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Macのパスワードを忘れてしまったら、どうする?
2022年3月11日 06:42
パスワードを忘れてしまってMacにログインができなくなっても慌てることはありません。ユーザアカウントに関連付けられたApple IDの情報さえわかっていれば、簡単にログインパスワードは復旧可能です。ただし注意したい点は、設定やマシン環境の違いなどで、表示されるメニューやプロセスが異なる点です。また稀なケースですが、環境によってはデータ消失のバッドエンドにつながることも……。まさかの事態を避けるためにも、パスワード忘れに備えてMacの各種設定を確認し、実際のリセット方法についてもあらかじめ理解しておきましょう。
FileVaultの設定を確認しよう
Macのログインパスワードを忘れてしまったときに備えてまず確認しておきたいのが、Macの起動ディスクを暗号化して不正アクセスを阻止する機能である「FileVault」です。
FileVaultをどのように設定しているかによってパスワードのリセット方法が異なりますので、「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」パネルにある「FileVault」タブを開いて確認しておきましょう。
もしFileVaultがオフになっている場合は「FileVaultをオンにする」をクリックして、試しに有効化してみてください。すると、ログインパスワードのリセットを行なうための2つの選択肢が出てきます。
iCloudアカウントを使用するか、28文字の復旧キーを使用するかのいずれかです。Macのログインパスワードを忘れたときにどちらでリセットするかをここで決定することができます。
すでにFileVaultがオンになっていてどちらを選択したかを覚えていない人は、一度FileVaultをオフにしたあと再度有効化して設定し、しっかりと覚えておきましょう。
なお、iCloudアカウントのパスワードとFileVaultの復旧キーを両方とも忘れてしまった場合は、Macにログインしたり、起動ディスク上のデータにアクセスしたりできなくなりますので注意が必要です。
iCloudアカウントか復旧キーでリセット
では、ここからは実際のログインパスワードのリセット方法を解説していきます。
まずFileValutを有効化している場合は、ログイン画面でパスワードの入力を3回間違えると、「再起動してパスワードリセットのオプションを表示」というオプション画面(以下、リセットオプション)が表示されますので、それをクリックします。
するとMacが再起動して「パスワードをリセット」アシスタントが開かれ、iCloudアカウント(Apple ID)または復旧キーの入力画面が表示されますので入力します。どちらの画面が表示されるかは、前述したFileValutの設定に基づきます。
そしてApple IDまたは復旧キーが問題なく認証されれば、新しいパスワードの設定画面へと移り、設定後にMacを再起動すると新しいパスワードでMacへログインできるようになります。
FileVaultがオフの場合はどうする?
次にFileVaultをオフにしている場合のパスワードリセット方法を見ていきましょう。
ここで重要なのが、システム環境設定の「ユーザとグループ」パネルの設定です。「Apple IDを使用してパスワードをリセットすることを許可」にチェックが入っていれば、ログイン画面でパスワードの入力を3回間違えたときに「Apple IDを使ってリセットできます」と表示され、ここから最終的に「パスワードをリセット」アシスタントを開いてリセットできます。
しかし、「Apple IDを使用してパスワードをリセットすることを許可」がチェックされていないと、ログインパスワードを3回間違ってもリセットオプションが表示されず、「パスワードをリセット」アシスタントを呼び出せません。
この場合は、次に説明する「macOS復旧」を呼び出してターミナル操作を行ない、「パスワードをリセット」アシスタントを呼び出しましょう。
なお、「Apple IDを使用してパスワードをリセットすることを許可」というメニューは、FileVaultがオンになっている場合は表示されません。
「macOS復旧」からリセットする
FileVaultがオフになっていてログイン画面でリセットオプションが表示されない場合は、前述したように「macOS復旧」を使って「パスワードをリセット」アシスタントを呼び出す必要があります。
「macOS復旧」を呼び出すには、インテル製CPUを搭載したMac(以下、インテルMac)は起動時に「command」キー+「R」キーを長押しします。
一方、Appleシリコンを搭載したMacでは起動時に電源ボタンを起動オプションのウインドウが表示されるまで長押しして、「オプション」を選ぶと「macOS復旧」が起動します。
そしてmacOS復旧が起動したら、「ユーティリティ」メニューから「ターミナル」を選択し、「resetpassword」と入力して確定すれば「パスワードをリセット」アシスタントが起ち上がります。
ターミナルの操作は慣れていないと不安に感じるかもしれませんが、ここでは「パスワードをリセット」アシスタントを起動するために入力するだけなので、それほど難しくはないでしょう。
別のユーザがパスワードを忘れたら管理者側でリセット
ここまで解説した方法を試せば、Macを1ユーザで利用している環境ならたいていの場合はパスワードをリセットできるでしょう。もしそれでもうまくいかない場合はAppleのサポートに問い合わせてみてください。
ちなみに、1台のMacを家族などの複数のユーザで利用している場合は、自分以外のユーザがログインパスワードを忘れてしまうことがあるかもしれません。
その際は、そのMacの管理者がシステム環境設定の「ユーザとグループ」パネルからユーザを選択して、「パスワードをリセット」をクリックすることでリセットすることが可能です。
また、こうした事態に備えて「ユーザとグループ」パネルで別のユーザに「Apple IDを使用してパスワードをリセットすることを許可」にチェックを入れておけば、ユーザ自身でApple IDを使ってパスワードリセットが可能になります(FileVaultがオフの場合)。
「ユーザとグループ」パネルからユーザを選択する際には管理者パスワードが必要ですので、万が一、管理者もパスワードを紛失している場合はリセットオプションまたはmacOS復旧のどちらかで「パスワードをリセット」アシスタントを呼び出して解決しましょう。
Apple IDはパスワード紛失のリスクを減らしておこう
ここまで見てきたように、MacのログインパスワードのリセットにはApple IDの情報が不可欠です。しかし、Apple IDのパスワードは複数回入力を間違ってしまうと、アカウントの所有者本人がロックアウトされる可能性があります。
そこでApple IDにログインできなくなる事態に備えて、家族や友人などを復旧用連絡先として登録しておくのが得策です。復旧用連絡先の条件は、13歳以上でApple IDの2ファクタ認証が有効であり、デバイスのパスコードが設定されている必要があります。
また、macOS Monterey以降を搭載したMacおよび、iOS 15またはiPadOS 15以降を搭載したiPhone、iPad、iPod touchを使っているユーザが対象です。
復旧用連絡先を指定しておくと、もしパスワード紛失などを自分が起こしてしまっても、復旧用連絡先に送られる6桁のコードを教えてもらい、自分のデバイスに入力。本人確認が完了すればApple IDのパスワードをリセットできます。