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実は最強のメモアプリ!? Mac標準の「スティッキーズ」を使い倒そう

 Macで使うメモアプリといえば、標準の「メモ」を一番に思い浮かべる人がほとんどでしょう。しかし、画面に付箋を貼るような感覚で使える「スティッキーズ」も見逃せません。シンプルかつ気軽に使えるという点では、Mac用メモアプリの中ではピカイチ。ある意味、最強メモアプリの1つとも言えます。ここではそんなスティッキーズの魅力と活用テクニックを紹介します。

デスクトップに付箋を貼る感覚で使えるスティッキーズ。古くからあるMacの標準アプリの1つです

Ventura時代でもスティッキーズを使う理由

 Macの標準メモアプリとして「メモ」が登場して以来、スティッキーズは日陰の存在になりつつあります。

 しかし、スティッキーズは1994年リリースのOS「System 7.5(日本では漢字Talk 7.5)」からMacに標準搭載される、非常に由緒のあるアプリ。長い間絶えることなく存在しているのは、多くのユーザーが愛用し、そこに使い続けるだけの理由があるからです。

 まずは、そんなスティッキーズの魅力を4つほど紹介しましょう。

(1)シンプルだから気軽に使える

 標準の「メモ」は、フォルダによる階層構造でたくさんのメモを効率的に管理できます。しかし、そんな階層構造などを気にせず、もっと気軽にメモを書き留めておきたいと思うときもあるでしょう。

 その点、スティッキーズは非常にシンプルです。メモを書いてデスクトップの片隅に置いておく、基本的にはたったこれだけです。

(2)コンパクトで作業の邪魔になりにくい

 スティッキーズのメモは圧倒的にコンパクトです。メモのサイズは自由に変更でき、極限まで小さくしようとすればファイルアイコン並みのサイズになります。

 また、折りたたんでタイトルバーだけにすることも可能です。複数のメモを画面の片隅に並べておいても、作業の邪魔になりにくいというメリットがあります。

(3)位置や色で直感的に覚えられる

 スティッキーズは、デスクトップの好きな場所にメモを置けます。たとえば、作業手順の覚書は左上、よく使う定型文は左下、一時的な備忘録は右上……など、自分の決めたルールで管理できます。

 また、メモの色も6種類から選ぶことができます。色がバラバラだとごちゃごちゃしているように見えるかもしれませんが、しっかりルール決めすれば案外分かりやすかったりするのです。

(4)常に目に入る場所に置いておける

 デスクトップの片隅に付箋を貼っておけばときどきそこに意識が向き、やり忘れを防ぐことができます。常に目に入る場所にメモがあるということは意外と重要です。

 今どきデスクトップに付箋を貼るなんて…と敬遠する人もいるとは思いますが、スティッキーズのこのような特性を知れば、意外と優れた情報管理ツールであることが分かるでしょう。

 もしスティッキーズを一度も使ったことがないという人は、ぜひ[アプリケーション]フォルダから起動して使ってみてください。

 [ファイル]メニューから[新規メモ]を選ぶと、四角い形をした「スティッキーメモ」(以下、メモ)が表示されるので、そこにテキストを入力するだけで使えます。

スティッキーズは、[アプリケーション]フォルダの中に格納されています
上部の[ファイル]メニューから[新規メモ]をクリックすると、メモが表示されます

スティッキーズの真価を引き出すテクニック10選

 スティッキーズはとても簡単に使えますが、いくつかの活用技を知っておくと使い勝手がグッと向上します。ここでは基本技から応用技まで、押さえておきたいテクニックを10個紹介しましょう。

(1)メモに画像を挿入する

 スティッキーズにはテキストだけでなく画像やPDFも挿入できます。また、マークアップ機能を使って画像に線や図形を書き込むこともできます。

 元の画像ファイルを挿入後に削除しても問題ありませんが、あとでメモから直接画像ファイルを取り出すことはできません。

配置した画像やPDFにはマークアップ機能で書き込みが行なえます

(2)メモの色を変える

 メモの色は、[カラー]メニューから個別に変更できます。自分でルール決めしてメモの内容に合わせて色を変えておくと分かりやすいでしょう。

 また、それぞれの色には[command]キー+[1~6]キーのキーボードショートカットが割り当てられています。覚えておくとよりスピーディーに色を変更できます。

イエロー、ブルー、グリーン、ピンク、パープル、グレイの6種類から色を選べます

(3)位置とサイズを変える

 メモの位置を変えたいときは、メモの上部をドラッグします。また、サイズを変えたいときは、メモの四隅あるいは四辺をドラッグします。

スティッキーズのメモはかなり小さなサイズまで変更できます

(4)メモを折りたたんでタイトルだけにする

 メモの上部をダブルクリックすると、タイトルバーだけになります。タイトルバーだけになったものを再度ダブルクリックすると展開します。

タイトルバー右側の[折りたたむ/開く]ボタンでも折りたためます

(5)メモを常に最前面にする

 [ウインドウ]メニュー→[常に手前に表示]を選ぶと、選択しているメモを最前面に表示できます。作業中に参照し続けたいメモがほかのウィンドウの裏に隠れてしまうのを防げます。

最前面に表示するかどうかはメモごとに決められます

(6)メモを半透明にする

 [ウインドウ]メニュー→[半透明]を選ぶと、メモを半透明にできます。[常に手前に表示]と組み合わせて使うと、メモの裏にあるウィンドウの内容も確認でき、作業スペースを効率的に活用できます。

半透明のオン/オフは、[command]キー+[option]キー+[T]キーというキーボードショートカットでも行なえます

(7)メモを整頓する

 たくさんのメモでデスクトップが雑然としてきたときは、メモを自動で整頓することができます。

 [ウインドウ]メニューの[選択した基準で整頓]から、[カラー][日付][内容][画面上の位置]のいずれかを選びましょう。すべてのメモが画面左上に移動し、メニューで選んだルールに従って一列に並べられます。

整頓するとすべてのメモが折りたたまれてタイトルバーだけになりますが、メモの横幅は元の状態が維持されます

(8)メモ内にリスト項目をつくる

 メモの中に箇条書きの項目を作りたいときは、[option]キー+[tab]キーを押すことでリストを作成できます。

リストの作成中、[tab]キーを押すことでリスト階層を1段下げたり、[shift]キー+[tab]キーを押すことで1段上げたりできます。リスト形式をやめたいときは[return]キーを2回押しましょう。

シンプルなリスト形式が作成できます。行頭のマークは変更できません

(9)メモの作成日と更新日を確認する

 それぞれのメモには作成日や更新日といった情報が存在しています。確認するには、各メモのタイトルバー部分にマウスポインタを移動させ、しばらく待つだけです。

マウスポインタをタイトルバー部分に合わせると、作成日と更新日が表示されます

(10) 選択したテキストからメモを作成

 Safariやメールの中にあるテキストから、すぐにスティッキーズのメモを作成することもできます。文字列を選択したあとで各アプリケーション名のメニュー(たとえばSafariなら[Safari]メニュー)→[サービス]の中にある[スティッキーメモを作成]を選びましょう。

 キーボードショートカット([shift]キー+[command]キー+[Y]キー)を覚えておくと便利です。

[スティッキーメモを作成]を実行すると、画面左上に新規メモができます

スティッキーズとよりよく付き合うためのヒント

 スティッキーズは、良くも悪くも「付箋」をデジタルで再現したものです。自分の好きなように気軽に使えるのは魅力ですが、メモの数が増えるとどうしても画面が乱雑になってしまうというデメリットもあります。

 そのため、スティッキーズで作成したメモはときどき内容を見返し、常に貼っておかなくてもいい情報は思い切って捨ててしまうか、「メモ」アプリに送るという使い方がおすすめです。

 なお、スティッキーズには[すべてをメモに書き出す]という機能があり、これを利用すれば開いているメモをすべて「メモ」アプリに書き出すことができます。

 もし個別のメモだけを「メモ」アプリに移動したい場合は、テキストを全部選択してコピーし、「メモ」アプリ上のメモにペーストするのがいいでしょう。

[ファイル]メニュー→[すべてをメモに書き出す]を選ぶと、開いているメモがすべて「メモ」アプリに書き出されます。[イエロー]や[ブルー]といったフォルダが作成され、メモの色ごとに格納されます
個別のメモは標準テキスト形式などで保存することはできますが、個別に「メモ」アプリに送ることはできません。コピー&ペーストで対応しましょう