西川和久の不定期コラム

豊富なBTOオプションを用意した2in1、「デル Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」

 デルは1月18日、15.6型で第8世代Core iプロセッサを搭載し、ヒンジが360度回転、クラムシェル/タブレットにも変身できる2in1「Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」を発表した。オプションでデジタイザペンにも対応する。編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

第8世代Core iプロセッサ搭載15.6型でヒンジが360度回転する2in1

 今回ご紹介する「New Inspiron 15 5000 2-in-1」は、そのネーミングからもわかるように「Inspiron 15 5000 2-in-1」2016年モデルのモデルチェンジ版だ。プロセッサが第6世代から第8世代に変わり、それに伴いインターフェス関連が少し変更された。

 同社の直販サイトでは、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 【3年安心特別モデル】プレミアム・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 スタンダード」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 スタンダード・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プレミアム」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プレミアム・Office付」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」、「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ Office」の7モデルがある。

 大きくわけてOfficeの有無でハードウェア的には重複しているが、手元に届いたの最上位でOfficeなしの「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」となる。おもな仕様は以下のとおり。

DELL「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」の仕様
プロセッサCore i7-8565U(4コア8スレッド/1.80~4.60GHz/キャッシュ8MB/TDP 15W)
メモリ16GB/DDR4-2666MHz
ストレージNVMe SSD 512GB
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイIPS式15.6型1,920×1,080ドット、光沢あり、10点タッチ対応
グラフィックスIntel UHD Graphics 620/Type-C、HDMI 1.4b
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth
インターフェイスUSB 3.0 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI 1.4b、SDカードスロット、720p Webカメラ、音声入出力、指紋センサー
バッテリ3セル42Whr
サイズ/重量363.86×250×18.72~19.95mm(幅×奥行き×高さ)/約2.012kg
その他デジタイザペン対応(オプション)
税別直販価格150,980円

 プロセッサは第8世代のCore i7-8565U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHz~4.6GHz。キャッシュは8MB、TDPは15W。メモリはDDR4-2666MHzで16GB、ストレージはNVMe SSD 512GBを搭載している。OSは64bit版のWindows 10 Home。カスタマイズでWindows 10 Proも選択可能だ。

 なお下位モデルは、プロセッサCore i3-8145U(2/4、2.1~3.9GHz)/Core i5-8265U(4/8、1.6~3.9GHz)、メモリ4GB+Optaneメモリ16GB、1TB HDDなども用意されている。サイトではメモリ4GB+Optaneメモリ16GBを、メモリ20GBと表記しているのが少し気になった(紛らわしいので1TB HDD+Optaneメモリ16GBと書くべきでは)。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にType-C(DisplayPort Alternate Mode)とHDMI 1.4bを装備している。ディスプレイは光沢ありのIPS式15.6型1,920×1,080ドット。10点タッチとデジタイザペン(オプション2,000円)に対応。360度回転式ヒンジを備え、クラムシェル、タブレットモードなどに変身できる。

 ネットワークは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth。有線LANは非搭載だ。その他のインターフェイスは、USB 3.0 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI 1.4b、SDカードスロット、720p Webカメラ、音声入出力、指紋センサー。Type-CはPower Deliveryにも対応しているが、標準での充電は専用のAC入力となっている。

 3セル42Whrのバッテリを内蔵し、サイズ363.86×250×18.72~19.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.012kg。税別直販価格は150,980円だ。内容を考えると妥当なところか。なお、Core i3/4GB/1TB HDD+Optaneメモリ16GBの最下位モデルは108,980円。クーポンを適応すると92,633円(執筆時)となる。

前面パネル中央上に720p Webカメラ
底面。手前左右のスリットにスピーカー、手前とヒンジの部分にゴム足
左側面は電源入力、Type-C、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力
右側面はロックポート、USB 2.0、SDカードスロット
全面シルバーでなかなかカッコいい。バッテリは内蔵で着脱できない
タブレットモード
スタンドモード
テントモード
キーボード(バックライト付き)。テンキーなしのアイソレーションタイプ。右上に電源ボタン兼の指紋センサー。タッチパッドは1枚プレート型。2段階のキーボードバックライト付き
キーピッチは実測で約19mm。ただ右側[BS][Enter][Shift]に[][}][_]が密接しているのが気になる
オプションのデジタイザペン使用中
付属のACアダプタとデジタイザペン。ACアダプタのサイズ約90×40×25mm、重量174g、出力19.5V/2.31A。デジタイザペンのバッテリは単6電池1本

 筐体は写真からもわかるようにオールシルバー。ソリッドでなかなかカッコいい。パネルが15.6型なのでフットプリントはそこそこあり、重量約2kgと少し重い。ヒンジが360度回転し、クラムシェル/タブレット/テント/スタンドモードに変身するが、タブレットとして持つのはつらい重量だ。

 前面はパネル中央上に720p Webカメラ。左側面に電源入力、Type-C、HDMI、USB 3.0×2、音声入出力。右側面にロックポート、USB 2.0、SDカードスロットを配置。裏は手前左右のスリットにスピーカーがある。付属のACアダプタのサイズ約9×4×2.5cm、重量174g、出力19.5V/2.31A。本体の大きさの割に小型。

 ディスプレイは光沢ありの15.6型IPS式フルHD。明るさ、コントラスト、発色、視野角全て良好。もちろんタッチもスムーズに反応する。ただし輝度0%は暗くて実質使えない。オプションのデジタイザペンを試したところ、(絵心がない筆者が言うものなんだが)少し遅延があり、慣れないと扱いづらい感じだ。

 キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。2段階のバックライトも搭載している。主要キーのキーピッチは約19mm。ご覧のようにパームレストも含めかなり余裕がある。ただこれだけ余裕があるにも関わらず、右側[BS][Enter][Shift]に[][}][_]が密接しているのは残念。もう少しレイアウトにも気を使って欲しいところ。タッチパッドは一枚プレート型で面積も広く快適。右上にある電源ボタン兼の指紋センサーはWindows Hello対応となっている。

 振動やノイズは試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとおもにキーボード左上が暖かくなる。パームレストまでは熱が降りてこないので、とくに気になることはないだろう。

 サウンドは、少しこもり気味だがパワーがある。また左右のスピーカーも比較的離れているのでステレオ感も十分。本体だけで音楽も映像も楽しめる。

Core i7/16GB/NVMe SSDで快適作動

 初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。「Dell」と「Dell+」グループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。Core i7、16GB、NVMe SSD 512GBなので、何をしてもサクサク作動し気持ちいい。

 ストレージはNVMe SSD 512GBの「BC501 NVMe SK hynix 512GB」。C:ドライブのみの1パーティションで約463GB割り当てられ空き430GB。またBitLockerで暗号化されている。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。「Dell」と「Dell+」グループがプリインストール
起動時のデスクトップ。壁紙の変更のみとシンプル
デバイスマネージャ/主要なデバイス、ストレージはNVMe SSD 512GBの「BC501 NVMe SK hynix 512GB」。Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約463GB(BitLocker)割り当てられている。

 プリインストールのアプリケーションは、「Dell CinemaColor」、「Dell Cinema Stream/SmartByte」、「Dell Customer Connect」、「Dell Digital Delivery」、「Dell Mobile Connect」、「Dell Power Manager」、「Dell Update」、「My Dell」など、同社のツール系と、「マカフィー リブセーフ」、「McAfee Security」、「MaxxAudioPro」と言ったセキュリティ系、サウンド系、そしてIntelなどのシステム系となる。

 「CinemaColor」は動画/夜間/スポーツ/アニメーションの適した画面に切り替える。「Dell Cinema Stream/SmartByte」は、チャット、ビデストリーミング、ブラウザ、ダウンロードのネットワーク優先順位を設定できるツールだ。

My Dell
Dell SupportAssist
Dell Power Manager
MaxxAudioPro
Dell CinemaColor
Dell Update
Dell Mobile Connect
Dell Cinema Stream/SmartByte

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおりり。ただPCMark 10については、何度行なっても完走しなかったので(Windows UpdateやDell Updateも行なった)、スコアのある部分だけ掲載している。Rendering and Visualization Scoreで落ちてるのだが、ディスプレイドライバか何かの問題だろうか。

ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.0.1457
PCMark 10 Scoren/a
Essentials8,976
App Start-up Score13,892
Video Conferencing Score7,122
Web Browsing Score7,310
Productivity7,193
Spreadsheets Score8,501
Writing Score6,087
Digital Content Creationn/a
Photo Editing Score3,795
Rendering and Visualization Scoren/a
Video Editting Score3,738
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,574
Creative Accelarated 3.03,644
Work Accelarated 2.05,139
Storage5,018
3DMark v2.4.4264
Time Spy399
Fire Strike Ultra260
Fire Strike Extreme486
Fire Strike1,013
Sky Diver4,095
Cloud Gate7,856
Ice Storm Extreme35,762
Ice Storm44,396
CINEBENCH R15
OpenGL47.07 fps
CPU584 cb
CPU(Single Core)180 cb
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード1637.526 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト880.724 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード646.534 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト356.902 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード259.530 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト375.845 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード37.375 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト96.059 MB/s
BBench(ディスプレイ/キーボードバックライトの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量3%まで7時間44分51秒

 パフォーマンスはCore i7/16GB/NVMe SSDなので結構速い。ゲームなどGPUをフルに使うようなアプリを使わない限り十分な性能だ。

 ディスプレイ/キーボードバックライトの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能でバッテリ残量3%まで7時間44分51秒。昨今このクラスでも12時間前後のものも多く少し短めだが、バッテリの容量が3セル42Whrと言うこともあるのだろう。ただ先にも書いたが輝度0%は暗く、実質はもう少し短くなると思われる。

 以上のようにDELL「New Inspiron 15 5000 2-in-1 プラチナ」は、第8世代Core i7プロセッサ、メモリ16GB、NVMe SSD 512GBを搭載し、15.6型フルHDでヒンジが360度回転する2in1だ。iGPUの2in1としては最上級のパフォーマンスを誇るだろう。Core i3の下位モデルはクーポンを使って10万円を切り、予算に応じてモデルを選ぶことも可能だ。

 一部キーボードのレイアウトが気になるものの、それ以外、仕様上とくに気になる部分もなく、15.6型で第8世代Core i、そしてペン対応の2in1を探しているユーザーにお勧めできる1台と言えよう。