式(2,000×1,200ドット)。最大輝度350cd/平方m |
ネットワーク | Wi-Fi/802.11ac、Bluetooth 5.0、TD-LTEおよびFDD-LTE 4G(Nano SIM×2) |
対応バンド | GSM:B2,B3,B5,B8 WCDMA: B1,B2,B5,B8 LTE:B1,B3,B5,B7,B8,B20,B34,B38,B39,B40,B41 |
インターフェイス | USBType-C、microSDカードスロット(最大1TB)、スピーカー×4、マイクロフォン×2 |
センサー | 光センサー、接近センサー GPS BDS、GPS、GLONASS、GALILEO、A-GPS |
カメラ | 前面:800万画素/背面:2,000万画素(4-in-1 Pixel modeで実質500万画素/AF) |
バッテリ | 7,500mAh/18W USB-PD急速充電対応 |
サイズ/重量 | 約237.5×142.5×7.5mm(幅×奥行き×高さ)/約510g |
付属品 | USB Type-Cケーブル、ACアダプタ(20W) |
価格 | 3万9,900円 |
SoCはUnisoc T618。あまり見かけないものだが、Cortex-A75×2+Cortex-A55×6の8コアで、Mali-G52/850MHzを内包している。詳細は後半のベンチマークテストをご覧頂きたいが、Snapdragon 730Gと比較して少し遅く、現時点ではミドルレンジよりローエンドに近い感じだ。従ってパフォーマンスはあまり期待しないほうが良い。
メモリ8GBと多め、ストレージ128GB。OSはAndroid 11。ここも今なら12として欲しいところか。
ネットワークは、Wi-Fi/802.11ac、Bluetooth 5.0、そしてTD-LTEおよびFDD-LTE 4Gに対応している。Nano SIMは2スロット(ただし1つはmicroSDカードと排他)。バンドは表をご覧頂きたいが、中国仕様をそのまま持ち込んだ感じでかなり微妙だ。とは言えLTE対応のタブレットとなると一気に機種が減る上、通話対応となるとないに等しく、本機の最大の特徴とも言えるだろう。
インターフフェイスは、USB Type-C、microSDカードスロット(最大1TB)、スピーカー×4、マイク×2。センサーは光センサー、接近センサー。GPSはBDS、GPS、GLONASS、GALILEO、A-GPSを内蔵。カメラは前面:800万画素、背面:2,000万画素/AF。4つを1ピクセルとして扱い実質500万画素となる。
サイズは約237.5×142.5×7.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量約510g。18W USB-PD急速充電対応の7,500mAhバッテリを内蔵し、価格は3万9,900円。LTE対応タブレットとしては安価ではないだろうか。
筐体はCNC機械加工のアルミニウムユニボディでなかなかカッコいい。ただフチは写真からも分かるようにそれなりにある。パネルが2,000×1,200ドットなので16:9よりは縦が長いが、16:10より短いため、長細く感じるのは仕方ないところ。重量は実測で540g。サイズ比較用に写真を掲載した11.5型のLenovo Tab P11 Proが487gなので、特に軽いわけでもない。
前面はパネル中央上に前面カメラ。背面は右上に背面カメラ。下側面にスピーカー×2。左側面に電源ボタン、音量±ボタン、Type-C。上側面にSIM/microSDカードスロットとスピーカー×2を配置。付属品はACアダプタ(20W)、Type-C/Type-Cケーブル、イジェクトピン。
11型のパネルは、写真からも分かるように、明るさ(最大輝度350cd/平方m)や発色、視野角などは(価格を考慮すると)問題なく、T-Color 2.0 カラー最適化アルゴリズムにより、より鮮やかでリアルな色……と謳っているだけ色もそこそこ良い。ただデフォルトだとコントラストが浅めなので、設定→ディスプレイ→ContrastをオートからIncreasedもしくはStandardに変更した方が良い。なお、USB Type-Cは試したところ映像出力には未対応だった。
発熱は試用した範囲では少し暖かくなる程度。持ち上げて操作していても気にならない範囲だ。
サウンドは4スピーカーだが横位置のみステレオになる。パワーはあるが、音質は低音があまり出ないシャリシャリした感じだ。後一歩、頑張って欲しいところか。Type-C/3.5mmアダプタとソニー「MDR-EX800ST」での視聴は、バランスが良くなり悪くないものの、抜けがいま一歩。価格なりと言ったところだろう。
カメラは背面側はAFで4つのピクセルを1つに扱う方式(iPhone 14 Proと同じ)だが、ローエンドも含め今どきのスマホと比較するとかなり劣る。安価なタブレットの時、毎回思うのだが、前面はともかくとして、背面に関しては(どの道画質的に使えないので)無理に付けずに、その分、コストダウンするか、前面をもっとリッチにするか、内部にコストをかけるかなど、ちょっと考えた方がいいのではないだろうか。
前面は逆にそこそこ映る。普通にビデオ会議系なら十分使えそうだ。ただしカメラアプリが英語表記と日本語表記が入り混じっており、改善して欲しいところ。
LTEに関してはこの後をご覧頂きたいが、トータル的には価格なりのLTEと言った感じか。LTEがあるのでこの値段になるのだろう。
LTEで通話にも対応!
初期起動時、ホーム画面は1画面。Dockに電話、メッセージ、カレンダー、Chromeを配置。ここで「ん?」と思うのは電話アプリ。手持ちでテストに使えるSIMは、OCNモバイルONEの4G/データ/SMSのみなので、編集部に確認したところ、通話にも対応しているとのこと。用途があるかは分からないが、大きなスマホ(スピーカーフォン?)としても使用可能だ。タブレットで通話可能なモデルはほとんどなく、これが本機の最大の特徴と言えるかもしれない。
標準では“3ボタンナビゲーション”になっているが、設定→システム→ジェスチャーで”ジェスチャーナビゲーション”へ変更できる。なお認証はパターン/PIN/パスワードに加え顔認証となる。ストレージは128GB中11.32GBが使用中だ(若干の画面キャプチャを含む)。
インストール済みのアプリは、「アシスタント」、「カメラ」、「カレンダー」、「ドライブ」、「フォト」、「マップ」、「メッセージ」、「ワイヤレスアップデート」、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「電卓」、「電話」、「連絡帳」、「Chrome」、「Duo、「Files」、「FMラジオ」、「Gmail」、「Google」、「Googleムービー&TV」、「Note」、「Playストア」、「YouTube」、「YT Music」。
ほぼ素のAndroidそのままと言った感じだ。FMラジオに関しては、3.5mmジャックが本体になく、Type-C/3.5mmアダプタでイヤホンを接続したところ、アンテナとしては認識したものの、残念ながら日本の周波数には未対応だった。
ある意味面白いのが「ワイヤレスアップデート」。確認すると“お使いの携帯はすでに最新のバージョンです”と表示される。つまり扱い的にはスマホとなっているようだ。
SIMの設定は、奥がSIM1、手前(microSDカードと排他)がSIM2。再起動なしで設定可能だ。モバイルネットワークの項目を見るとVoLTEもあり、通話に対応しているのが分かる。APNに関しては3つほどデフォルトで入っているものの、ない場合は手動での登録となる。
価格なりのパフォーマンス
ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 5とGoogle Octane 2.0の結果を掲載した。GeekBench 5はSingle-core 382、Multi-core 1,332、Vulkanは1,077。Google Octane 14,094。
参考までにSnapdragon 730G搭載Lenovo Tab P11 Proは、Single-core 545、Multi-core 1,799、Vulkan 1,077。Google Octane 17,946と、CPUに関しては少し本機の方が遅い。逆にGPUに関しては(見間違いかと思ったが)全く同じと、GPUに関しては少し強めにチューンと言ったところか。
バッテリ駆動時間は、明るさ、音量共に50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ11時間手前でバッテリが切れた。明るさ音量共に十分だったので、これだけ持てば問題ないだろう。
以上のようにTeclast「T50」は、11型2,000×1,200ドットのパネル、Unisoc T618/8GB/128GBでAndroid 11を搭載したタブレットだ。最大の特徴は(対応バンドが微妙だが)通話もできるLTEに対応していることだろうか。
価格は3万9,900円とパフォーマンスだけ考えると価格帯は1クラス下が相応な気もするが、+LTEなら妥当なところか。性能はそこそこでもいいので、LTEに対応した安価なAndroidタブレットを探しているユーザーに使って欲しい1台だ。