西川和久の不定期コラム

SSD/HDD/DVDドライブを備えた約9万円の15.6型Comet Lake搭載ノート

STYLE-15FH050-i5-UCEVI

 ユニットコムは、15.6型でComet Lake搭載のスタンダードノートPCを数モデル出しており、今回はそのなかからCore i5-10210Uを搭載する「STYLE-15FH050-i5-UCEVI」を紹介したい。

Comet Lake搭載のスタンダードノートPC

 昨今ノートPCは薄型軽量狭額縁が主流だ。DVDスーパーマルチなど光学ドライブも非搭載機が大半となった。光学メディアは使わなくなったので重量を考えると不要との判断だと思われる。とは言え、できれば「少し重くなっても光学ドライブが欲しい」というニーズもまだまだあるだろう。

 おもな仕様は以下のとおり。

【表1】「STYLE-15FH050-i5-UCEVI」の仕様
プロセッサCore i5-10210U(4コア8スレッド/1.6GHz~4.2GHz/キャッシュ 6MB/TDP 15W)
メモリDDR4-2666 SO-DIMM 4GB×2
ストレージNVMe M.2 SSD 500GB、1TB HDD
光学ドライブDVDスーパーマルチ
OSWindows 10 Home
ディスプレイ15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢
グラフィックスIntel UHD Graphics
ネットワーク機能Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0、USB Type-C、USB 2.0×2、HDMI、ミニD-Sub15ピン、100万画素Webカメラ、SDカードリーダ、音声入出力
バッテリ駆動時間約5.1時間
サイズ約361×256×32mm(幅×奥行き×高さ)
重量約2.06kg
税別直販価格81,980円

 プロセッサはCore i5-10210U。SKUからわかるように第10世代Comet Lakeだ。4コア8スレッドでクロックは1.6GHzから最大4.2GHz。キャッシュは6MB、TDPは15W。メモリはDDR4-2666 S.O.DIMM 4GB×2の計8GB。少し前に掲載したdynabook G6と同じプロセッサだが、こちらはメモリがデュアルチャネルとなっている。

 ストレージはNVMe M.2 SSD 500GBと1TB HDD。加えて光学ドライブとしてDVDスーパーマルチを搭載している。OSは64bit版のWindows 10 Home。カスタマイズでOSなしも選択できる。余談になるが筆者は最近CloudReady(ChromeOS)をPCに入れて使っている。以前ならChromeブラウザが動くだけだったので、用途は限定的だったものの、最近ではLinux(Debian)も動くようになり(DockerやVSCodeも含む)、Web系の開発ならWindowsより便利だったりする。こういった用途にOSなしが選べるのは、余計なコストがかからずありがたい。

 ディスプレイは非光沢の15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)。グラフィックス機能はプロセッサ内蔵UHD Graphics。外部出力用にHDMIとミニD-Sub15ピンを備えている。

 ネットワーク機能は有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11ax(Wi-Fi6)対応。Bluetooth 5.0も搭載している。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0、USB Type-C、USB 2.0×2、100万画素Webカメラ、SDカードリーダ、音声入出力。Type-Cは、手持ちの機材で調べたところ、Displayport Alternate Modeにには非対応だった。

【お詫びと訂正】初出時に、USB Type-CがPower Deliveryに非対応としておりましたが、40W以上のUSB PD充電器で充電可能となっております。お詫びして訂正させていただきます。

 サイズは約361×256×32mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.06kg。着脱式の2,100mAバッテリを搭載し、駆動時間約5.1時間。今どきとしては短い。この点は後半のベンチマークテストで検証している。税別直販価格は81,980円。内容を考えるとリーズナブルと言えよう。

パネル中央上にWebカメラ。上左右はある程度狭額縁。手前側面左寄りにステータスLED
パネル中央にロゴ。バッテリは着脱式
電源入力、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン、Type-C、HDMI、USB 3.0。パネルの傾きはこれが最大
ロックポート、DVDスーパーマルチ、USB 2.0×2、音声入出力
テンキーつきのアイソレーションタイプ。タッチパッドは2ボタン式
キーピッチは実測で約18mm
手前左右のスリットにスピーカー。左寄りへこみの部分がSDカードスロット
後ろ側のゴム足が少し高く、キーボードが傾いているのがわかる
ACアダプタのサイズは約90×35×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量152g、出力19V/2.1A。バッテリは14.4V/31Wh(2,100mA)
重量はバッテリなしで実測1,879g。バッテリは実測213g。計2,092g

 筐体はオールブラック。天板には少しラメっぽいのが入っている。質感は価格相応と言ったところ。重量は実測で2,092g。15.6型光学ドライブ+SSD+HDD内蔵タイプとしては一般的か。いずれにしてもこのタイプは持ち歩き用というより、デスクトップPCの代替え的な用途が多く、室内の移動のみなら問題ない。

 前面はパネル中央上にWebカメラ。上左右はある程度狭額縁だ。手前側面左寄りにステータスLED、その下にSDカードスロットがある。左側面に電源入力、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン、Type-C、HDMI、USB 3.0。右側面にロックポート、DVDスーパーマルチ、USB 2.0×2、音声入出力を配置。裏は手前左右のスリットにスピーカー。

 付属のACアダプタのサイズは約90×35×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量152g、出力19V/2.1A。バッテリは14.4V/31Wh(2,100mA)。

 15.6型のディスプレイは、非光沢で見やすいものの、10万円を大幅に越える他機種と比較すると、発色、コントラスト、明るさ、視野角……すべてにおいて今一歩。価格相応だろう。パネルの傾きは写真が最大だ。

 キーボードはテンキーつきのアイソレーションタイプ。15.6型のフットプリントにテンキーを配置した関係上、主キーのキーピッチは約18mmと少し狭い。しかしその分、取り立ててピッチが狭くなったり、並びがいびつな部分もなく、素直な感じだ。

 また、横からの写真でわかるように、後ろのゴム足が少し高く、キーボードが手前に傾いているため、フラットよりも入力しやすい。タッチパッドは2ボタン式だ。パームレストの面積も十分確保されている。

 振動やノイズは試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、キーボード左上の電源ボタン周辺が少し暖かくなる程度で、パームレスト周辺にはまったく影響がなく、うまく熱処理ができている。

 サウンドはスピーカーが裏にあるため机などに音が反射して前に出るタイプだ。カマボコレンジながらそこそこパワーがある。また左右の間隔がある程度離れているためステレオ感も良好だ。

 全体的にこれといった特徴はないものの、約8万円の価格内でうまくまとめられた1台だ。

4コア8スレッドのCore i5+SSDで快適だがバッテリ駆動時間は短い

 初回起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループなどはない。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプルだ。4C/8TのCore i5+SSDという構成なので一般的な処理なら快適に運用できる。

 SSDはNVMe M.2 SSD 512GBの「Intel SSDPEKNW512GB」。仕様によるとSequential Read 1,500MB/s、Sequential Write 1,000MB/s。後述するベンチマークテストでもほぼそのままの値が出ている。HDDは1TB/5,400rpm/128MBのSEAGATE「ST1000LM048」。

 SSDがC:ドライブ、HDDがD:ドライブに割り当てられ、容量はそれぞれ約475GBと931GB。C:ドライブは空き446GB。D:ドライブはすべてフリーだ。DVDスーパーマルチは「HL-DT-ST DVDRAM GUD0N」。Gigabit EthernetはRealtek製、Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループなどはない
起動時のデスクトップは壁紙のみの変更とシンプル
デバイスマネージャー/主要なデバイス。SSDはNVMe M.2 SSD 512GBの「Intel SSDPEKNW512GB」。HDDは1TB/5400rpm/128MBのSEAGATE「ST1000LM048」。DVDスーパーマルチは「HL-DT-ST DVDRAM GUD0N」。Gigabit EthernetはRealtek製、Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブ(SSD)は約475GB、D:ドライブ(HDD)は約931GBが割り当てられている

 おもなプリインストールのソフトウェアは、「AudioDirector」、「ColorDirector」、「Media Suite」、「PhotoDirector」、「Power2Go」、「PowerDirector」、「PowerDVD」などCyberLink製、「Norton Security」、そしてシステム系の「Control Center 3.0」、「Fan Speed Setting」。

 Control Center 3.0はご覧のように、システムのパワーモードとファンスピードのコントロールに対応している。パワーモードは、Quiet/Performance/Entertainment/Power Savingの4パターン。ファンスピードに関しては別プログラムのFan Speed Settingを呼び出している。

Control Center 3.0 / Home
Control Center 3.0 / Power Modes
Fan Speed Setting

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。結果は以下のとおり。

 バッテリ駆動時間は明るさ、バッテリモードなどはシステム標準で4時間35分。今時としてはかなり短い。ただし先に書いたように、おもにデスクトップPCの代替え的な本機の用途を考えるととくに問題ないと思われる。

【表2】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2177
PCMark 10 Score3,606
Essentials7,631
App Start-up Score10,057
Video Conferencing Score6,483
Web Browsing Score6,818
Productivity6,178
Spreadsheets Score7,119
Writing Score5,363
Digital Content Creation2,701
Photo Editing Score3,252
Rendering and Visualization Score1,760
Video Editting Score3,446
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,189
Creative Accelarated 3.03,149
Work Accelarated 2.04,708
Storage4,965
3DMark v2.11.6866
Time Spy448
Fire Strike Ultra302
Fire Strike Extreme562
Fire Strike1,143
Sky Diver4,359
Cloud Gate8,194
Ice Storm Extreme43,628
Ice Storm62,539
CINEBENCH R20
CPU1026 pts(11位)
CPU(Single Core)384 pts(3位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード1843.809 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト982.678 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード341.900 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト699.412 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード341.017 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト296.010 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード62.530 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト167.851 MB/s
PCMark 10/BATTERY/Modern Office
4時間35分(明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)

 以上のように「STYLE-15FH050-i5-UCEVI」は、15.6型フルHD液晶、Core i5-10210U、メモリ8GB、NVMe SSD 500GB+HDD 1TB、DVDスーパーマルチを搭載したスタンダードノートPCだ。内容のわりに価格が約8万円とリーズナブルなのはポイントが高い。

 バッテリ駆動時間が短めだが、ほかの部分は価格の範囲内でうまくまとまっており、取り立てて気になる部分もない。比較的安価でデスクトップPC代わりに使えるComet Lake搭載ノートPCを探しているユーザーにおすすめしたい1台だ。