西川和久の不定期コラム
12型2K液晶、メモリ8GB搭載のマウスコンピューター製2in1「MT-WN1201S」
2018年5月8日 06:00
マウスコンピューターは4月27日、12型の2in1「MT-WN1201S」をメモリ/ストレージ容量違いで2モデル発表し、同社製品取り扱い量販店などで販売を開始した。
編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。
12型2,160×1,440ドットでメモリ8GB搭載
一般的なタブレットや2in1といえば、パネルサイズは7~10型前後が多い。少し大きめで良く知られているものとしては、以前ご紹介したSurface Pro(12.3型)やiPad Pro(12.9型)だろうか。とはいえ、5~10万円のレンジに限定すれば前者が圧倒的だ。
そのようななか、発表されたのが今回ご紹介するマウス「MT-WN1201S」。12型2,160×1,440ドットの2in1だ。サイズだけが大きいわけではなく、解像度も高くなっているのがポイントとなる。
ストレージとメモリ容量の違いで2モデルあり、手元に届いたのは8GB/128GBの上位モデル。おもな仕様は以下のとおり。
マウスコンピューター「MT-WN1201S」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Celeron N3450(4コア4スレッド/1.10GHz~2.20GHz/キャッシュ2MB/TDP 6W) |
メモリ | LPDDR3-1866 8GB |
ストレージ | eMMC 128GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 12型2,160×1,440ドット、光沢あり、10点タッチ対応、Microsoft Pen Protocol対応デジタイザペン対応 |
グラフィックス | Intel HD Graphics 500 |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2 |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C、microSDカードスロット、500万画素前面カメラ、指紋認証センサー、ステレオスピーカー、デュアルマイク、音声入出力 |
バッテリ動作時間 | 約8.4時間 |
サイズ/重量(本体) | 約283×202×8mm(幅×奥行き×高さ)/約728g |
サイズ/重量(カバー込み) | 約286×210×21.8mm(同)/約1.2kg |
販売価格 | 68,524円(税込/amazon調べ) |
プロセッサはApollo Lake世代のCeleron N3450。4コア/4スレッドで、クロックは1.1GHzから2.2GHz。キャッシュは2MBで、TDP/SDPはそれぞれ6W/4Wとなる。
メモリはLPDDR3-1866の8GB。ストレージはeMMCで128GB。メモリとストレージは、このクラスとしては余裕がある。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。
ディスプレイは、12型2,160×1,440ドットでアスペクト比3:2。光沢ありで10点タッチ、Microsoft Pen Protocol対応デジタイザペンに対応する。グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 500。
インターフェイスは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2、USB 3.0 Type-C、microSDカードスロット、500万画素前面カメラ、指紋認証センサー、ステレオスピーカー、デュアルマイク、音声入出力。指紋認証センサーはWindows Hello対応。Type-Cは充電用に加え、DisplayPort Alternate Modeに対応しており、Type-C/DisplayPortケーブルで画面出力可能だ。
本体のサイズは約283×202×8mm(幅×奥行き×高さ)、重量約728g。バッテリ動作時間は約8.4時間。また、標準でキーボードカバーも同梱。本体と合体時のサイズ/重量は、約286×210×21.8mm(同)/約1.2kgとなる。
価格はオープンプライスで、Amazonでの販売価格は68,524円となっていた(5月7日現在)。なおメモリ4GB、ストレージeMMC 64GBの「MT-WN1201E」も用意されている。こちらは同じくAmazonで53,301円。約1.5万円の差だ。
筐体は前面がホワイト、背面がシルバー。雰囲気はiPadのそれに近く質感は良い。単体で重量717g。片手で持ち上げるには少し重いと感じた。
前面はパネル中央上に500万画素前面カメラ、右上に電源LED。背面に指紋認証センサー、左側面は何もなく、右側面に音声入出力、音量±ボタン、microSDカードスロット、USB 3.0 Type-C。
上側面に電源ボタンとスピーカー、下側面中央にキーボードカバーコネクタを配置。付属のACアダプタはサイズ約665×50×27mm(同)、重量88g。出力5V/3A、9V/2A、12V/2A。プラグは折りたたむことができる。
Windows Hello対応の指紋認証センサーは、位置がなんとなく唐突ではあるものの、実際操作してみると、人差し指で電源ボタンを押すポジションから、そのまま背面に指をズラせばいいだけなので、それほど違和感はない。
12型のディスプレイは、2,160×1,440ドットで解像度も高く、加えて3:2と横でも縦でも扱いやすい。明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。発色は少し色温度が低め(黄色い)か。明るさは100%にすると眩しいほどだ。10点タッチもスムーズに反応する。
またMicrosoft Pen Protocol対応デジタイザペン対応ということで、手持ちのSurfaceペンを試したところ、問題なく作動した。
振動やノイズはもちろん皆無。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、主に裏の左側(指紋センサー側)が熱くなる。サウンドは、上側面左右にスピーカーがある関係で音が上に抜け、さらにパワーがないためか細く鳴る。画面が大きいだけに、持った状態などで映像を楽しみたいところだが、少々物足らない印象だ。
カバー兼キーボードの色はブラウン。重量は実測で467gなので、合体すると約1.2kgと少し重い。ただ、サイズが10型でなく12型と少し大きめなので、この点は考慮すべきだろう。
本体とは本体下側面にあるコネクタと磁石で固定され、傾きはカバーの一部を折りたたみ、それに本体を立てかける。またこの時、本体側の取り付け位置が2パターンあり、傾きを変えることが可能となっている。
キーボード自体はアイソレーションタイプの87キーで、主要キーのキーピッチは約18mm。資料によると、キーストロークは約1.5mm確保されている。本体側が12型ということもあり、フットプリントが広く、歪な並びなどはない。タッチパッドは物理的なボタンがない1枚プレートタイプだ。パームレストも含め、それなりに面積があり扱いやすい。
このキーボードカバーを折りたたみ、本体を立てかけるタイプは、10型前後の2in1に多く見られるが、12型でも実際使ってみると、少し大きいと思いながらも、その分扱いやすい。スタンドの構造から来る欠点は、サイズとは無関係に同じだ。この点の許容範囲で、好き嫌いが別れそうだ。
Apollo Lake搭載でパワーはそれなりだが8GB/128GBは魅力的
OSは64bit版のWindows 10 Home。Apollo Lake世代のCeleronで、ストレージがeMMCなので動きはそれなりだが、メモリが8GBあるので、動作に余裕がある。
初期起動、スタート画面(タブレットモード)は1画面。ユーザーサポートのPDFが2つと、マカフィー リブセーフ、マインクラフトがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプルだ。
ストレージは128GB eMMCの「SanDisk DF4128」。Cドライブのみの1パーティションで約115GBが割り当てられ、空き容量は95.9GB。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。
USB 3.0 Type-Cは、DisplayPort Alternate Modeに対応しており、Type-C/DisplayPortケーブルで画面出力可能となっている。
プリインストールのソフトウェアは、同社お馴染みのPDFによる「Windows 10ユーザーガイド」、「ハードウェアマニュアル」と、「マカフィーリブセーフ」、「マインクラフト」。マインクラフトがバンドルされているケースは珍しい(筆者が過去扱ったデバイスでは見たことがない)。
そのほかはデバイス系のドライバなどで、ほとんど素のWindowsに近い状態だ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下の通り。
ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v1.0.1457 | |
PCMark 10 Score | 1,294 |
Essentials | 3,691 |
App Start-up Score | 3,418 |
Video Conferencing Score | 4,275 |
Web Browsing Score | 3,443 |
Productivity | 1,820 |
Spreadsheets Score | 2,041 |
Writing Score | 1,623 |
Digital Content Creation | 877 |
Photo Editing Score | 895 |
Rendering and Visualization Score | 609 |
Video Editting Score | 1,240 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 1,632 |
Creative Accelarated 3.0 | 1,957 |
Work Accelarated 2.0 | 2,254 |
Storage | 4,365 |
3DMark v2.4.4264 | |
Time Spy | 97 |
Fire Strike Ultra | 90 |
Fire Strike Extreme | 142 |
Fire Strike | 317 |
Sky Diver | 1,157 |
Cloud Gate | 2,363 |
Ice Storm Extreme | 13,577 |
Ice Storm | 21,148 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 6.33 fps |
CPU | 101 cb |
CPU(Single Core) | 37 cb |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 203.427 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 100.816 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 32.146 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 15.128 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 32.401 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 14.550 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 9.215 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 12.923 MB/s |
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |
バッテリ残量5%まで | 8時間36分50秒 |
Celeron N3450/Intel HD Graphics 500ということもあり、性能はそれなりだ。とくに3DMarkに関しては、ご覧のように絶望的に遅い。バッテリに関しては、仕様上の動作時間が約8.4時間なので、ほぼ仕様どおりとなった。輝度0%でもそれなりに視認性があるため、この値は実運用に近いと思われる。
以上のように、マウス「MT-WN1201S」は、12型2,160×1,440ドット(3:2)の大型パネル、そしてCeleron N3450/8GB/eMMC 128GBを搭載、キーボードカバーも付属する2in1だ。
性能はそれなりだが、タブレットとしては広めのパネルにMicrosoft Pen Protocol対応デジタイザペンが使えるため、興味のある人も多いのではないだろうか。また4GB/eMMC 64GBの安価なモデルも用意され、購入しやすくなっているのもポイントが高い。
スピーカー出力のパワー不足は残念だが、それ以外に仕様上気になる部分もなく、12型の2in1が欲しいユーザーにおすすめしたい逸品だ。