西川和久の不定期コラム

13型筐体に14型液晶を収めた薄型ノートPC 日本エイサー「Swift 5」

~11万円前後で高コスパ。バッテリで13時間駆動

Swift 5

 日本エイサーは1月31日に、9.98mmという世界最薄を実現した13.3型モバイルノート「Swift 7」を発表、同時に14型で廉価モデルの「Swift 5」も発表された。今回は後者の「Swift 5」の試用レポートをお届けしたい。

狭額縁で13型クラスの筐体に14型パネルを搭載

 「Swift 7」ほど強烈さはないものの、今回ご紹介する「Swift 5」も、狭額縁で13型クラスの筐体に14型のパネルを収め、重量は約1.3kg。廉価版と表現するにはいい意味で少し抵抗がある内容。同クラスの製品と比較すると、十分な魅力を備えた1台に仕上がっている。

 主な仕様は以下の通り。

Acer「Swift 5」の仕様
プロセッサCore i5-7200U(2コア4スレッド、2.5~3.1GHz、キャッシュ3MB、TDP 15W)
メモリ4GB/LPDDR3-1600MHz SDRAM
ストレージSSD 256GB
OSWindows 10 Home(64bit)
グラフィックスプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 620
ディスプレイ14型IPS式1,920×1,080ドット(光沢なし)、タッチ非対応
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.0
インターフェイスUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2(内1つは常時給電)、SDカードスロット、HDMI出力、Webカメラ、音声入出力、指紋センサー、キーボードバックライトあり
サイズ/重量327×228×14.58mm(幅×奥行き×高さ)/1.3kg
バッテリ駆動時間約13時間
価格約11.8万円(筆者調べ)

 プロセッサは型番から分かるようにKaby LakeのCore i5-7200U。2コア4スレッド、クロックは2.5GHzから最大3.1GHz。キャッシュは3MBでTDPは15Wだ。メモリはLPDDR3-1600MHz SDRAMの4GB。ただし増設はできず、メモリの多い上位モデルもないのは残念。ストレージは256GBのSSD。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel HD Graphics 620。外部出力用にHDMIを装備している。ディスプレイは光沢ありのIPS式14型フルHD/1,920×1,080ドット。タッチには非対応だ。

 インターフェイスは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.0、USB 3.0×2、USB Type-C(USB 3.1 Gen 1/ 最大5Gbps)×1、SDカードスロット、Webカメラ、音声入出力、指紋センサー。USB 3.0の一方は常時給電となる。キーボードバックライトがあるのは個人的にポイントが高い。指紋センサーはWindows Helloに対応している。なお、有線LANはない。

 サイズは327×228×14.58mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.3kg。53.9Whの3セルリチウムポリマーバッテリを内蔵し、駆動時間は約13時間とかなり長い。価格.comで実売価格を調べたところ、約11.8万円だった。内容を考慮するとコストパフォーマンスは高いと言える。

前面。パネル中央上にWebカメラ。正面側面が鋭角なのが分かる
内部にアクセスできる小さいパネルはない。中央付近の左右のスリットにスピーカー
左側面。USB 3.0、音声入出力、SDカードスロット
右側面。電源入力、ステータスLED、HDMI、USB 3.0(常時給電)、USB Type-C
アイソレーションタイプのキーボード。タッチパッドは1枚プレート型
キーボードバックライトはオフと2段階の明るさに調整できる
USBコネクタがギリギリ入る薄さ。ヒンジが丸くなっているのがワンポイント
キーピッチは実測で約19mm
重量は実測で1,325gだった
付属のACアダプタはサイズが約50×50×30mm(同)、重量153g。プラグは折り畳めない

 アルミニウムを用いた筐体は質感が高く、キーボード周辺はヘアライン入りで光沢のあるブラック、天板は縦におうとつが入ったマットブラック、ヒンジの部分が(クロームっぽい)シルバーと、なかなかメタリックな感じだ。重量約1.3kgなので重いと言えば重いが、14型としては軽く、厚み14.58mmなので、カバンに入れてもかさばらない。

 前面はパネル中央上にWebカメラ。狭額縁なのが分かる。正面側面は鋭角。裏は、内部にアクセスできる小さいパネルはないものの、仕様上拡張性はなく、特に開ける必要もないだろう。中央付近の左右のスリットにスピーカーが埋め込まれている。

 左側面にUSB 3.0、音声入出力、SDカードスロット。右側面に電源入力、ステータスLED、HDMI、USB 3.0(常時給電)、USB Type-Cを配置。写真からUSBコネクタがギリギリ入る厚みというのが見て取れる。バッテリは内蔵で着脱できない。付属のACアダプタは、サイズ約50×50×30mm、重量153g。プラグが折り畳めないのは残念な部分。

 キーボードは10キーなしのアイソレーションタイプで、オフと2段階に調整可能なバックライトを搭載。主要キーのキーピッチは約19mm。歪な並びもなく、打鍵感も良好だ。タッチパッドは1枚プレート型で左上に指紋センサーがある。パームレストやタッチパッドも十分広く扱いやすい。

 光沢ありの14型フルHDパネルは、明るさ、コントラスト、発色、そしてIPS式なので視野角も文句なし。かなりハイクオリティなものが使われている。バックライトを最小にしても薄暗い部屋なら十分操作できる明るさだ。ブルーライトカット機能も搭載。

 振動やノイズは皆無。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、キーボードの上のスペースがほんのり暖かくなる程度で十分許容範囲だろう。

 サウンドはスピーカーが裏にあるため、机などに音を反射させるタイプだが、このクラスにしては珍しく、音量を最大にするとWindowsが出す効果音でさえうるさく聴こえるほどのパワーを持っている。低音のボリューム感はそれなりだが、全体のバランスが良く、音の抜けも良い。本体だけで十分コンテンツを楽しめる。Acer TrueHarmonyとDolby Audio Premiumの効果大と言ったところか。

 これからも分かるように13型の筐体へ14型のパネルを詰め込んだだけではなく、トータルで品質の高いノートPCに仕上がっている。

高性能はもちろんBBenchで13時間越え

 OSは64bit版のWindows 10 Home。Anniversary Update/RS1適応済だ。パーツ構成はCore i5、メモリ4GB、SSDなので、メモリを必要とする重い処理さえしなければBootもアプリの起動も速く快適に操作できる。

 初回起動時のスタート画面(タブレットモード)は約2画面。NETFLIXなどのアプリが含まれている。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。

 256GBのSSDは「LITEON CV3-8D256」。調べたところM.2タイプだった。C:ドライブのみの1パーティションで約237.35GBが割り当てられ空き217GB。

 Wi-FiはQualcomm製。Bluetoothはメーカーは不明でUSB Moduleとある。USB接続なのだろうか。

スタート画面その1(タブレットモード)。Windows 10標準
スタート画面その2(タブレットモード)。AgodaやNETFLIXなどが含まれる部分がプリインストール
起動時のデスクトップ。壁紙の変更のみとシンプル
デバイスマネージャ/主要なデバイス。256GBのSSDはM.2タイプの「LITEON CV3-8D256」。Wi-FiはQualcomm製、BluetoothはUSB接続となっている
SSDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約約237.35GBが割り当てられている
Intel ラピッド・ストレージ・テクノロジーの設定画面。「LITEON CV3-8D256」は244,198MB

 プリインストールされているのソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「Music Maker Jam」、「Acer Collection」、「App Explorer」。他社も含め、ストアアプリはあまり積極的に使ってないように思える。

 デスクトップアプリは、Acerフォルダに、「abFiles」、「sbPhoto」、「Acer Care Center」、「Acer Portal」、「Acer Power Button」、「Acer Quick Access」、「Acer Recovery Management」、「Acer User Experience Improvement Program」、「Acer ドキュメント」。なお、abFiles、sbPhoto、Acer Portalは、独自のアカウントが必要となる。

 そのほか、「Agoda(ショートカット)」、「Dolby Audio」、「Kingsoft Office」、「Mozilla Firefox」、「マカフィーリブセーフ」。基本的にツール系とKingsoft Office、そして独自のクラウド系の構成と言えよう。Firefoxが入っているのは久々に見た。

Music Maker Jam
App Explorer
Acer Care Center
Acer Recovery Management(Acer Care Centerの一部)
Acer Quick Access
Dolby Audio

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2/Home(accelerated)、BBench。M.2なのでCrystalDiskMarkの結果も見たい。参考までにCrystalMark(2コア4スレッドで条件的には問題ない)のスコアも掲載した。

 winsat formalの結果は、総合 5.9。プロセッサ 7.6、メモリ 5.9、グラフィックス 6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.2。メモリのスコアが5.9なのは64bit版でメモリ4GBのためリミッターがかかっている。バンド幅は21,461.22,740MB/sと結構ある。

 PCMark 8 バージョン2のHome(accelerated)は3232。CrystalMarkは、ALU 48987、FPU 49550、MEM 55237、HDD 36358、GDI 15397、D2D 6332、OGL 14974。CrystalDiskMarkは、Seq Q32T1 Read 548.1/Write 510.3、4K Q32T1 Read 240.0/Write 208.5、Seq Read 453.0/Write 416.5、4K Read 30.39/Write 60.43(MB/s)。

 BBenchは、バッテリ節約機能オン、キーボードバックライトオフ、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果は、バッテリの残5%で48,132秒/13.4時間。

 仕様上バッテリ駆動時間は13時間なのだが、本当に13時間を少し超えた。先に書いたように、バックライト最小でも、少し暗めな部屋なら操作可能な明るさなので、実際もほぼ同じ程度操作可能だと思われる。

winsat formalコマンドの実行結果。総合 5.9。プロセッサ 7.6、メモリ 5.9、グラフィックス 6、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.2
PCMark 8 バージョン2/Home(accelerated)「3232」
PCMark 8 バージョン2のHome(accelerated)/詳細。クロックは600MHz辺りから最大の3.1GHzまでかなり上下に振れている。温度は36℃から64℃と低め
CrystalDiskMark。Seq Q32T1 Read 548.1/Write 510.3、4K Q32T1 Read 240.0/Write 208.5、Seq Read 453.0/Write 416.5、4K Read 30.39/Write 60.43(MB/s)
BBench。バッテリ節約機能オン、キーボードバックライトオフ、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果は、バッテリの残5%で48,132秒/13.4時間
CrystalMark。ALU 48987、FPU 49550、MEM 55237、HDD 36358、GDI 15397、D2D 6332、OGL 14974

 以上のようにAcer「Swift 5」は、狭額縁で13型の筐体へ14型の品質高いパネルを詰め込み、このクラスとしては薄く、そして軽量化したノートPCだ。Kaby LakeのCore i5、メモリ4GB、M.2 SSDと基本性能は抑えた上で、メタリックな筐体、良好なサウンド、打鍵感に優れたバックライト付きのキーボード、そして指紋センサーを備えるなど、メーカーの気合いを感じられる逸品に仕上がっている。

 これだけの内容でメモリが4GB固定なのは残念ではあるが、コンパクトで高品質な14型ノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい1台だ。