特集
モバイルバッテリ処分2025、楽になったよ。ありがとう環境省
2025年12月2日 06:02
昨今世間をお騒がせしているのが、モバイルバッテリの爆発事故だ。電車内で爆発したり、火事の原因になるなど、大きな社会問題となっている。バッテリを内蔵した機器は年々増加しており、バッテリとは無関係で過ごすのはなかなか難しい昨今だが、当然筆者の手元にも多くのモバイルバッテリはあるし、バッテリ内蔵機器も数えきれないくらい所持している。
こうしたモバイルバッテリのうち、規格が古くなり、使わなくなったものを処分したい場合、または膨張してしまい、これ以上の利用が危険なバッテリについては、どう処分するのがいいのだろうか?
これまで弊誌でも何度か同様のテーマで取り上げているが、この中でもっともスムーズに処分できる方法は何だろうか? ということで、今回改めて筆者もいろいろとバッテリ処分の現状を調べて実際に処分してきたので、ご紹介したい。
回収対応してくれるメーカー製を使うのが最適解
現状、モバイルバッテリの廃棄における選択肢は3つ用意されている。
- 住んでいる自治体の回収方法をチェックする
- JBRC加盟の回収協力店へ持ち込み
- メーカー回収を利用する
全国共通という点でいうと2と3が有力なのだが、3については回収対象がそのメーカー製品の必要がある。この辺りは事前にメーカーの情報をチェックしたり、サポートに聞いてみるのが確実だろう。
試しに今回はモバイルバッテリでもメジャーなAnkerの回収サービスをチェックしてみたが、故障や破損していても対象となっており、安心して利用ができそうだ。ただし、破損品の郵送については耐熱バッグなどが必要になる可能性もあるので、この辺りは発送する宅配業者との相談も必要となるだろう。
2については追加の条件として、廃棄したいモバイルバッテリがJBRC会員企業製品の必要があるという点は要注意だ。ただし、実際にJBRCが公開する会員一覧をチェックすると、国内では名の通った企業がズラッと並んでいるので、メジャーなモバイルバッテリなら問題はなさそうだ。
また、モバイルバッテリ以外にも、バッテリが着脱可能なノートPCや家電、ガジェットなども、バッテリだけであればJBRC加盟の回収協力店に持ち込める。
ただし、JBRC加盟の回収協力店の検索機能が非常に使いにくい。都道府県のみならず、市区町村まで入力しないと店舗の一覧が表示されないため、筆者のように神奈川県内の複数の市にアクセス可能な場所に居住している場合、いちいち市区町村を変更して検索し直す必要がある。
厄介なのは、単に不要になったものではなく、破損や膨張など異常のある状態のバッテリの廃棄についてだ。こうしたバッテリについて、リサイクルが主眼のJBRCは対象外としているため回収してくれないし、回収協力店についてもそこに言及していなかったり、NGになっている場合も多く、ちょっと当てにならない。むしろ異常なバッテリこそ、積極的に回収してほしいっつーの。
最近、自治体によっては超スムーズ!
というわけで、確実なのはやはり自治体に頼ることだが、これはこれで住んでいる自治体によって対応がまちまちな点は悩ましい。しかも都道府県別ではなく、市区町村別であることがほとんどのため、自分の地域がどのようになっているか調べる必要があるのは非常に厄介だ。
この辺りは全国共通のルールで統一してほしいところだが、現状は「モバイルバッテリ XX市」など(XXは自身が住んでいる市区町村名を当てる)で検索するのが手っ取り早い。
たとえば筆者の住む神奈川県綾瀬市においては、ゴミ回収施設の「綾瀬市リサイクルプラザ」があり、ここに持ち込むことで無償で回収してくれるとの記載がある。バッテリの状態については記載がなく不安だったため、事前に電話にて確認してみたところ「膨張などは問題ないので持ち込んでも大丈夫ですよ」と回答を頂けたので、今回はそのまま持ち込んで回収を依頼したところ、身分証明書をパッと確認して受け取ってもらい、時間にしてわずか30秒未満でスムーズに回収が完了した。
ただし、「綾瀬市リサイクルプラザ」は個人が対象となっているため、事業者の持ち込みは受け付けていない。そのため、あまり個数が多い場合は、事業者かと疑われるため、家に大量のバッテリをため込んでいる人は要注意だ。また、住所の確認も必要なので、ほかの地域から遠征して捨てるといったことは行なえない。
ほかの地域もチェックしてみると、たとえば隣の大和市については、普通のモバイルバッテリだけでなく、膨張したバッテリについても、電極の絶縁処理をした上で、「燃やせないごみ」として出すように指定されている。これはラクすぎる! ぜひ、このスタイルを全国で統一してほしいものだ。
ほかにも、横浜市の場合、異常のないモバイルバッテリであれば、11月30日までは「充電式電池」という分類となっており、地域内の家電量販店などに市が設置する「小型充電式電池リサイクルボックス」に出す必要があったが、12月1日からは「乾電池」と同じ分別項目となり、一緒に回収してもらえるようだ。
また、横浜市はバッテリを内蔵した小型家電については、小型の物なら区役所などに設置された「小型家電回収ボックス」に出すことができるほか、バッテリが取り外し不可能な小型家電の場合、なんと「燃やすごみ」の日に、ほかの生ごみなどとは 別の袋に分けて 同じように出すことができる。
ただし破損や膨張など異常のあるバッテリについては、綾瀬市と同じように、各区の「資源循環局収集事務所」に持ち込むことでスムーズに回収してもらえるようになっているとのことだ。
今年(2025年)の4月には環境省から市区町村で回収できるようにという通知もあったことが影響しているのだろうか、自治体側もいろいろと対応が進んできているようだ。
「ごみの日に出すだけ」も近い
以上、やや狭い範囲ながら、神奈川県の横浜市、綾瀬市、大和市におけるモバイルバッテリの回収の段取りについてチェックしてみた。今まではどうせ面倒なことになると思っていて、何も調べていなかったのだが、いざ調べて実際に行動してみたら、わずかな時間であっという間に終わってしまった。
綾瀬市は良くも悪くも「綾瀬市リサイクルプラザ」に頼りすぎな面もあり、粗大ごみなどもすべてこの施設が対応するほか、全種類のごみを営業時間内ならいつでも回収してくれる点が強みだ。週に1度の資源ごみの回収に行きそびれた! といった場合も、ここに来ればすべてが解決する万能施設となっている。
また、大和市はかなり大胆不敵で、まさか一般ごみの回収で膨張バッテリを受け付けるとは思っていなかったので、調べてみて驚愕した。これが全国共通認識になってくれれば、かなりありがたいのだが、市区町村それぞれに事情があるだろうから、そういうわけにもいかないだろう。
横浜市はかなり前から回収ボックスの設置など、積極的に動いていたようで、こうしてみてみると、時間をかけてじっくりと対応している姿勢はさすがだ。
こうなると、逆に全国の市区町村でどのような取り組みをしているのか興味が出てきたので、全国のモバイルバッテリ回収事情を調べてみたいところだ。こういうデータが一覧化できたら面白そうなので、今度いろいろと調べてみたい。
こうしてみると、2025年はモバイルバッテリの処分がラクになった気がする。年末の大掃除で出てきたモバイルバッテリを処分したい場合、まずは自分が住んでいる自治体で検索してみてほしい。





























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