西川和久の不定期コラム
防水防塵でダブルレンズ搭載のドコモ タブレット「dtab Compact d-02K」
2018年8月27日 11:00
ドコモは8月6日、防水防塵、ダブルレンズ搭載などの特徴を持つ8型Androidタブレット「dtab Compact d-02K」を発表、10日より販売を開始した。もちろんLTE対応だ。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。
ベースはHuawei製の8型Androidタブレット
今回ご紹介する「dtab Compact d-02K」は、前モデルに相当する「dtab Compact d-02H」(2016年1月)の後継機だ。おもな違いはSoC、OS、メモリ、ストレージ、カメラ、PREMIUM 4G対応など多岐にわたる。
「dtab Compact d-01J」(2017年5月)の方がより近い構成ではあるが、パネルサイズが8.4型と少し大きく別型番になっているため、直接の後継機とはならない。
いずれにしても2年以上経っているおり、形状こそあまり変わらないものの、まったく別物としての登場だ。おもな仕様は以下の通り。
【表】ドコモ タブレット「dtab Compact d-02K」の仕様 | |
---|---|
SoC | HiSilicon製Kirin 659 (8コア/2.36+1.7GHz) |
メモリ | 3GB |
ストレージ | 32GB |
OS | Android 8.0 |
ディスプレイ | 8型1,200×1,920ドット、タッチ対応 |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2、Nano SIMカードスロット/eSIM |
対応バンド | LTE: B1/3/6/19、W-CDMA: B1/5/6/19 |
その他インターフェイス | USB Type-C(USB 2.0)、microSDXCカードスロット、背面: F2.2約1,300万画素+F2.4約200万画素/前面: F2.0約800万画素カメラ、Harman Kardonステレオスピーカー、指紋センサー、イヤフォン端子 |
バッテリ/連続待受時間 | 4,980mAh/LTE: 約690時間、3G: 約830時間 |
サイズ/重量 | 約209×120×8mm(幅×奥行き×高さ)/約309g |
カラーバリエーション | シルバー、ゴールド |
その他 | 防水・防塵IPX5/7、IP6X相当 |
一括払い機種代金(税込) | 45,360円(料金シミュレーションより/回線費などは含まず) |
SoCはHiSilicon製Kirin 659。Cortex-A53 4+4コア 2.36GHz+1.7GHzの構成で、GPUとしてMali-T830 MP2を内包。Huawei nova lite 2やHuawei P20 liteにも搭載しているミドルレンジ用だ。このSoCを搭載していることからもわかるようにHuawei製となる。
メモリは3GB、ストレージは32GB。前モデル(dtab Compact d-02H)はメモリ2GB、ストレージ16GBだったので、容量が増え使い勝手が向上している。OSはAndroid 8.0。
ディスプレイは8型1,200×1,920ドットのタッチ対応。ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2、そしてNano SIMカードスロット/eSIMに対応している。対応バンドは表の通りだ。PREMIUM 4G、SIMロック解除にも対応する。
その他のインターフェイスは、USB Type-C(USB 2.0)、microSDXCカードスロット、背面: F2.2約1,300万画素+F2.4約200万画素/前面: F2.0約800万画素カメラ、Harman Kardonステレオスピーカー、指紋センサー、イヤフォン端子。このクラスのタブレットでダブルレンズなのはポイントが高い。
サイズは約209×120×8mm(幅×奥行き×高さ)、重量約309g。4,980mAhのバッテリを内蔵し、連続待受時間はLTE:約690時間、3G:約830時間となる。カラーバリエーションは、シルバーとゴールド。防水・防塵IPX5/7、IP6X相当にも対応している。
一括払い機種代金(税込)は45,360円(料金シミュレーションより/回線費などは含まず)。内容も含めLTEに対応したタブレットとしてはリーズナブルと言えよう。
筐体は前面がホワイト、背面がシルバー。質感も含めiPadに似ている。約8型で実測で309g。片手でも十分持つことができる。
前面はパネル中央上に約800万画素カメラ、下に指紋センサー。背面は左上に約1,300万画素(内側)+約200万画素(外側)カメラ。上側面にSIM/microSDスロット、スピーカー、イヤフォン端子。右側面に音量±ボタンと電源ボタン。下側面にスピーカーとType-Cを配置。左側面には何もない。
付属品は、折りたたみ式のスタンド、リジェクトピン、SIM。USB式ACアダプタやケーブル類は付属しないので要注意。
少し操作しにくかったのは右側面の音量±ボタンと電源ボタン。これは側面が前面から背面に逆斜めにカットされている関係上(右側面/下側面の写真参照)、前面を上に机などに置くと、ボタンに指が届かなくなり、いったん本体を持ち上げなければならないためだ。操作すればすぐわかることなので、意図的にこうなっている可能性が高いのだが、誤操作防止のためだろうか。
8型のディスプレイは明るさ、発色、コントラスト、視野角共に良好。明るさ0%では暗いものの、25%程度以上であれば(環境にもよるが)普通に操作可能だ。設定/画面/視力保護でブルーライトのカット(時間帯指定あり)、設定/画面/カラーモードで色温度設定にも対応している。
振動、ノイズはもちろん皆無。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけても熱を持たなかった。結構クールなシステムだ。
サウンドは横位置にしたとき、左右のステレオとなる。出力はこのクラスとしては驚くほどの爆音! しかもバランスはよく、鳴りっぷりもいい。これにはかなり驚いた。Harman Kardonの名前は伊達ではない。イヤフォン時は、スピーカーほどパワーはないものの、価格を考えれば十分。どちらでも音楽や動画を十分に楽しめるだろう。
背景ぼかしに対応したダブルレンズ
カメラは、前面F2.0約800万画素、背面F2.2約1,300万画素+F2.4約200万画素。背面の約200万画素はワイドアパーチャ(背景ぼかし)用だと思われる。実際の出力は、通常時3,120×4,160ピクセル、背景ぼかし時2,448×3,264ピクセルと、モードによって解像度が異なる。Exifの情報からレンズの焦点距離は3mm(35mm換算26mm相当)だった。
カメラの撮影モードは、写真、プロ写真、動画、プロビデオ、HDR、パノラマ、ライトペインティング、タイムラプス、フィルタ、ウォーターマーク、その他。
プロ写真は、ISO50~1600、シャッタースピード8~1/4,000秒、露出補正±4、フォーカスAF-S/AF-C/MF、WBはAWBを含む5つと、2,800~7,000Kまでの設定が可能だ。
撮影時、上に「背景ぼかし」、「ポートレート」、「アニメ写真」、「カメラ切り替え」のアイコンが並ぶものの、プロ写真は「カメラの切り替え」のみとなる。
設定は解像度(プロ写真のみ13M/10M/8M/6M)、GPSタグ、カメラグリッド、ミラー反射(前面カメラのみ)、タイマー、音声シャッター、スマイルキャプチャ。
同社のカメラは機種やモデルによらず写りが良いものが多く、本機も例外ではなく、タブレットとしてはかなり頑張っている。
作例(すべてオート、露出補正などは行なっていない)で屋外/日向、屋外/日陰、室内、夜景と4点並べてみたがいかがだろうか。日陰と夜景は背景ぼかしを使用した。とくにタブレットで最近流行の背景ぼかしが使えるのは珍しく、加えて編集でピンの位置とボケ味を調整できるのもポイントが高い。所有するスマートフォンのカメラが背景ぼかし非対応の機種であれば、併用するのもありだろう。
初期セットアップ
初期セットアップはSIM、Googleアカウント、dアカウントなどをスキップして行なった。このパターンで13画面。アカウントの設定が2カ所、加えてドコモサービスもあるのでその分多めになっている。ホーム画面のUIは、「docomo LIVE UX」と、文字やアイコンなどが大きくなる「シンプル」の2種類あるが、今回は普通のAndroidっぽい前者で行なった。なお、HuaweiのEMUIは組み込まれていない。
指紋認証は、パターン、PIN、パスワード設定後、指紋を複数登録できる。同社のいつものパターンだ。eSIMの設定は契約が必要で使用できず、代替えで入ってた普通のSIMを使用した。この関係もあり、どちらも画面キャプチャは省略している。
いずれにしても本機の場合、分かる人は自分で、分からない人はdocomoショップで聞けるので、初期セットアップに関しては、玄人でも初心者でもどちらでも問題ないだろう。
もう少し今風にして欲しいホーム画面構成
初期起動時のホーム画面は3画面。ループで元に戻るようになっている。Androidのバージョンは8.0.0、ストレージは32GB中空き22.41GB(若干の画面キャプチャを含む)。IMEはiWnn IME。
写真ではソフトウェア式のナビゲーションバーになっているが、設定/システム/システムナビゲーションで指紋センサーを使う画面外ナビゲーションボタンも設定でき、画面の情報量を増やすことも可能だ。
アプリは、「dメニュー」、「dマーケット」、「dポイント」、「Playストア」、「Chrome」、「メール」、「カメラ」、「My docomoアプリ」、「ジェスチャー操作設定」、「amazon」、「Twitter」。Googleフォルダに「Google」、「Gmail」、「マップ」、「YouTube」、「ドライブ」、「Play Music」、「Playムービー&TV」、「ハングアウト」、「フォト」。ドコモクラウドフォルダに「ドコモ電話帳」、「dフォト」、「データ保管BOX」、「メモ」、「スケジュール」、「ドコモ設定」。Microsoftフォルダに「Word」、「Excel」、「PowerPoint」、「OneDrive」。Kidsフォルダに「dキッズ」、「キッズモード」など。おもに同社のアプリ、Google、Microsoft、子供用と言ったところだろうか。
個人的に気になる点があるとすれば、古臭い「docomo LIVE UX」、初期起動時画面中央に居座る「my daiz」(あとでOFFにはできる)、ホーム3画面のアプリやウィジェットの配置が適当……と、こんなところだろうか。
はじめの2つは、スマートフォンなどでも同社のデフォルト(加えてメーカー製UI)になっていて共通化し、使いやすさを狙っていると思われるので、発想自体はいいのだが、画面キャプチャからも分かるように「それにしても……」と言った感じで、初期のAndroidを彷彿する。改善を望みたいところだが、変えると全機種に影響するのでなかなか難しいのだろう。分かる人であればカスタマイズできるので目くじら立てるほどではない……としたい。
ウィジェットは、「Chromeのブックマーク」、「Chromeで検索」、「デジタル」、「時計」、「デュアルクロック」、「ドライブ」、「スケジュール」×2、「月」、「Gmail」、「マイフィード」、「Google」、「Google Play Music」×2、「メモ」、「スケジュール&メモ」、「OneDrive」×2、「Contents Headline」×2、「Google Sound Search」、「マイプロフィール」、「連絡先登録」、「連絡先検索」、「設定のショートカット」、「ドライブのショートカット」、「ドライブのスキャン」、「経路を検索」、「運転モード」、「交通状況」、「現在地を共有」、「友だちの現在地」、「Gmailのラベル」、「Musicプレイリスト」、「ドコモ設定」。
「my daiz」はアシスタントアプリだ。「iコンシェル」(情報配信サービス)と、「しゃべってコンシェル」(音声アシスト)を融合させたものとなっている。AIを使った(移動先が雨など)先読み通知も搭載されているが、これは有料(100円/月)だった。
子供用として、dキッズ(月額使用料372円/税抜)と、キッズモードをプリインストール。ペアレンタルコントロール対応で時間制限もかけられる。
ミドルレンジのパフォーマンス
ベンチマークテストは簡易式だが、Google Octane 2.0とAnTuTuベンチマークとの結果を掲載する。結果は、Google Octane 2.0:5,325、AnTuTuベンチマーク:83,866(51位)。まさにミドルレンジと言ったところか。実際操作したところ、ネットやソーシャル系、写真・動画再生など一般的なものであればストレスなく作動する。
バッテリ駆動時間は、音量・輝度50%音量50%に設定し、Wi-Fi接続でYouTubeの動画を全画面で繰り返し再生したところ、約9時間で電源が落ちた。クラス相応と言ったところか。
以上のようにドコモ タブレット「dtab Compact d-02K」は、8型1,200×1,920ドット、Kirin 659、メモリ3GB、ストレージ32GBを搭載したAndroidタブレットだ。Wi-FiだけでなくLTEにも対応。外出時に利用でき、防水・防塵対応なので使う場所を選ばない。
ディスプレイのクオリティはもちろんだが、Harman Kardonチューンのサウンド、そして、ダブルレンズで背景がボケる写真も撮影可能と、価格の割になかなか頑張った内容となっている。
docomoとの回線契約が必要となるものの、仕様上特に気になる部分もなく、いつでもどこでも手軽に使えるAndroidタブレットを探しているユーザーにお勧めできる1台だ。