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Macの「Spotlight」検索の賢い使い方と活用テクニック

 Mac標準の検索機能「Spotlight」を使うとキーワードを入力してファイル検索を簡単に行なえますが、設定やショートカットで工夫したり、検索テクニックを駆使したりすることで、もっと上手な検索が可能です。また、Spotlightは単なるファイル検索以外にも、アプリの起動や計算、調べ物などさまざまな用途に使えます。Spotlightの基本から応用までを解説します。

一瞬でアプリを起動する

 SpotlightはMac内のファイルを検索するためだけの機能と思っていないでしょうか? 実は私も以前そのように思っていて、正直なところあまり使っていませんでした。

 ファイルを検索するだけならば、Finderウィンドウにある検索窓にキーワードを入力して検索すれば事足りていたからです。

 しかし、Spotlightはファイル検索以外のこともできると知ってからはその有り難みを実感。今ではMacを毎日使ううえで欠かせない「時短」アプリとして活躍しています。

 特に、もっとも頻繁に使うのがDockに登録していないアプリを呼び出すときです。

 Spotlightでアプリを起動するにはアプリ名を検索ウィンドウに入力するだけですが、ここでのポイントは、アプリ名をすべて入力する必要がないことです。たとえば「テキストエディット」を起動したい場合は、「てき」と打てば予測変換が働き、検索結果に「テキストエディット.app」が表示されます。そして、そのまま「return」キーで確定すればすぐにテキストエディットが起動します。

 アルファベットのアプリ名だとスペルが正しく分からない場合も、スペルの一部を入力してみましょう。仮に「Adobe Acrobat」を開きたいなら、「ac」や「adobe」のように入力しても構いません。

 もし複数のアプリが検索結果として表示された場合も、矢印キーの「↓」や「↑」で検索結果が移動できるので、それほど手間にはならないでしょう。

 これまでLaunchpadを使ったり、[アプリケーション]フォルダから探していたりした人は、Spotlightを使うことでアプリ起動の手間が飛躍的に軽減されるはずです。

Spotlightは「command」キー+「space」キー、もしくは「F4」キー(Spotlightアイコンが刻印されているキーボードの場合)を押すと起動します。メニューバーにあるSpotlightのアイコンをクリックしてもいいですが、ポインタ操作が必要なのでキーボードショートカットを使ったほうが楽でしょう
起動したアプリ名を入力します。入力欄にアプリのアイコンが表示されたら「return」キーを押すだけでアプリがすぐに起動します
アプリのスペルが不確かでも、一部を入力すれば予測して候補を表示してくれます。複数候補がある場合は矢印キーの「↑」「↓」を押せば、フィールド内を移動できます

直近に使ったファイルを探し出す

 Spotlightの素晴らしさを伝えるためにアプリの時短起動について一番に説明しましたが、Spotlightはいくつかのテクニックを駆使することでファイル検索をより効率的に行なうことができます。

 たとえば、私は、直近で使ったファイルを開くときに便利に活用しています。

 Spotlightを起動してファイル名の一部を入力すると検索結果がリスト表示され、通常はここで矢印キーの「↓」を押し続けたり、ポインタ操作して目的のファイルを見つけ出すでしょう。

 しかし、検索結果は[書類][スプレッドシート][フォルダ][PDF書類]などのカテゴリごとに分かれてそれぞれ表示されるので、該当項目がたくさんあると目的のファイルに辿り着くまでに時間がかかってしまいます。

 そこで、おすすめなのが「command」キー+「↓」(または「↑」)のキーボードショートカットです。この方法を使えば矢印キーの「↓」を押したときのように検索結果を上から1つずつ辿る必要がなく、手っ取り早く次のカテゴリにジャンプできます。

 探しているファイルが下のほうのカテゴリにある場合は、特に素早く目的のファイルに辿り着くことが可能です。

 そしてファイルを見つけたら「return」キーを押せば、すぐにファイルを開くことが可能。ファイルが格納されている保存先フォルダを開きたいときは、「command」キー+「return」キーを押しましょう。

 なお、ファイル名を忘れてしまって見当がつかない場合は、「最近の」と入力して「最近の項目」を呼び出すのがおすすめです。

検索ウィンドウにファイル名(の一部)を入力し、検索結果を表示します。「command」キー+「↓」(または「↑」)キーを押すと項目間を素早く移動できます
ファイルを選択して「command」キー+「return」キーを押すと、そのファイルの保存先フォルダを開けます

AND検索やNOT検索で効率化

 Spotlightでファイルを検索する際は、単にキーワードを1つ入力するのではなく、通常のWeb検索のようにAND検索やNOT検索を活用すると検索効率が大幅に高まります。

 キーワードの間にスペースを入れるとAND検索、一方でキーワードの間(キーワードの前)にマイナス記号「-」を入れるとNOT検索で除外することができます。

 また、検索キーワードの最後に「種類:」と入力して項目を絞り込むことができるのも知っておきましょう。たとえば「種類:フォルダ」と入力すると、フォルダ名に検索キーワードを含むフォルダだけがリストアップされます。

 さらに、特定のアプリのみに検索をかけることも可能です。

 たとえば「Apple 種類:メール」と入力すると、メールアプリ内で「Apple」を含むメールだけがリストアップされます。

 「種類」以外にも「名前」「差出人」「件名」「見出し」「作成者」など項目の検索に使用できるさまざまなキーワードがありますので、いろいろと試してみてください。

通常のWeb検索と同様に、キーワードの頭に「-」を入れて検索結果から除外することもできます。ここでは検索結果からPDF書類の除外をしています
キーワードの最後に「種類:」を入れてキーワードを追加すると、項目の絞り込みができます。ここでは検索結果からフォルダのみに絞り込みをしました
「種類:メール」と入力すると、キーワードを含むメールだけを探すことができます

設定を変更して使いやすくする

 Spotlightは書類以外にも写真や音楽、Webページなどさまざまな項目を検索できます。検索対象が広いのはよいことですが、検索するたびに無関係な結果まで表示されるとイライラするに違いありません。

 そんなときは「システム設定」からSpotlightの検索対象を絞ってみましょう。

 「システム設定」を開いてサイドバーから[SiriとSpotlight]を開くと、[検索結果]という項目が表示されます。ここでSpotlight検索した際に検索結果にしたくない項目のチェックを外します。

 たとえば、[フォント]などは通常あまり検索することもないでしょうから除外しておきましょう。

 また、ここで[システム設定]が検索対象になっていれば「システム設定」の各設定項目を検索することもできます。たとえば、「Siri」や「Spotlight」と入力すると、「システム設定」の設定画面を素早く開けます。

 ちなみに、Spotlightの検索結果には[デベロッパ]という項目が表示されますが、デフォルトでは「システム設定」に[デベロッパ]の項目はないのでチェックを外すことができません。

 解決策としてはApp Storeから「Xcode」アプリをインストールすると、システム設定に[デベロッパ]項目が表示されるようになり、チェックが外せるようになります。

 やや上級者向けにはなるのでここでは割愛しますが、「ターミナル」からコマンドを実行することでも可能です。

Spotlight検索をしたときに検索結果から除外したい項目のチェックを外します
Spotlightに「Siri」や「Spotlight」と入力すると、システム設定の[SiriとSpotlight]の設定画面がすぐに開きます
Mac App Storeから「Xcode」アプリをインストールすると、除外可能な項目として[デベロッパ]が選択できるようになります。

そのほかの便利テクニック

 ここまでSpotlightの活用テクニックをいくつか紹介してきましたが、そのほかにもSpotlightには知っておくと便利な技がいろいろとありますので、ここからは主要なものをハイライトで紹介します。

(1)検索結果をクイックルックでプレビューする

 macOS Monterey以前のSpotlightの検索結果は、検索ウィンドウの右サイドにプレビュー表示されました。

 しかし、最新のmacOS Venturaでは、プレビューの代わりにクイックルックが使えるようになっています。対応するファイルの場合は、検索結果から表示したいファイルを選び「space」キーを押せば内容がプレビューされます。

開きたい検索結果を選択して「space」キーを押すと、クイックルックでファイルの内容を確認できます。ファイルやフォルダ以外にWebページの検索結果などもプレビューできます

(2)Spotlightで簡単な計算や単位の換算をする

 Spotlightは計算機の代わりにも使えます。使い方は簡単で検索ウィンドウに「+」や「-」「*」「/」などの演算記号を入力するだけです。

 たとえば商品の税込価格を計算したり、割り勘の計算をするなど、日常のちょっとしたシーンでササっと計算をしたいときに便利です。

 また、通貨や寸法、温度などの単位を変換したいときにも利用でき、たとえば「100円」と入力すると自動的にドルで換算してくれます。

 さらに、クイックルックで詳細を開くと、ユーロや英国ポンドといった通貨の換算結果も確認ができます。

 同様に「100ヤード」といれてメートルに変換したり、「100分」を時間に変換したりもできるので覚えておくと役立ちます。

Spotlightに計算式を入力すると、計算結果がフィールド上に表示されます。足し算や引き算、かけ算、割り算のほか、関数計算も対応します
Spotlightに「100円」など具体的な金額を入れると、ドルに換算した結果を表示します。同じく「100ドル」と入れると円に換算を行ないます
クイックルックで開くと、ドル以外の通貨の換算結果も確認できます
通貨以外にも時間や距離、温度などさまざまな変換に対応します

(3)タイマーやアラームをセットする

 macOS Venturaでは、Spotlightが一部のアプリと連係するようになり、すばやくタイマーやアラームをセットしたり、集中モードのオン/オフを切り替えたりできるようになりました。

 たとえばSpotlightで「タイマーを開始」と入力して「return」キーを押すと、時計アプリのタイマーの画面が即座に起動し、すぐにタイマーが開始できます。

 なお、macOS Monterey以前のバージョンでも「ショートカット」アプリとの連係は可能なので、あらかじめ「ショートカット」アプリ上で動かしたいショートカットを作成しておけば、Spotlightからすぐに実行できます。まだVenturaに移行していない人もぜひ試してみてください。

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Spotlightに「タイマーを開始」や「アラームを作成」などと入力すると時計アプリの設定パネルが表示され、すぐに開始できます。

集中モードの設定を済ませた状態で「集中モードのオン」と入力すれば、すぐに開始可能です。終了する場合はSpotlightで「集中モードをオフ」と入力します
準備として、ショートカットアプリで使いたい機能のショートカットを作成しておきます
Spotlightでショートカット名を入力すると、すぐにショートカットが実行できます

 そのほかにも、Spotlightを使えば辞書をすばやく調べたり、ニュースをサクッと確認したり、画像の検索を行なったりと、幅広い使い方ができます。

 これまでほとんどSpotlightを使っていなかったという人は、まずはよく使うアプリや設定を呼び出すところから始めてみるといいでしょう。