パナソニック「Let'snote SX1 CF-SX1GETDR」
~優れた堅牢性を維持しつつ大幅な薄型化を実現



パナソニック「Let'snote SX1 スタンダード(SSD)モデル CF-SX1GETDR」

2月24日 発売

価格:オープンプライス



 パナソニックは、人気モバイルノート「Let'snote」シリーズの新モデルとなる「Let'snote SX」シリーズと「Let'snote NX」シリーズを2月24日より発売する。Let'snote SおよびLet'snote Nシリーズの後継モデルで、従来モデルと同等の堅牢性を維持しつつ、大幅な薄型化を実現している。今回、この新シリーズの中から、光学ドライブとSSDを内蔵する「Let'snote SX1 スタンダード(SSD)モデル CF-SX1GETDR」(以下、SX1)を取り上げ、ハード面を中心に紹介する。

●最大11.2mmの薄型化を実現

 SX1の最大の特徴となるのが、従来モデルであるLet'snote Sシリーズと比較して、最大で11.2mmの薄型化を実現している点だ。従来モデルと並べて比較するまでもなく、一見しただけで非常に薄くなったということがわかるほどだ。

 Let'snoteシリーズは、軽量でバッテリ駆動時間が長く、堅牢性に優れることから、ビジネスシーンを中心に広く支持されているモバイルノートだ。ただ、大きな弱点もあった。それは、本体が厚いという点だ。例えば「Let'snote S10」(以下、S10)では、高さが23.4~38.7mmとなっており、このクラスのモバイルノートの中で最も厚いと言ってもいいほどだ。優れたモバイル性を実現しているのは間違いないが、この厚さではカバンに入れる時などかなりかさばってしまい、かなり気になっていたのも事実。

 しかしSX1では、高さが25.4mmと、従来モデルからの大幅な薄型化を実現。実際にS10と横に並べてみると、とにかく圧倒的と言っていいほどの薄型化を実現していることがわかる。また、前方から後方までほぼフラットな形状になっていることで、カバンなどへの収納性は大幅に高まったと言える。

 この薄型化は、液晶天板部分の形状と、本体のキーボード面の素材を見直したことで実現されている。天板部分は、従来までのLet'snoteシリーズでおなじみの、凹凸のボンネット構造は受け継がれているものの、凹凸の高さが薄く、なだらかになっている。これによって、液晶部はS10の8.9mmから6.2mmへ薄型化。また、従来モデルではプラスチック素材を利用していたキーボード面の素材を、天板や底面と同じマグネシウム合金に変更。これにより本体側も薄くでき、最大11.2mmもの薄型化を実現したわけだ。

側面から見た様子。後方に足があるため、やや後方が高く鳴っているが、本体の高さは前方から後方までほぼ均一の25.4mmとなっている従来モデルのLet'snote S10との比較。横に並べるとSX1が圧倒的に薄くなっていることがわかる天板部分のボンネット構造の凹凸が薄くなっており、液晶部だけでも2.7mm薄くなっている
こちらはS10のボンネット構造。比べると、SX1の凹凸の薄さがよくわかるはずだ従来までプラスチック素材を採用していたキーボード面にもマグネシウム合金を採用し、薄型化を実現側面から見ると、本体部もかなり薄くなっていることがわかる

●薄くなっても堅牢性は従来どおり

 従来のLet'snoteシリーズの本体の厚さには理由がある。それは、76cm底面垂直方向落下試験と、100kgf加圧振動試験をクリアする、優れた堅牢性を実現するためだ。優れた堅牢性は、Let'snoteシリーズとして欠かせない特徴でもあり、そのためにはどうしても本体を厚くしなければならなかった。

ボンネット構造は薄くなったが、段差部分を厚く成型することにより、従来同様の強度を実現している

 今回SX1で薄型化を実現したとは言っても、堅牢性が失われてはLet'snoteシリーズとしての魅力が失われてしまう。しかし、Let'snoteシリーズを名乗っていることからもわかるように、SX1でも76cm底面垂直方向落下試験と、100kgf加圧振動試験をクリアする堅牢性はきちんと維持されている。

 例えば、天板部分のボンネット構造は、従来モデルより凹凸がなだらかになっているが、段差部分を従来より厚く成型することによって、従来と同様の強度を実現。実際に天板部分を手で押してみても、従来モデルと比べて強度に不安を感じることはなかった。

 また、本体部分も底面とキーボード面双方にマグネシウム合金を採用することにより、薄型化と強度を両立している。薄くなっただけでなく、堅牢性がきちんと維持されているという点は、SX1の大きな魅力だ。

●軽さや長時間のバッテリ駆動時間も維持

 Let'snoteシリーズの魅力である、軽さや長時間のバッテリ駆動時間もしっかり維持されている。

 今回取り上げているSX1 スタンダードモデルには、容量6,800mAhの「軽量バッテリーパック(S)」と、容量13,600mAhの「標準バッテリーパック(L)」の2種類のバッテリが同梱されるが、軽量バッテリーパック(S)を装着した場合の重量は約1.12kg、標準バッテリパック(L)を装着した場合の重量は約1.33kgとされている。S10のHDD搭載モデルでは、標準バッテリーパック搭載時で約1.34kg、別売の軽量バッテリー搭載時で約1.175kgとされており、そちらよりも軽量だ。

 ちなみに、SX1の重量の実測値は、軽量バッテリーパック(S)装着時で1,095g、標準バッテリーパック(L)装着時で1,296gと、双方とも公称値より軽かった。また、バッテリは本体後部に装着するが、標準バッテリーパック(L)装着時には、バッテリが本体後部に飛び出す形となるため、やや奥行きが長くなる。

 バッテリ駆動時間は、軽量バッテリーパック(S)装着時で約8.5時間、標準バッテリーパック(L)装着時で約17時間とされている。こちらも、従来モデル同様、このクラスのモバイルノートとして飛び抜けた駆動時間となっている。

 そこで、実際にバッテリ駆動時間を計測してみた。Windows 7の省電力設定を、Let'snoteオリジナルの省電力設定「パナソニックの電源管理(省電力)」に設定するとともに、無線機能は無線LANのみを有効にした状態で、BBenchを利用してキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測した。すると、軽量バッテリーパック(S)装着時で約7時間45分、標準バッテリーパック(L)装着時で約15時間50分と、公称値には届かなかったが充分に長い駆動時間が計測された。標準バッテリパック(L)装着時には、省電力モードで利用しなくても、1日外出して利用する場合でも充電の必要性はほぼないと考えられる。

バッテリ駆動時間(BBench利用)
軽量バッテリーパック(S)装着時約7時間45分
標準バッテリーパック(L)装着時約15時間50分

SX1 スタンダードモデルには、、容量6,800mAhの「軽量バッテリーパック(S)」(下)と、容量13,600mAhの「標準バッテリーパック(L)」の2種類のバッテリが同梱される軽量バッテリーパック(S)装着時の本体重量は、実測で1,095gだった
標準バッテリーパック(L)装着時の本体重量は、実測で1,296gと1.3kgを切っていた標準バッテリーパック(L)を装着すると、バッテリ部分が本体後部に飛び出し、奥行きが長くなる

●1,600×900ドット表示対応の12.1型ワイド液晶を搭載

 SX1には、薄型化に加えて、もう1点従来モデルから大きく仕様が変更されている部分がある。それは、搭載されている液晶パネルだ。従来モデルでは、1,280×800ドット表示対応の12.1型ワイド液晶が搭載されていたのに対し、SX1では1,600×900ドット表示対応12.1型ワイド液晶へと変更された。アスペクト比が16:9になるとともに、表示解像度が高められているのだ。

 液晶サイズそのままに表示解像度が高められたため、従来モデルと比較して、表示される文字のサイズはかなり小さくなったという印象を受ける。ただ、ドットピッチはLet'snote Jシリーズに搭載されている1,366×768ドット表示対応10.1型液晶とほぼ同じで、表示される文字が極端に小さく見づらいということはない。なにより、表示解像度が高まり、一度に表示できる情報量が増えたという点は大きな魅力となるはずだ。

 液晶の表示品質は、従来モデル同様、文字表示を中心とした、ビジネスシーンでの利用を重視した品質となっている。上下の視野角はやや狭く、またパネル表面が非光沢処理となっているため、発色の鮮やかさも弱い。それでも、従来モデルではやや青の発色が強く感じられていたのに対し、SX1では青の発色が弱まり、自然な発色が実現されているように感じた。そのため、デジカメ写真などを表示させた場合でも、従来モデルより表示品質が高まったように感じる。もちろん、映像の表示品質を重視した液晶パネルではないが、表示解像度が高められたことと合わせ、個人的に評価したい部分だ。

 液晶パネルが変更されるとともに、液晶パネル上部中央に720pの撮影が可能なWebカメラとマイクも標準搭載されるようになった。これにより、Web会議などもやりやすくなっている。こういった点も、ビジネス用途を意識した機能強化と言える。

1,600×900ドット表示対応の12.1型ワイド液晶を採用。アスペクト比が16:9となり表示解像度が高まっているパネル表面は非光沢処理が施され、光沢液晶と比べ発色の鮮やかさは劣る。また上下の視野角も狭い。ただ発色は従来モデルより自然だS10の液晶は、やや青の発色が強く、写真などを表示させた場合の品質がやや劣る
本体後部にバッテリを搭載するようになったこともあり、液晶部のヒンジの構造が変更されているヒンジ構造が変更されたことで、液晶パネルは180度以上開くようになった液晶パネル上部中央には、720p撮影に対応するWebカメラとマイク(左の穴)が標準で搭載される

●Jシリーズで採用されたリーフトップキーボードを採用

 キーボードは、従来モデルと同じ、キーピッチ横19mm、縦16mmの長方形キーを採用しており、キー配列もほぼ同じだ。ただ、キーの形状が変更されている。キートップの左上と右下の角を丸く切り取った、独特の形状となっている。これは、「Let'snote J」シリーズで採用された、リーフトップキーボードと同じだ。この形状により、タイピング時に指を移動させる場合でも、指先がキーに引っかかることなく、スムーズにタイピングできるとしている。確かに、実際にタイピングしてみても、なかなかスムーズなタイピングが可能だった。

 ファンクションキー部分はキートップがわずかに凹んでいる。ファンクションキー部分はピッチが狭くキー自体が小さいが、この凹みによって指へのなじみがよく、こちらも比較的操作しやすいと感じた。

 そして、従来モデルのキーボードから大きく変わったと感じるのは、キーボードのたわみがほとんど感じられなくなったという点だ。これは、キーボード面のボディ素材にマグネシウム合金が採用されたことによるものだ。ボディの剛性が高まったことで、キーボードのたわみも感じられなくなったというわけだ。個人的には、キートップの形状変更より、この部分にかなり魅力を感じた。

 ところで、SX1のキーボードでは、Fnキーが下段左側だけでなく、右Ctrlキーの横にも配置されている。右側にもFnキーを配置しているのには意味がある。SX1では、Back space(BS)キーに、Fnキーとの併用で「Ctrl+Alt+Del」の機能が割り当てられている。これによって、右手だけでCtrl+Alt+Delが押せるのだ。Let'snoteはビジネスシーンでの利用が中心で、セキュリティを高めて利用されることが多く、ログオン時にCtrl+Alt+Delを押すシーンが多い。そこで、右側にFnキーを配置するとともに、Fn+BSにCtrl+Alt+Delを割り当てることで、片手でCtrl+Alt+Delが入力できるようになり、本体を持って利用する場合の利便性を高めているというわけだ。また、Fnとカーソルキーとの併用で利用できる、PgUpやPgDnなどの入力も容易となる。

 ただ、右にFnキーを配置したことにより、スペースキー右側のキーのピッチが従来モデルよりやや狭くなった。さらに、カーソルキーも一段下がった位置ではなく、「↑」が右Shiftキーの左側に配置されるようになったことで、「<」や「>」などのピッチも狭くなっている。利便性が大きく損なわれているわけではないが、カーソルキーが一段下がっていない点は少々気になる部分だ。

 ポインティングデバイスは、従来モデル同様、円形のホイールパッドを搭載する。ジョグダイヤルのようにパッド周辺部をくるくるなぞることによるスクロール操作ももちろん可能で、従来モデル同様軽快な操作が可能だ。

キーボードは、一部配列が変更されているが、主要キーの配列はほぼ従来モデルと同等となっているキートップは、左上と右下の角が丸く切り取られた、リーフトップ形状となっている。これは、Let'snote Jシリーズのキーボードと同じだ主要キーのキーピッチは、横19mm、縦16mmと従来モデルと同じ
右Crtlキーの右側にもFnキーを配置、また、カーソルキーが下がっていない。これにより、この周辺のキーはピッチがやや狭くなっているBack spaceキーには、Fnキーとの併用で「Ctrl+Alt+Del」入力が割り当てられている
このように、片手でCtrl+Alt+Del入力が可能だポインティングデバイスは、おなじみの円形のホイールパッドを搭載する

●基本スペックは従来モデルとほぼ同じ

 では、SX1の基本スペックを確認していこう。

 CPUは、Core i5-2540M vPro(2.60/3.30GHz)を採用し、メインメモリは標準で4GB、最大8GB搭載可能。メインメモリの増設は、本体底面のフタを開けることで行なえる。チップセットはIntel QM67 Express、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000が利用される。

 ストレージデバイスは、今回試用したモデルでは128GBのSSDを搭載しているが、500GBまたは250GBのHDDを搭載するモデルも用意される。試用機では、SSDとして東芝製の「THNSNC128GNSJ」が採用されていた。また、光学ドライブとしては、パームレスト右側部分にDVDスーパーマルチドライブ仕様のシェルドライブを搭載する。

 無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANおよびモバイルWiMAX、Bluetooth 2.1+EDRを標準搭載。個人向けでは搭載モデルは用意されないが、法人向けではワイヤレスWANの搭載も可能だ。

 側面のポートは、左側面にHDMI出力とアナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、USB 3.0×2ポートが、右側面にGigabit EthernetとUSB 2.0×1ポート、SDカードスロット、電源コネクタをそれぞれ用意する。また、正面には電源スイッチと無線機能のON/OFFスイッチ、ヘッドフォン、マイクの各端子が用意されている。

 ところで、左側面のUSB 3.0ポートのうち、「CHARGE」と書かれた左側のポートは、スリープ時や電源オフ時でも給電が可能となっており、各種USB機器の充電が可能。しかもSX1ではポートの出力電流が最大1.5Aに強化されており、スマートフォンなど充電時に大電流を要求する機器も充電可能としている。実際に手持ちのスマートフォンを接続してみたが、問題なく充電が可能だった。

 本体サイズは、標準バッテリーパック(L)装着時が295×216.2×25.4mm(幅×奥行き×高さ)、軽量バッテリーパック(S)装着時が295×197.5×25.4mm(幅×奥行き×高さ)となる(高さは最厚部が31.5mm)。S10と比較すると、幅はやや広くなったが、軽量バッテリーパック(S)装着時には奥行きは短くなっている。

 付属品は、軽量バッテリパック(S)と標準バッテリパック(L)の2種類のバッテリに加えて、標準のACアダプタと、小型軽量のミニACアダプタが付属する。標準のACアダプタは従来モデルに付属するものとほぼ同じもので、軽量かつコンパクトだが、ミニACアダプタは標準よりも一回り小さく、重量も100g以上軽い。ミニACアダプタは出力が小さいため、本体稼働中のバッテリ充電は行なえず、スリープまたは電源オフ時でなければバッテリ充電が行なえないものの、本体と同時に持ち歩く場合など、荷物の重量を極力軽くしたい場合などに役立つはずだ。

 なお、SX1には、スマートフォンと連携し、スタンバイ状態のSX1をBluetooth経由でスマートフォンから起動したり、スマートフォンとSX1を無線LANで接続してスマートフォンからSX1を操作するといった機能も実現されるが、今回はこの機能に対応するスマートフォンを試用できなかったため、試すことはできなかった。この機能に関しては、今後対応スマートフォンが入手可能になった時点で、改めて紹介したいと思う。

本体正面。天板のボンネット構造が低くなり、正面から見てもフラットに見える左側面。後方の足を除けば、本体部分の高さはほぼ均一だ本体後方。バッテリは後方部分に装着する形状に変更された
右側面。ポートの搭載位置も従来モデルから変更されている軽量バッテリーパック(S)装着時のフットプリントは、295×197.5mm(幅×奥行き)となるS10と比較すると、幅が若干広くなり、奥行きは短くなっている
標準バッテリーパック(L)装着時には、このようにバッテリが後方に飛び出し、奥行きが216.2mmとなる左側面には、HDMI出力、アナログRGB出力、USB 3.0×2ポートを用意右側面には、Gigabit Ethernet、USB 2.0×1ポート、SDカードスロット、電源コネクタを用意
正面には、電源ボタン、無線機能のON/OFFスイッチ、ヘッドフォン、マイクの各端子を用意するパームレスト右側には、おなじみのシェルドライブを搭載。DVDスーパーマルチドライブ仕様だUSB 3.0ポートのうち1つは、電源が切れている状態でも電力供給が可能で、USB対応周辺機器の充電が行なえる
専用ツールを利用すれば、出力電流を最大1.5Aに設定でき、スマートフォンの急速充電も可能となる本体底面のフタを開けると、メインメモリ増設用のSO-DIMMスロットにアクセスできる内蔵ストレージのSSDやHDDは、背面のバッテリスロット部から取り出せる
試用機のSX1 スタンダード(SSD)モデルには、東芝製の128GB SSD「THNSNC128GNSJ」が搭載されていたSX1 スタンダードモデルには、標準のACアダプタに加え、小型軽量のミニACアダプタが同梱される。ただしAC駆動とバッテリ充電は排他利用となるミニACアダプタには、着脱式のプラグコネクタが取り付けられている
標準ACアダプタの重量は、電源ケーブル込みで253gだったミニACアダプタの重量は、プラグコネクタ込みで130gと、標準より123gも軽い

●完成度の高いビジネス向けモバイルノートを探している人にオススメ

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.0.4」と「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」に加え、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」の7種類。比較用として、Let'snote S10 15周年記念モデル CF-S10EYTDR、富士通のLIFEBOOK SH76/DN、LIFEBOOK PH75/DN、レノボのThinkPad X1の結果も加えてある。

 Let'snote SX1 CF-SX1GEthRLet'snote S10 CF-S10EYthRLIFEBOOK SH76/DNThinkPad X1LIFEBOOK PH75/DN
CPUCore i5-2540M (2.60/3.30GHz)Core i5-2540M (2.60/3.30GHz)Core i7-2620M (2.70/3.40GHz)Core i5-2520M (2.50/3.20GHz)Core i5-2520M (2.50/3.20GHz)
チップセットIntel QM67 ExpressIntel QM67 ExpressIntel HM65 ExpressIntel QM67 ExpressIntel HM65 Express
ビデオチップIntel HD Graphics 3000Intel HD Graphics 3000Intel HD Graphics 3000Intel HD Graphics 3000Intel HD Graphics 3000
メモリPC3-8500 DDR3 SDRAM 4GBPC3-8500 DDR3 SDRAM 4GBPC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×2PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×1PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×2
ストレージ128GB SSD (THNSNC128GNSJ)128GB SSD (THNSNC128GBSJ)256GB SSD (THNSFC256GBSJ)128GB SSD (THNSNC128GCSJ)256GB SSD (THNSNC256GG8BBAA)
OSWindows 7 Professional SP1 64bitWindows 7 Professional SP1 64bitWindows 7 Professional SP1 64bitWindows 7 Professional SP1 64bitWindows 7 Home Premium SP1 64bit
PCMark 7 v1.0.4
PCMark score33763290---
Lightweight score35043348---
Productivity score29772839---
Creativity score60065787---
Entertainment score24262423---
Computation score82088187---
System storage score42944087---
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite1091911185113261150812207
Memories Suite56445684683164166624
TV and Movies Suite44154517495345764834
Gaming Suite68176724974778549374
Music Suite1390513708137921346815079
Communications Suite1264911681128591296113143
Productivity Suite1426514286131541332615262
HDD Test Suite2921422494241882413825488
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/AN/AN/AN/A
CPU Score83899572953192558753
Memory Score549577721037985419884
Graphics Score40814155648845265448
HDD Score3255427128318603343632509
3DMark Vantage Bulld 1.0.1 0906a 1,280×1,024ドット
3DMark Score15001555197616951896
GPU Score11871222156013321519
CPU Score71668480990091887439
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score32213310472937794568
SM2.0 Score10471058160512351554
HDR/SM3.0 Score12971322187915091861
CPU Score29503638368935673036
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.17.17.17.17.1
メモリ5.95.97.55,97.5
グラフィックス4.44.35.94,76.2
ゲーム用グラフィックス6.16.16.36,26.2
プライマリハードディスク6.96.86.76,77.0
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】
1,280×720ドット14341446217016342120
1,920×1,080ドット72273710738411119
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット12541289---
1,920×1,080ドット657674---

 結果を見ると、搭載CPUが同じこともあり、S10とほぼ同等の結果が得られていることがわかる。ただ、他の比較機種と比べると、やや結果が劣る部分が見られる。これは、メモリ速度の違いに加えて、SX1ではメモリがシングルチャネルアクセスになっている点が影響しているものと思われる。メモリを増設すればデュアルチャネルアクセスとなるため、3D描画能力などは向上すると考えられる。

 ところで、空冷ファンの音は通常時はそれほどうるさくないが、ベンチマークテスト時などの高負荷時には回転数が上がり、シャーという音がややうるさく感じる。高負荷時には、底面のファン排気口付近の温度が高くなるが、熱いと感じるほどではない。また、キーボード面側は、左パームレスト付近がわずかに温かく感じるものの、ほとんど無視できる程度。高負荷時でも排熱はしっかり行なわれているようだ。

 搭載されているSSDの速度は、最新のSATA 6Gbps対応のものと比較するとやや見劣りするものの、HDDに比べると高速で、利用時には全くストレスを感じない。また、独自ツール「クイックブートマネージャー」によって電源投入時の初期化を高速化したり、OS起動時に一部のデバイスやサービスの開始を遅延させることなどにより、電源オフから約9秒で起動するとしている。こちらも実際に計測してみたところ、電源投入からデスクトップが表示されるまで約12秒ほどだった。試作機のためか公称の約9秒より若干時間がかかったが、電源オフからの起動でもストレスを感じることはないはずだ。

SSDは、SATA 6Gbps対応の最新SSDと比較すると遅いが、HDDに比べると圧倒的に高速で、非常に快適だ独自ツールの「クイックブートマネージャー」を利用すれば、SSDモデルで電源オフからの起動が約8秒と高速な起動が可能。ただ、今回試したマシンは12秒ほどかかった
【動画】SX1の起動している様子

 SX1は、従来モデルのS10と同等の優れた堅牢性はもちろん、軽さ、長時間のバッテリ駆動などの特徴をほぼそのまま受け継ぎつつ、大幅な薄型化を実現したことで、モバイルノートとしての完成度が大きく向上している。また、液晶パネルの高解像度化やSSD搭載による快適性の追求、2種類のバッテリと2種類のACアダプタを同梱するなど、ユーザーの多様な使い方に対応できる配慮も嬉しい。Ultrabookなど、より薄いノートPCが存在することを考えると、薄型化はまだまだ追求してほしいが、優れた堅牢性、軽さ、長時間のバッテリ駆動を全て満たすという点を考えると、他のモバイルノートにはない圧倒的な魅力がある。特に、ビジネス用途で利用するモバイルノートとして、広くオススメしたい。

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(2012年 2月 23日)

[Text by 平澤 寿康]