西川和久の不定期コラム

第10世代Core i5搭載で重量約859gからのモバイルノート「dynabook G6」

 Dynabook株式会社は1月15日、13.3型モバイルノート3モデルと、15.6型ノート6モデルを発表した。今回編集部から前者の「Dynabook G6」が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。

13.3型第10世代Core i5搭載で何と859g!

 発表された13.3型は、「G8」、「G6」、「G5」の3モデル。違いはプロセッサ、メモリ、ストレージで、順にCore i7-10710U/8GB/NVMe SSD 512GB、Core i5-10210U/8GB/SATA SSD 256GB、Core i3-10110U/4GB/SATA SSD 256GBとなっている。

 本機最大の特徴である重量は、G8とG6が約859~879gとなっている(構成によって異なる)。これでもかなり軽いのだが、G5は約779gと800g切り。このクラスのノートPCとしては驚きの値だ。

 余談になるが、筆者が持ち歩き用に使っている「MacBook(2017)」が920g。(少し古いものの)Surface 3+Type Coverで887g。この2機種よりも軽い上にComet Lake搭載なのだから、「エッ!?」という感じだ。プロセッサパワー/重量比で見ても、Core i5-7Y54、Atom x7-Z8700とは比べるまでもない。

 今回ご紹介するのは中位モデルに相当するG6。おもな仕様は以下のとおり。

Dynabook「dynabook G6」の仕様
プロセッサCore i5-10210U(4コア8スレッド/1.6GHz~4.2GHz/キャッシュ 6MB/TDP 15W)
メモリ8GB×1、PC4-21300(DDR4-2666)、1slot(交換・増設不可)
ストレージ256GB SATA SSD
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)、IGZO液晶ディスプレイ、非光沢
グラフィックスIntel UHD Graphics
ネットワークGigabit Ethernet、IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0×2、USB Type-C(PD対応、DisplayPort Alternate Mode対応)、HDMI、約92万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力、オンキヨー製ステレオスピーカー、デュアルマイク
バッテリ駆動時間約19時間(リチウムポリマー)
カラーバリエーションオニキスブルー、パールホワイト
そのほかMicrosoft Office Home & Business 2019
サイズ/重量約308.8×211.6×17.9mm(幅×奥行き×高さ)/約859g
直販価格161,000円(税別/送料無料) ※Officeなしは142,000円(税別/送料無料)

 プロセッサは第10世代Comet LakeのCore i5-10210U。4コア8スレッドでクロックは1.6GHzから最大4.2GHz。キャッシュは6MB、TDPは15W。メモリはPC4-21300(DDR4-2666)の8GB×1(増設不可)。したがってシングルチャンネル動作となる。ストレージはSATA接続のSSD 256GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics。外部出力用としてHDMIと、Type-CがDisplayport Alternate Modeに対応。ディスプレイはIGZO液晶ディスプレイで、13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢だ。タッチ操作には非対応。

 ネットワーク機能は、有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)。加えてBluetooth 5.0。Wi-Fi 6は今年(2020年)購入するなら外せない規格だろう。

 そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB Type-C(PD/Displayport Alternate Mode対応)、HDMI、約92万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力、オンキヨー製ステレオスピーカー、デュアルマイク。Windows Hello対応赤外線顔認証センサーも搭載している。付属のACアダプタは“お急ぎ30分チャージ”に対応した専用だが、Type-CがPDに対応しているので、こちらからでも充電できる。

 サイズは約308.8×211.6×17.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約859g。カラーバリエーションはオニキスブルーとパールホワイトの2色。リチウムポリマーバッテリを内蔵し、駆動時間は最大19時間。またMicrosoft Office Home & Business 2019をプリインストールしているモデルもある。

 直販価格は、Officeありが161,000円(税別/送料無料) 、Officeなしが142,000円(同)。国内大手メーカー製ということもあり内容相当と言ったところか。

前面。パネル中央上にWebカメラとWindows Hello対応赤外線顔認証センサー
斜め後ろから。バッテリは内蔵式で着脱できない。トップカバー左下にdynabookのロゴ
左側面は電源入力、ステータスLED、Type-C、HDMI、音声入出力、microSDカードスロット
右側面はロックポート、Ethernet、USB 3.0×2、ステータスLED。パネルの傾きはこれが最大
キーボードはアイソレーションタイプの87キー(JIS配列準拠)。タッチパッドは1枚プレート型
キーピッチは実測で約19mm。仕様上は、キーピッチ:19mm、キーストローク:1.5mm、キートップ中央に0.2mmのへこみ
底面。手前左右のメッシュにスピーカー。四隅近くにゴム足
横から。各コネクタの高さから結構薄いのがわかる。キーボードが若干傾いている
付属のACアダプタ。サイズは約85×35×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量158g、出力19V/2.37A
重量は実測で829g

 今回手元に届いたのはオニキスブルー。写真からもわかるように黒っぽいブルーだ。一見、質感的にはさほど頑丈そうではないものの、同社は「26方向からの76cm落下テストにも耐える強堅ボディ」、「MIL規格に準拠した耐久テストをクリア」と謳っており、これは取り越し苦労のようだ。

 13.3型で約308.8×211.6×17.9mm(幅×奥行き×高さ)もコンパクトだが、それよりとにかく持ち上げた時の軽さには驚く。実測で829g。いつも気楽に持ち歩け、Core i5のパワーが欲しいユーザーには「待ってました!」となる1台だろう。

 前面はパネル中央上にWebカメラとWindows Hello対応赤外線顔認証センサー。それなりに狭額縁だ。左側面に電源入力、ステータスLED、Type-C、HDMI、音声入出力、microSDカードスロット。右側面にロックポート、Ethernet、USB 3.0×2、ステータスLEDを配置。裏は、手前左右のメッシュにスピーカー。四隅近くにゴム足がある。

 付属のACアダプタはサイズ約85×35×25mm(同)、重量158g、出力19V/2.37A。本体と一緒に持ち歩いても1kgを切る。また先に書いたように、Type-CがPD対応なので、要所要所にPDアダプタがあれば持ち歩く必要もない。

 13.3型のIGZO液晶ディスプレイはとにかく明るい。輝度50%でも眩しい程だ。もちろんコントラスト、発色、視野角も良好。とくに壁紙になっている赤が綺麗だ。非光沢なので目にも優しい。パネルの傾きは写真が最大。

 キーボードはアイソレーションタイプの87キー(JIS配列準拠)。仕様によるとキーピッチ19mm、キーストローク1.5mm。加えてキートップ中央に0.2mmのへこみがある。横からの写真でわかるように若干キーボードが傾いている。おもなキーは問題ないが、[ESC]からファンクションキー、そして[Ins][Del]キーの並びが小さく個人的には操作しにくかった。またこのクラスならキーボードバックライトが欲しかったところか。打鍵感はカタカタというよりペコペコした感じでクリック感がある。

 タッチパッドはボタンのない1枚プレート型だ。パームレストもある程度確保されストレスなく操作できる。

 ノイズや振動は試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとキーボードの上側のスペースが熱を持つ。ただし、パームレストなど下には熱が降りて来ないため、使用中に熱いと思うことはないだろう。

 サウンドはオンキヨー製ステレオスピーカーが裏にあり、机などに音が反射して前に出るタイプだ。パワーはあるが、とにかくカマボコレンジでシャリシャリ鳴る。ビジネス用途であれば問題ないが、趣味用途の場合はもう少しがんばってほしいところか。

Core i5/8GB/SSD 256GBで快適な動作に加え、バッテリ駆動9時間半

 初回起動のスタート画面(タブレットモード)は1画面。Dynabookグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更と、「ウイルスバスタークラウドの購入と表示」のショートカットを追加している。

 Comet Lakeだからと、以前のCore i5より体感でわかるほど速いわけではないが、4コア8スレッド、メモリ8GB、ストレージSSDの構成なので、一般的なアプリケーションであればスムーズに動作し、ストレスを感じることはない。

 ストレージはSSD 256GBの「B256GSBP11」。見慣れない型番なので調べたところ、Foxconn Technology Group製だった。C:ドライブのみの1パーティションで約225.6GBが割り当てられている。空きは179GB。Gigabit Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth……すべてIntel製だ。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。Dynabookグループがプリインストール
起動時のデスクトップは壁紙の変更と、「ウイルスバスタークラウドの購入と表示」のショートカットを追加
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはSSD 256GBの「B256GSBP11」。Gigabit Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth……すべてIntel製
ストレージのパーティションはC:ドライブのみの1パーティションで約225.6GBが割り当てられている

 おもなプリインストールのソフトウェアは、「CyberLink ColorDirector 5 for dynabook」、「CyberLink PhotoDirector 8 for dynabook」、「CyberLink Screen Recorder for dynabook」、「DTS Audio Processing」、「dynabook お客様登録」、「dynabook 画面設定ユーティリティ」、「dynabook サービスステーション」、「dynabook スマートフォンリンク」、「dynabook セッティング」、「dynabook リカバリーメディアクリエーター」、「i-フィルター 6.0」、「LoiLoScope 2」、「PC引越ナビ」、「sMedio TrueLink + Phone」、「TruRecorder」、「TVコネクトスイート」、「アプリケーションの再インストール」、「ウイルスバスタークラウド」、「おたすけナビ」、「思い出フォトビューア」、「思い出フォトビューア クッキングプラス」、「パソコンで見るマニュアル」、「バックアップナビ クラウド」、「ぱらちゃん」、「ぱらちゃん カフェ」、「筆ぐるめ 27」、「ポコ★タイピング」、そして「Microsoft Office Home & Business 2019」……と山盛りだ。内容からもわかるように、初心者向けのアプリがかなりの割合を占める。

 このなかで少しおもしろいのはdynabook スマートフォンリンクだろうか。この機能、名前的にスマートフォン専用だと思われそうだが、じつは、Bluetooth接続で本体側のキーボード/タッチパッド/スピーカー/マイクを別のデバイスから使えるという機能だ。したがってAndroidでもiOS/iPadOSでも(何ならほかのPCからでも)利用可能だ。

dynabook お客様登録
dynabook 画面設定ユーティリティ
dynabook サービスステーション
dynabook スマートフォンリンク
dynabook セッティング>ホーム
dynabook セッティング>ecoユーティリティ
dynabook セッティング>USB給電
dynabook セッティング>キーボード

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。結果は以下のとおり。第10世代Comet Lakeのデータはまだほとんど手元にないが、第9世代以前と比較してもあまり変わらない感じだ。

PCMark 10 v2.1.2177
PCMark 10 Score3,172
Essentials6,248
App Start-up Score6,222
Video Conferencing Score7,001
Web Browsing Score5,600
Productivity4,930
Spreadsheets Score5,898
Writing Score4,121
Digital Content Creation2,814
Photo Editing Score3,703
Rendering and Visualization Score1,744
Video Editting Score3,452
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,150
Creative Accelarated 3.03,330
Work Accelarated 2.04,502
Storage3,498
3DMark v2.11.6866
Time Spy412
Fire Strike Ultra264
Fire Strike Extreme478
Fire Strike1,001
Sky Diver4,187
Cloud Gate7,528
Ice Storm Extreme38,811
Ice Storm55,625
CINEBENCH R20
CPU1019 pts(11位)
CPU(Single Core)356 pts(6位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード514.938 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト460.195 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード323.865 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト331.040 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード204.474 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト250.674 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード25.096 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト71.347 MB/s
PCMark 10/BATTERY/Modern Office
9時間37分(明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)

 バッテリ駆動時間は明るさ、バッテリモードなどはシステム標準で9時間37分。仕様よりかなり短いものの、PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは、以前使ってたBBenchより、より実際の運用に使いアプリケーションを連続して動かしつつの測定だ。この状態を人間が操作して9時間半も続けられるはずもなく、実際はもっと伸びると思われる。

 加えてパネルの輝度も標準設定では十分以上に明るく、場合によっては暗くしてバッテリ消費を抑えることができるだろう。

 以上のようにDynabook「dynabook G6」は、Comet LakeのCore i5、メモリ8GB、SSD 256GB、そしてフルHDのIGZO液晶ディスプレイを搭載した13.3型モバイルノートだ。地味ではあるが、PDとWi-Fi6に対応しているのもポイントが高い。

 そしてなんと言っても最大の特徴は実測で829gと1kgを大幅に下回る重量と、バッテリ駆動時間がヘビーなPCMark 10/BATTERY/Modern Officeでも9時間半。モバイル環境において頼りになる1台と言える。

 仕様上とくに気になる部分もなく、とにかく軽くてストレスなく使える13.3型を探しているユーザーにおすすめしたい逸品だ。