西川和久の不定期コラム

4スピーカーが魅力のNEC PC製10.1型Androidタブレット

~LAVIE Tab E TE510/JAW

TE510/JAW

 NECパーソナルコンピューターは1月22日は、4GB/64GB、指紋センサー、4スピーカーなどを搭載したTE410/JAWの上位モデル、を発表した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

TE410/JAWからメモリ、ストレージなどパワーアップ

 「LAVIE Tab E(TE510/JAW)」は、昨年(2018年)の11月に発売された「TE410/JAW」から、パネルサイズやSoCはそのまま、主要なスペックを強化したの上位モデルとなる。

 強化部分は、メモリ、ストレージ、スピーカー、指紋センサー、前面/背面カメラ、バッテリ容量など多岐にわたる。これだけパワーアップして価格差は8,000円。加えてサイズと重量も若干削減されている。

 なお、TE410/JAWに関しては過去に「フォリオケース(カバー兼スタンド)」つきのものを紹介しているので、興味のある方はそちらをご覧いただきたい(3万円のAndroid搭載10.1型タブレット「LAVIE Tab E」)。

 おもな仕様は以下のとおり。

【表】NEC「LAVIE Tab E(TE510/JAW)」の仕様
SoCSnapdragon 450(8コア/1.8GHz)
メモリ4GB(LPDDR3)
ストレージ64GB
OSAndroid 8.1(Oreo)
ディスプレイ10.1型IPS式1,920×1,200ドット、10点タッチ対応
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2
インターフェイスUSB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、スピーカー×4(Dolby Atmos対応)、モノラルマイク、3.5mmステレオミニジャック
カメラ前面500万画素(固定フォーカス)、背面800万画素(オートフォーカス)
センサー指紋認証、GPS、加速度、照度
バッテリリチウムポリマー/7,000mAh、Web閲覧:約10時間、ビデオ再生:約10時間
サイズ(幅×奥行き×高さ)242×167×7mm
重量約440g
税別店頭予想価格37,800円前後

 SoCはSnapdragon 450。8コア1.8GHzで、ミドルレンジ以下のSKUだ。ここはTE410/JAWと同じ。ただしメモリはLPDDR3の4GB、ストレージは64GBを搭載。メモリに関しては倍増、ストレージは4倍。SoCが同じなのでパワー的には変わらないが、これらの強化によって、実際の動作には余裕が出ると思われる。OSはAndroid 8.1(Oreo)。

 ディスプレイは、光沢ありの10.1型IPS式1,920×1,200ドット。10点タッチに対応する。カメラは前面が500万画素で固定フォーカス、背面は800万画素でオートフォーカス。それぞれ200/500万画素からの向上となる。

 ネットワーク機能は、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2。SIMスロットはない。インターフェイスはUSB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、スピーカー×4(Dolby Atmos対応)、モノラルマイク、3.5mmステレオミニジャック。タブレットにおいて縦でも横でもステレオで聴ける4スピーカーは、個人的には重要だと思っている。

 センサーは、指紋認証、GPS、加速度センサー、照度センサー。指紋認証と照度センサーが追加された。

 サイズは242×167×7mm(幅×奥行き×高さ)、重量約440g。TE410/JAWが242×168×8.1mm(同)/重量約480gなので、気持ち小さく軽くなっている。7,000mAh(TE410/JAWは4,850mAh)のリチウムポリマーを内蔵し、Web閲覧時で約10時間、ビデオ再生時は約10時間。税別店頭予想価格は37,800円前後となる。

 オプションとしてカバー兼スタンド「フォリオケース」も用意されている。本体のサイズが若干異なるので、TE410/JAWとは別製品だが機能自体は同じだ。税別価格は4,980円。

パネル中央上に500万画素前面カメラ。中央下に指紋センサー。上下左右にホールがあり4スピーカーなのがわかる
右上に800万画素背面カメラ
左側面に音量±ボタンと電源ボタン。上側面はスピーカー
右側面に3.5mmステレオミニジャック、Type-C、microSDカードスロット。下側面はスピーカーと中央に接点がある
microSDカードスロットはイジェクトピンを使って取り出す
付属品はUSB式電源アダプタ、USB Type-Cケーブル、イジェクトピン、かんたん!セットアップシート、サポートガイド
「かんたん! セットアップシート」の一部。TE410/JAW同様、広げるとA3サイズになるシートが入っている
重量は実測で444g

 筐体は主要部分がホワイト、周囲がシルバーと、デザインはiPadのそれに近く、チープな感じは一切ない。iPadが240×169.5×7.5mm(同)/469gなので、242×167×7mm(同)/約440gの本製品は、ほぼほぼ同じフットプリントと重量だ。筆者はiPadを1台所有しており、持った感じもよく似ている。

 前面はパネル中央上に500万画素前面カメラ。中央下に指紋センサー。上下左右にホールがあり、4スピーカーなのがわかる。背面は右上に800万画素背面カメラ。左側面に音量±ボタンと電源ボタン。右側面に3.5mmステレオミニジャック、USB Type-C、microSDカードスロットを配置。microSDカードスロットはイジェクトピンを使うタイプなので、頻繁にメディアを出し入れする用途には向かないだろう。

 付属品は、USB式電源アダプタ、USB/Type-Cケーブル、イジェクトピン、かんたん!セットアップシート、サポートガイド。USB式電源アダプタのサイズは4×4×2.2cm、重量37g。出力は5V/2A。説明書としてビギナー向けの「かんたん! セットアップシート」が入っている。

 10.1型IPS式1,920×1,200ドットのディスプレイは、明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。とくに明るさは最大だと眩し過ぎるほどだ。もちろんタッチもスムーズに反応する。

 ノイズや振動は当然皆無。発熱はベンチマークテスト中など負荷をかけた状態でもほんのり暖かくなる程度だった。サウンドは横位置でも縦位置でもステレオになる4スピーカーで使い勝手が非常によく、またパワーもあり、本体だけで十分楽しめる。タブレットとしても音はいいほうだろう。

 前述したように、カメラの画素数は前機種から向上しているが、カメラアプリの構成は同じなので、機能としてはHDRのON/OFFとフラッシュのコントロール、フィルタ程度だ。

カメラアプリ(1/2)
カメラアプリ(2/2)
室内/自然光で撮影(2,448×3,264ピクセル、HDR オン、焦点距離2mm、f/2.2、ISO500、1/33秒。ホワイトバランスが違うものの、写りはTE410/JAWと似ている)

初期セットアップ

 初期セットアップは、Wi-Fiに接続後、新規としてセットアップ。Googleログイン/指紋によるロック解除/タブレットの保護/そのほかの設定項目はスキップして行なった。基本TE410/JAWと同じだが、指紋センサーを搭載しているので、その分項目が増えている。

ようこそ(言語の選択/標準:日本語)
Wi-Fiに接続
アプリとデータのコピー/新規としてセットアップ
Googleログイン(スキップ)
名前
指紋によるロック解除(スキップ)。TE410/JAWにはない
タブレットの保護(あとで行う)
Googleサービス

 指紋認証は、ロック解除の方法として、パターン、PIN、パスワードとの組み合わせで機能し、先にこれらのいずれかを設定する必要がある。

ロック解除方法の選択
起動時の保護
指紋認証にはPINが必要です
センサーにふれる
指紋登録中
指紋の登録完了

ベーシックな構成でわかりやすいホーム画面

 初回起動時のホーム画面は1画面。中央に大きくあるウィジェットは同社おなじみの「info.Board」。ショートカットは「YouTube」、「Playストア」、「Yahoo! Japan」、「フォト」を配置。

 サポートフォルダには「LAVIEアシスト」、「お客様登録」、「サービス一覧」。Googleフォルダには「Google」、「Chrome」、「Gmail」、「マップ」、「ドライブ」、「Play Music」、「Playムービー&TV」、「ハングアウト」、「カレンダー」、「Files Go」。Microsoftフォルダには「Word」、「Excel」、「PowerPoint」、「OneNote」、「Skype」、「Outlook」、「OneDrive」。

 ストレージは64GB中10.82GB使用している(若干の画面キャプチャを含む)。OSのバージョンはAndroid 8.1.0。上から下へのスワイプでクイックアクセス/通知エリア。また画面分割表示にも対応する。IMEはFSKAREN。

 なおTE410/JAWでは縦位置の画面キャプチャだったこともあり、今回は横位置での画面キャプチャとした。ただし一部縦位置になっているのは横位置非対応のアプリだ。

ホーム画面
クイックアクセス/通知エリア
設定/タブレット情報
設定/ストレージ
画面分割。「LAVIEアシスト」が未対応

 インストール済みのアプリは、「ウイルスバスター」、「お客様登録」、「カメラ」、「カレンダー」、「サービス一覧」、「ドライブ」、「パスワードマネージャー」、「ハングアウト」、「フォト」、「マップ」、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「電卓」、「連絡先」、「Chrome」、「Dolby Atmos」、「Excel」、「Files Go」、「FSKAREN」、「Gmail」、「Google」、「i-Filter」、「info.Board」、「LAVIEアシスト」、「OneDrive」、「OneNote」、「Outlook」、「Playストア」、「Play Music」、「Playムービー&TV」、「PowerPoint」、「Skype」、「U-NEXT」、「Word」、「Yahoo! Japan」、「YouTube」。

 Google、Office、同社のツールが中心となった構成で、少な過ぎず、多過ぎず、ちょうどいい内容となっている。後はPlayストアから日頃使っているアプリをダウンロードすれば環境ができ上がる。

 一点、これは本機が問題ではないものの、2020年中に終了すると発表があった「ハングアウト」がインストールされていることもあり、「SMSのサポートは終了しました。SMSメッセージを表示したり送信したりするには、Android Messengerをダウンロードしてください」という通知が表示される。

アプリ(最後に見えていないがYouTubeがある)
LAVIEアシスト(横位置には未対応)
サービス一覧(サイトへのショートカット)
お客様登録(サイトへのショートカット)

 ウィジェットは、「カレンダー」×2、「ドライブ」×3、「マップ」×5、「時計」×2、「設定」、「連絡先」、「Chrome」×2、「Gmail」×2、「Google」×4、「Play Music」×3、「info.Board」、「OneDrive×2」、「OneNote×5」、「Outlook」×2。ホーム画面に大きく陣取ってるinfo.Board以外は一般的なものだ。

壁紙/ウィジェット。壁紙長押しで表示
ウィジェット(1/7)
ウィジェット(2/7)
ウィジェット(3/7)
ウィジェット(4/7)
ウィジェット(5/7)
ウィジェット(6/7)
ウィジェット(7/7)

ライトな用途向けの性能

 ベンチマークテストとして、AnTuTuベンチマークとGoogle Octane 2.0の結果を掲載する。AnTuTuベンチマークのスコアは72,391。最下位でASUS ZenFone 5と比較しても半分程度とかなり低い。Google Octane 2.0のスコアは4,094。これも筆者が及第点としてる1万の半分未満だ。TE410/JAWはAnTuTuが70,915、Google Octane 2.0が3,906だったのでほぼ誤差の範囲。同じSoCを搭載しているのがわかる。

 とはいえ、本機が想定している範囲内での使われ方(Webサイト閲覧やメール、ソーシャル、音楽/動画、軽いOffice用途など)、つまり普段使いならとくに問題はないだろう。またメモリが4GBと余裕がある分、複数のアプリを切り替えて使ってもサクサク動作し、この点については明らかにTE410/JAWより上だった。

AnTuTuベンチマーク/スコア「72,391」
AnTuTuベンチマーク/ランキングは最下位。ASUS ZenFone 5と比較しても半分程度とかなり低い
Google Octane 2.0「4,094」
約9時間経過して残25%

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でYouTubeを連続再生したところ約12時間でバッテリが切れた。仕様上はWeb閲覧:約10時間、ビデオ再生:約10時間なので、気持ち長めと言ったところか。

 筆者個人として今回のTE510/JAWと、前機種のTE410/JAWのどちらを選ぶかと聞かれれば、4スピーカー、4GB/64GB、指紋センサーでその差8,000円なら間違いなく前者だ。とくに4スピーカーはiPadにはなく、音楽/映像中心の用途なら本機のほうがより楽しめる。


 以上のように、NEC PCのLAVIE Tab E(TE510/JAW)」は、10.1型IPS式1,920×1,200ドット、Snapdragon 450/4GB/64GBを搭載したAndroidタブレットだ。下位モデルと比較してメモリ/ストレージが増量、指紋センサーや4スピーカーなど強化ポイントが多いわりに価格差は8,000円に収まっておりコストパフォーマンスは高い。

 仕様上とくに気になる部分もなく、大手国内メーカー製のAndroidタブレットを求めているユーザーにおすすめできる。