西川和久の不定期コラム
豊富なBTOオプションを用意した2in1、「デル Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」
2019年2月6日 12:25
デルは1月18日、15.6型で第8世代Core iプロセッサを搭載し、ヒンジが360度回転、クラムシェル/タブレットにも変身できる2in1「Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」を発表した。オプションでデジタイザペンにも対応する。編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。
第8世代Core iプロセッサ搭載15.6型でヒンジが360度回転する2in1
今回ご紹介する「New Inspiron 15 5000 2-in-1」は、そのネーミングからもわかるように「Inspiron 15 5000 2-in-1」2016年モデルのモデルチェンジ版だ。プロセッサが第6世代から第8世代に変わり、それに伴いインターフェス関連が少し変更された。
同社の直販サイトでは、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 【3年安心特別モデル】プレミアム・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 スタンダード」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 スタンダード・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プレミアム」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プレミアム・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ Office」の7モデルがある。
大きくわけてOfficeの有無でハードウェア的には重複しているが、手元に届いたの最上位でOfficeなしの「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」となる。おもな仕様は以下のとおり。
DELL「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Core i7-8565U(4コア8スレッド/1.80~4.60GHz/キャッシュ8MB/TDP 15W) |
メモリ | 16GB/DDR4-2666MHz |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | IPS式15.6型1,920×1,080ドット、光沢あり、10点タッチ対応 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620/Type-C、HDMI 1.4b |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI 1.4b、SDカードスロット、720p Webカメラ、音声入出力、指紋センサー |
バッテリ | 3セル42Whr |
サイズ/重量 | 363.86×250×18.72~19.95mm(幅×奥行き×高さ)/約2.012kg |
その他 | デジタイザペン対応(オプション) |
税別直販価格 | 150,980円 |
プロセッサは第8世代のCore i7-8565U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHz~4.6GHz。キャッシュは8MB、TDPは15W。メモリはDDR4-2666MHzで16GB、ストレージはNVMe SSD 512GBを搭載している。OSは64bit版のWindows 10 Home。カスタマイズでWindows 10 Proも選択可能だ。
なお下位モデルは、プロセッサCore i3-8145U(2/4、2.1~3.9GHz)/Core i5-8265U(4/8、1.6~3.9GHz)、メモリ4GB+Optaneメモリ16GB、1TB HDDなども用意されている。サイトではメモリ4GB+Optaneメモリ16GBを、メモリ20GBと表記しているのが少し気になった(紛らわしいので1TB HDD+Optaneメモリ16GBと書くべきでは)。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にType-C(DisplayPort Alternate Mode)とHDMI 1.4bを装備している。ディスプレイは光沢ありのIPS式15.6型1,920×1,080ドット。10点タッチとデジタイザペン(オプション2,000円)に対応。360度回転式ヒンジを備え、クラムシェル、タブレットモードなどに変身できる。
ネットワークは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth。有線LANは非搭載だ。その他のインターフェイスは、USB 3.0 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI 1.4b、SDカードスロット、720p Webカメラ、音声入出力、指紋センサー。Type-CはPower Deliveryにも対応しているが、標準での充電は専用のAC入力となっている。
3セル42Whrのバッテリを内蔵し、サイズ363.86×250×18.72~19.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.012kg。税別直販価格は150,980円だ。内容を考えると妥当なところか。なお、Core i3/4GB/1TB HDD+Optaneメモリ16GBの最下位モデルは108,980円。クーポンを適応すると92,633円(執筆時)となる。
筐体は写真からもわかるようにオールシルバー。ソリッドでなかなかカッコいい。パネルが15.6型なのでフットプリントはそこそこあり、重量約2kgと少し重い。ヒンジが360度回転し、クラムシェル/タブレット/テント/スタンドモードに変身するが、タブレットとして持つのはつらい重量だ。
前面はパネル中央上に720p Webカメラ。左側面に電源入力、Type-C、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力。右側面にロックポート、USB 2.0、SDカードスロットを配置。裏は手前左右のスリットにスピーカーがある。付属のACアダプタのサイズ約9×4×2.5cm、重量174g、出力19.5V/2.31A。本体の大きさの割に小型。
ディスプレイは光沢ありの15.6型IPS式フルHD。明るさ、コントラスト、発色、視野角全て良好。もちろんタッチもスムーズに反応する。ただし輝度0%は暗くて実質使えない。オプションのデジタイザペンを試したところ、(絵心がない筆者が言うものなんだが)少し遅延があり、慣れないと扱いづらい感じだ。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。2段階のバックライトも搭載している。主要キーのキーピッチは約19mm。ご覧のようにパームレストも含めかなり余裕がある。ただこれだけ余裕があるにも関わらず、右側[BS][Enter][Shift]に[][}][_]が密接しているのは残念。もう少しレイアウトにも気を使って欲しいところ。タッチパッドは一枚プレート型で面積も広く快適。右上にある電源ボタン兼の指紋センサーはWindows Hello対応となっている。
振動やノイズは試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとおもにキーボード左上が暖かくなる。パームレストまでは熱が降りてこないので、とくに気になることはないだろう。
サウンドは、少しこもり気味だがパワーがある。また左右のスピーカーも比較的離れているのでステレオ感も十分。本体だけで音楽も映像も楽しめる。
Core i7/16GB/NVMe SSDで快適作動
初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。「Dell」と「Dell+」グループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。Core i7、16GB、NVMe SSD 512GBなので、何をしてもサクサク作動し気持ちいい。
ストレージはNVMe SSD 512GBの「BC501 NVMe SK hynix 512GB」。C:ドライブのみの1パーティションで約463GB割り当てられ空き430GB。またBitLockerで暗号化されている。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。
プリインストールのアプリケーションは、「Dell CinemaColor」、「Dell Cinema Stream/SmartByte」、「Dell Customer Connect」、「Dell Digital Delivery」、「Dell Mobile Connect」、「Dell Power Manager」、「Dell Update」、「My Dell」など、同社のツール系と、「マカフィー リブセーフ」、「McAfee Security」、「MaxxAudioPro」と言ったセキュリティ系、サウンド系、そしてIntelなどのシステム系となる。
「CinemaColor」は動画/夜間/スポーツ/アニメーションの適した画面に切り替える。「Dell Cinema Stream/SmartByte」は、チャット、ビデストリーミング、ブラウザ、ダウンロードのネットワーク優先順位を設定できるツールだ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおりり。ただPCMark 10については、何度行なっても完走しなかったので(Windows UpdateやDell Updateも行なった)、スコアのある部分だけ掲載している。Rendering and Visualization Scoreで落ちてるのだが、ディスプレイドライバか何かの問題だろうか。
ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v1.0.1457 | |
PCMark 10 Score | n/a |
Essentials | 8,976 |
App Start-up Score | 13,892 |
Video Conferencing Score | 7,122 |
Web Browsing Score | 7,310 |
Productivity | 7,193 |
Spreadsheets Score | 8,501 |
Writing Score | 6,087 |
Digital Content Creation | n/a |
Photo Editing Score | 3,795 |
Rendering and Visualization Score | n/a |
Video Editting Score | 3,738 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,574 |
Creative Accelarated 3.0 | 3,644 |
Work Accelarated 2.0 | 5,139 |
Storage | 5,018 |
3DMark v2.4.4264 | |
Time Spy | 399 |
Fire Strike Ultra | 260 |
Fire Strike Extreme | 486 |
Fire Strike | 1,013 |
Sky Diver | 4,095 |
Cloud Gate | 7,856 |
Ice Storm Extreme | 35,762 |
Ice Storm | 44,396 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 47.07 fps |
CPU | 584 cb |
CPU(Single Core) | 180 cb |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 1637.526 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 880.724 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 646.534 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 356.902 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 259.530 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 375.845 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 37.375 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 96.059 MB/s |
BBench(ディスプレイ/キーボードバックライトの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |
バッテリ残量3%まで | 7時間44分51秒 |
パフォーマンスはCore i7/16GB/NVMe SSDなので結構速い。ゲームなどGPUをフルに使うようなアプリを使わない限り十分な性能だ。
ディスプレイ/キーボードバックライトの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能でバッテリ残量3%まで7時間44分51秒。昨今このクラスでも12時間前後のものも多く少し短めだが、バッテリの容量が3セル42Whrと言うこともあるのだろう。ただ先にも書いたが輝度0%は暗く、実質はもう少し短くなると思われる。
以上のようにDELL「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」は、第8世代Core i7プロセッサ、メモリ16GB、NVMe SSD 512GBを搭載し、15.6型フルHDでヒンジが360度回転する2in1だ。iGPUの2in1としては最上級のパフォーマンスを誇るだろう。Core i3の下位モデルはクーポンを使って10万円を切り、予算に応じてモデルを選ぶことも可能だ。
一部キーボードのレイアウトが気になるものの、それ以外、仕様上とくに気になる部分もなく、15.6型で第8世代Core i、そしてペン対応の2in1を探しているユーザーにお勧めできる1台と言えよう。