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「Pixel Fold」は折りたたみスマホの新定番となるか?発売前に実機レビュー
2023年6月27日 02:00
Googleが発売する、折りたたみ式スマートフォン「Pixel Fold」。日本でも既に6月20日より予約受付を開始しており、Google直販に加え、NTTドコモ、au、ソフトバンクからも発売予定だ。当初の予定よりも遅れて7月下旬以降の出荷予定となったが、Pixelシリーズ初の折りたたみ式スマートフォンとして大いに注目されている。
そのPixel Foldの評価機を、短時間ながら一足早く試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介する。なお、発売前の評価機のため搭載される機能のうち一部はまだ未実装で、ベンチマークテストも行なえなかった点はご了承願いたい。Googleストアでの直販価格は25万3,000円。
世界最薄レベルの折りたたみ式スマートフォン
Pixel FoldはPixelシリーズ初の折りたたみ式スマートフォンだ。基本的な仕様はSamsungをはじめいくつかのメーカーから登場済みの折りたたみ式スマートフォンと大きく変わるものではない。Pixel Foldの主な仕様は以下の表にまとめた通りだ。
SoC | Google Tensor G2 |
---|---|
メモリ | 12GB LPDDR5 |
内蔵ストレージ | 256GB UFS 3.1 |
セキュリティチップ | Titan M2 |
OS | Android 13 |
OSの更新 | 5年間のセキュリティアップデート |
ディスプレイ | カバーディスプレイ:5.8型1,080×2,092ドット有機EL (アスペクト比9:17.4、コントラスト比100万:1、最大1,200cd/平方m、リフレッシュレート最大120Hz) 折りたたみディスプレイ:7.6型2,208×1,840ドット有機EL(アスペクト比6:5、コントラスト比100万:1、輝度最大1,000cd/平方m、リフレッシュレート最大120Hz) |
背面カメラ | 超広角:F2.2、画角121.1度、1,080万画素1/3型センサー 広角:F1.7、画角82度、4,800万画素1/2型Quad PDセンサー、光学式手ブレ補正 5倍望遠:F3.05、画角21.9度、1,080万画素Dual PDセンサー、光学式手ブレ補正、超解像ズーム最大20倍 |
前面カメラ | F2.2、画角84度、950万画素Dual PDセンサー、パンフォーカス |
内側カメラ | F2.0、画角84度、800万画素センサー、パンフォーカス |
モバイル通信 | 5G Sub-6:n1/2/3/5/7/8/12/14/20/25/28/30/38/40/41/48/66/71/75/76/77/78/79 5G ミリ波:n257/258/260/261 4G LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/21/25/26/28/29/30/32/38/39/40/41/42/46/48/66/71 3G:Band 1/2/4/5/6/8/19 GSM:850/900/1,800/1,900MHz |
対応SIM | Nano SIM+eSIM |
無線LAN | Wi-Fi 6E |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
センサー | 近接、環境光、加速度、ジャイロ、磁力、気圧、ホール |
おサイフケータイ | 対応 |
防水 | IPX8 |
生体認証性能 | 電源ボタン一体型指紋認証、顔認証(前面カメラのみ) |
外部ポート | USB 3.1 Type-C |
バッテリ容量 | 4,821mAh |
サイズ | たたんだ状態:79.5×139.7×12.1mm 開いた状態:158.7×139.7×5.8mm |
重量 | 283g |
カラー | Obsidian、Porcelain |
折りたたみ式スマートフォンは、横折りと縦折りの2種類に大別できるが、Pixel Foldは王道の横折りタイプ。たたんだ状態ではコンパクトなスマートフォン、開くと大画面でタブレット的な利用が可能になるという特徴は、Pixel Foldも同じだ。
そういった中、Googleがアピールするのが本体の薄さだ。Pixel Foldの高さは折りたたんだ状態で12.1mm、開いた状態で5.8mm(いずれも最薄部)となっており、Googleは世界最薄レベルの折りたたみ式スマートフォンだとしている。
サイズは、折りたたんだ状態で79.5×139.7×12.1mm、開いた状態で158.7×139.7×5.8mm。現時点で直接的な競合モデルとなるSamsungの「Galaxy Fold 4」は、折りたたんだ状態で高さ14.2~15.8mm、開いた状態で6.3mm(同)であり、そちらと比べると確かにPixel Foldのほうが薄い。
ファーウェイの「Mate X3」やXiaomiの「MIX Fold 2」など、Pixel Foldよりも薄い折りたたみ式スマートフォンも存在するが、いずれも販売は中国国内のみ。グローバルで販売される折りたたみ式スマートフォンとしては、Pixel Foldが現時点で世界最薄レベルなのは間違いなさそうだ。
また、薄さとあわせてPixel Foldの特徴として紹介されているのが、ほとんど隙間なく折りたためるという部分。実際に折りたたんだ状態で横から見ると、ヒンジ付近にごくわずかな隙間は確認できるが、ほとんど分からないと言っていいレベル。そのため、ヒンジ付近と先端側で高さの違いはほとんどない。これは、収納性という点で有利と感じる。
本体デザインは、Pixelシリーズのデザインコンセプトを受け継いでいる。
側面は光沢仕上げのアルミニウムフレームで、折りたたんだ状態のディスプレイ面と背面にCorning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し、背面ガラスはマット調の加工が施されている。背面は比較的すべすべとした手触りで、触ってかなり気持ちがいい。また、指紋の痕が目立ちにくい点もうれしい。
ヒンジ部は光沢仕上げの多相合金スチール構造の流体摩擦2軸ヒンジを採用。約180度のスムーズな開閉が可能。また、任意の角度で保持できるため、テントモードでの利用や、90度前後に折った状態のテーブルトップモードでの利用も可能だ。
折った状態の背面側には、大きく飛び出したカメラユニットがある。Pixel 6シリーズから採用されているPixelカメラバーに近いが、突起は左右側面まで到達していない。それでも、全体が金属フレームとなり、レンズ部分がくり抜かれている点はPixel 7シリーズ同等で、それらしさは十分に伝わってくる。
重量は公称で283g。折りたたみ式スマートフォンという構造上どうしても重くなるのはしかたがないが、300gに近い重量は手にするとかなりずっしり重く感じる。なお、評価機の実測の重量は280.4g(SIM未装着)だった。
カラーは、評価機のObsidianと、明るいPorcelainの2色を用意。
たたむと5.8型スマホ、開くと7.6型タブレットとして利用可能
Pixel Foldには、たたんだ状態で利用する5.8型カバーディスプレイと、開いた状態で利用する7.6型折りたたみディスプレイの、2つのディスプレイを搭載している。
たたんだ状態で利用する5.8型カバーディスプレイには、アスペクト比9:17.4、1,080×2,092ドット表示対応の有機ELパネルを採用。ディスプレイ上部中央には前面カメラ用のパンチホールが開けられている。
近年のPixelシリーズでは、アスペクト比が9:19.5または9:20のディスプレイを採用しているが、それらと比べるとやや横に広いディスプレイという印象。サイズ的にはPixel 4aの5.81型に近いが、アスペクト比はPixel 4aが9:19.5のため、横に並べてみるとやはりPixel Foldのほうが幅広に見える。縦の表示解像度が少ない分、Webページなどは1度に表示される情報量が少なく、情報閲覧性という点ではやや不利となる。
ただ、輝度は最大1,200cd/平方m(ピーク輝度は1,550cd/平方m)、コントラスト比100万:1、HDR表示、リフレッシュレート最大120Hzに対応と、表示性能はPixel 7 Proなどのディスプレイと同等。実際に、スムーズかつ非常に鮮やかでメリハリのある映像表示が確認できる。
それに対し、開いた状態でのディスプレイは、サイズが7.6型で、アスペクト比6:5、2,208×1,840ドット表示対応の折りたたみ式有機ELパネルを採用。こちらはカメラのパンチホールは開けられていない。
サイズが大きいのはもちろん、1度に表示できる情報量も増えるため、情報閲覧性はこちらのディスプレイで完全にカバーできる。表示性能は、輝度が最大1,000cd/平方m(ピーク輝度は1,450cd/平方m)とカバーディスプレイよりやや低いものの、コントラスト比100万:1、HDR表示、リフレッシュレート最大120Hzに対応と、それ以外の表示性能は同等で、こちらも申し分ないクオリティの映像を表示できる。
折り目部分は完全に水平にはならず、指で触るとしっかり凹みを感じる。水平なディスプレイと比べると違和感があるのは間違いないが、その付近がほかと比べて柔らかくペコペコとした感触はなく、利用時にこの凹みが操作性の妨げになるとは特に感じなかった。
また、いずれのディスプレイも、折りたたみ構造を実現するという制約のある中でかなりベゼル幅が狭められている。そのため、どちらのディスプレイを利用する場合でも、ベゼル幅が太いとはそれほど感じない。
折りたたんだ状態で手にするとややかさばる印象
今回は競合の折りたたみ式スマートフォンと直接比較できなかったので、SoCやカメラなどの仕様がほぼ同じPixel 7 Proや、ディスプレイサイズがカバーディスプレイとほぼ同じPixel 4aと比較する。
Pixel Foldを閉じた状態では、Pixel 7 Proよりも幅が2.9mm大きいものの、奥行きは23.2mm低くなっている。そのため、折りたたんだ状態での正面から見た印象は、Pixel Foldがかなりコンパクトに感じる。
それに対しPixel 4aと比べると、幅が10.1mm大きいこともあってか、Pixel 4aより奥行きが4.7mm短いにもかかわらず、コンパクトさはあまり感じられなかった。
そして、たたんだ状態でPixel Foldを手にすると、見た目以上にかさばる印象だ。これは、Pixel 7 Proよりも幅が広いことと、厚さが12.1mmあること、そして重量が283gとかなり重いことが重なって、その印象をより強めているのだろう。
ただ、開くとそれほど重く感じなくなる。もちろん重量が軽くなっているわけではないが、見た目のサイズが大きくなるとともに、基本的に両手で持って利用することが、そう感じさせているようだ。
ちなみにこの印象は、通常のスマートフォンと比較した場合のものだ。競合の折りたたみ式スマートフォンであるGalaxy Z Fold4と比べた場合には、重量こそ重いものの、本体の薄さによってズボンのポケットやバッグに収納した場合の印象はかなり違ってくるはずで、かさばるという印象は薄まるだろう。
開いた状態での使い勝手はPixel Tabletに近い
Pixel Foldを開いた状態での使い勝手は、先日発売されたばかりのPixel Tabletにかなり近い。
Pixel Tabletにあわせて、Google製アプリを中心にタブレットに最適化されたが、Pixel Foldの折りたたみディスプレイでも、それらアプリはタブレットに最適化された動作で利用できる。
たとえば、WebブラウザのChromeは、PC向けサイト表示が標準となり、上部にはタブが横並びに表示される。カレンダーやフォト、Gmailなどのタブレット最適化アプリも同様だ。
画面を左右に2分割し、2つのアプリを左右に同時に表示してマルチタスク動作で利用したり、フォトアプリからGmailアプリに画像をドラッグ&ドロップで転送するといったことも可能。アプリの切り替えに画面下部からスワイプで表示されるタスクバー機能も利用可能で、まさにPixel Tablet同等の利便性を実現している。
非最適化アプリを利用する場合の挙動もPixel Tabletと同等。横画面時には画面中央部に(または画面左右に寄せて)アプリが表示され、縦画面時には全画面表示で利用可能。こちらは横画面で全画面を活用して利用できないため、やや残念な動作だ。特に、TwitterやFacebook、Instagramといった広く利用されているアプリについては、今後早い段階でタブレットへの最適化を実現してもらいたい。
それに対し、カバーディスプレイは一般的なスマートフォンそのものの動作となる。Chrome利用時にはスマートフォン用ページの表示が標準となり、そのほかのタブレット最適化アプリもスマートフォン向けの表示となるため、通常のスマートフォンと同様の使い勝手となる。
また、カバーディスプレイでアプリを利用している状態で本体を開くと、そのアプリが折りたたみディスプレイにそのまま表示される。そして、利用しているアプリがタブレットに最適化されているアプリでは、折りたたみディスプレイに切り替わった段階でタブレットに最適化された表示に切り替わる。
逆に折りたたみディスプレイでアプリを利用している状態で本体をたたんだ場合には、スリープ状態へと移行し、カバーディスプレイに直接表示が切り替わることはない。ただ、電源ボタンを押して復帰させるとアプリを利用していた状態で復帰するため、改めてアプリを再起動する必要はない。
なお、今回の試用時点では、一部機能が未実装だった。たとえばPixel Foldの発表に合わせて紹介された、カバーディスプレイと折りたたみディスプレイ双方を利用した「2画面翻訳」機能は、2023年秋のAndroid 14登場以降に実装予定。また、YouTubeアプリのテーブルトップモード最適化も2023年8月を予定しており、今回は試せなかった。このあたりは実装後に改めて試したいと思う。
カメラは折りたたみ式スマートフォンらしい使い方が可能
Pixel Foldには、3眼仕様の背面カメラと、たたんだ状態で利用できる前面カメラ、開いた状態で利用できる内側カメラの、3系統のカメラを搭載している。ただし、前面カメラと内側カメラは形状にあわせていずれか一方を使うことになる。
カメラのスペックは、先に紹介しているスペック表の通り。背面カメラは、超広角、広角、5倍望遠の3眼仕様とPixel 7 Proに近いが、レンズや撮像素子の仕様は異なっている。たとえば、広角レンズはF1.7と明るいが、撮像素子が4,800万画素1/2型クアッドPDセンサーを採用。また、超広角、望遠とも画角や撮像素子が異なっている。基本的には、全レンズともPixel 7 Proより小型、低解像度の撮像素子を採用している。
また、デジタルズームも最大20倍に抑えられている。背面カメラ部は大きく突起しているものの、本体の薄型化を突き詰めるにあたって、Pixel 7 Pro同等の大型撮像素子を採用できなかったと考えられる。
前面カメラ、内側カメラについてもPixel 7 Proとは異なる仕様。前面カメラは画角84度、F2.2のパンフォーカスレンズと950万画素デュアルPDセンサーの組み合わせ。内側カメラは、画角84度、F2のパンフォーカスレンズと800万画素センサーの組み合わせとなる。
それでも、撮影機能はPixel 7 Proに近い。背面カメラと前面カメラで4K/60fps動画の撮影が可能(内側カメラは1080p/30fpsまで)で、背面カメラでは10bit HDR動画の撮影や最大240fpsのスローモーション撮影、4Kタイムラプス、長時間露光、4Kシネマティック動画撮影が可能。高速な夜景モードやポートレートライト、リアルトーン、トップショット、消しゴムマジックといった機能もしっかり網羅している。
その上で、折りたたみ式スマートフォンらしい使い方が可能な点が、Pixel Foldのカメラの大きな特徴となる。
まず、開いた状態で背面カメラとカバーディスプレイを利用する「背面カメラセルフィー」。通常セルフィー撮影は前面カメラを利用するが、本体を開いてカバーディスプレイに映像を表示することで、背面カメラを利用したセルフィー撮影が簡単に行なえるわけだ。
また、本体を90度前後に開いた状態でテーブルなどに置いて撮影する「テーブルトップカメラ」。本体をテーブルトップモードでカメラアプリを起動すると、画面が2分割され、上にライブビュー、下に操作ボタンを表示。これによって、集合写真を撮影する場合でもテーブルなどに置いて簡単に撮影できたり、薄暗い場面でも手ブレを気にせず撮影できる。
テーブルトップカメラの応用で、三脚不要での天体写真撮影も行なえる。天体写真撮影は数分の時間を要するので、通常は三脚が必須だが、それを三脚不要で撮影できるのは便利だ。今回は天候の関係で天体写真の撮影は試せなかったが、今後機会があれば実際に試してみたい。
このほか、セルフィー用に「手のひらタイマー」機能も用意。セルフィー撮影時に3秒または10秒のセルフタイマーにセットし、カメラに向かって手のひらを出すと、カメラが手のひらを認識してセルフタイマーが起動し、設定した秒数後にシャッターが切れる。手を伸ばしてセルフィー撮影する場合など、シャッターボタンの押しにくさを改善できるため、こちらも便利に活用できそうだ。
指紋認証センサーは電源ボタン一体型に
先に紹介しているように、Pixel FoldのスペックはPixel 7 Proに近い。SoCはGoogleの独自設計SoC「Google Tensor G2」を採用し、メモリは12GB、内蔵ストレージは256GBを搭載。microSDカードなどの外部メモリの利用には対応しない。
セキュリティ機能は、セキュリティチップ「Titan M2」の搭載に加えて、指紋認証センサーと前面カメラを利用した顔認証機能を用意。
指紋認証センサーはPixel 7シリーズとは異なり、たたんだ状態と開いた状態のいずれでも利用できるよう、電源ボタン一体型のセンサーを採用。顔認証は、2Dカメラを利用するためロック解除にのみ対応する点はPixel 7シリーズと同じだが、たたんだ状態でのみ利用可能で、開いた状態では利用できない。このほか、Google One利用者向けVPNサービス「Google One VPN」の無償利用も可能。
モバイル通信はPixel 7 Pro同様で、5GはSub6とミリ波の双方に対応。NTTドコモから発売されることもあり、5G Sub-6のn79にも対応している。利用可能なSIMカードはNano SIMまたはeSIMで、Nano SIM+eSIM、またはeSIM×2の組み合わせで利用可能。
このほかの通信機能としては、Wi-Fi 6E準拠の無線LANとBluetooth 5.2、超広帯域無線を標準搭載。センサー類は、近接、環境光、加速度、ジャイロスコープ、磁力、気圧、ホールを装備する。NFC/FeliCaも搭載しており、おサイフケータイもサポート。
防水性能はIPX8準拠と、一般的なスマートフォンと同等。ただし防塵性能は非公開。折りたたみの機構上、ヒンジ部にホコリなどが侵入する可能性があるためと思われるが、防塵についてはあまり期待しない方がよさそうだ。
バッテリ容量は4,821mAhで、駆動時間は24時間以上、スーパーバッテリーセーバー機能利用時には最長72時間としている。別売のGoogle 30W USB-C充電器などの対応する充電器を利用すると、数分で数時間分の充電ができる急速充電が行なえる。また、Qi準拠のワイヤレス充電にも対応するが、ほかのQi対応周辺機器を充電するバッテリーシェアは非対応。
ポート類は、下部側面にUSB 3.1 Type-CとNano SIMカードトレイを用意。物理ボタンは右側面に電源ボタンとボリュームボタンを用意する。
付属品は、USB Type-CケーブルとUSB Type-A to Type-C変換コネクタ、各種インストラクションカードなどで、充電器は付属しない。
折りたたみ式スマートフォンの新定番も今後はGoogleの取り組み次第
今回試用したPixel Foldの評価機は、まだ一部機能が未実装な状態で、ベンチマークテストも行なえない状態だった。そのため、完全な評価はまだ難しいが、それでもたたんだ状態と開いた状態での利便性の違いや、折りたたみできる仕様を活用した通常のスマートフォンには真似のできない機能の便利さはしっかりと伝わってきた。
性能面についても、各機能やアプリを利用してみて、Pixel 7シリーズ同等の軽快な操作が確認でき、こちらも全く不安がない。
ただ、現時点の利便性や機能は、先行する競合の折りたたみ式スマートフォンと比べてそれほど大きな違いはない。そのため、今後GoogleがPixel Fold独自の機能や体験をどれだけ実現していけるかが、製品として成功できるかどうかの大きなカギを握ると言っていいだろう。
価格は25万3,000円と、Pixel 7 Proとの比較でもかなり高価だが、仕様面やこのところの物価高騰を考えるとこの価格も仕方がないだろう。Pixel Fold自体、Pixel 7シリーズとは異なりニッチな位置付けの製品なのは事実で、価格面も含めて幅広いユーザーに広くお勧めしようとは思わない。
それでも、折りたたみ式スマートフォンの魅力は、実際に触らないとなかなか伝わらないのも事実だ。そのため、Pixel Foldの購入を考えていない人も、家電量販店などでぜひ手に取って体験してみてもらいたい。それによって、折りたたみ式スマートフォンへの印象が変わり、手に入れたいという声が強くなれば、今後の製品展開に大きな影響を与え、よりリーズナブルな製品展開も期待が持てる。そういった意味でも、ぜひ実際に触って体験してみてもらいたい。