Hothotレビュー
17.3型の大画面で仕事に動画にマルチな活躍。10万円台前半ノート「mouse F7-i5」はコスパ良好でおすすめ
2022年12月28日 06:32
オフィスと自宅の2拠点で仕事する、ハイブリッドなワークスタイルを取り入れる会社が増えているという。そこでオフィスと自宅を行き来するときに、仕事データが詰まったモバイルノートPCを持ち運んでいる人もいるだろう。
しかし、いくらコンパクトでも荷物になるし、持ち運びを重視したPCほど性能は控え目になる。画面が小さいと業務効率が上がらないのも悩みどころだ。
であれば、いっそのことオフィスと自宅、それぞれにPCを置きっぱなしにしてしまう、という選択もアリかもしれない。マウスコンピューターの「mouse F7-i5」はまさしくそんな用途にマッチしそうな据え置き使用に向いたノートPCだ。
ミドルクラスに近い性能に大画面、なのに13万9,900円からという比較的リーズナブルなお値段。セカンドマシンとしてはもちろん、装備の充実度を考えると古くなったデスクトップPCからの乗り換えにもよさそうな感じだ。
【表】mouse F7-i5の主なスペック | |
---|---|
CPU | Core i5-1235U(10コア/12スレッド、最大4.4GHz) |
GPU | Iris Xe Graphics |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | 512GB SSD(NVMe/M.2) |
ディスプレイ | 17.3型液晶(1,920×1,080ドット、非光沢) |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0、HDMI、ミニD-Sub15ピン、SDカードスロット |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5、Gigabit Ethernet |
Webカメラ | 100万画素 |
バッテリ駆動時間 | 約4時間 |
OS | Windows 11 Home |
本体サイズ | 約399.9×268×25.3mm |
重量 | 約2.38kg |
直販価格 | 13万9,900円から |
メモリは標準で16GB、各種インターフェイスもたっぷり
mouseの17.3型ノートPCシリーズのなかでは、「mouse F7-i5」はどちらかというとエントリークラスに位置付けられる。だが、スペックとしてはミドルクラスに近い中身で、インターフェイス周りも充実している。
今回試用したマシンはWindows 11 Homeがプリインストールされたモデル(Windows 11 Proも選択可)。CPUはCore i5-1235U(10コア/12スレッド、最大4.4GHz、Processor Base Power 15W)、GPUはCPU内蔵のIris Xe Graphicsで、メモリは標準で16GB(DDR4-3200、最大64GB)というまさにミドルなスペック。OfficeアプリケーションやWebアプリを駆使するビジネス用途を考えれば、メモリが8GBだとやや不安なところで、その意味でメモリ容量が最低16GBというのは良心的だ。
ストレージはNVMe SSD 512GB(最大2TB)で、試用機は後述のベンチマークからも分かる通りPCIe 3.0接続のものが搭載されているようだ。ただし、カスタマイズでPCIe 4.0 x4接続のより高速なストレージを選択することもできる。
さらに光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブ)も内蔵しており、より大容量のデータを読み書きしたい用途向けには、BDXLに対応するBlu-rayディスクドライブがオプションで用意されている。
無線LANは最大433MbpsのWi-Fi 5となっており、ここはやや弱い。しかし、Gigabit Ethernetも搭載するため、Web会議などで安定したインターネット接続が必要なシーンでも心配は無用だ。より高速な無線通信が欲しいならBTOでWi-Fi 6を選択できるし、Wi-Fi環境のない場所で使う人向けには4G LTEのオプションも用意するなど、隙はない。
筐体の左右両側面にはUSB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0を装備する。HDMIとミニD-Sub15ピンの2系統の映像出力があり、USB Type-CのDisplayPort Alternate Modeも含め、最大で外部3画面+内蔵ディスプレイの4画面表示にも対応する。
また、手前側の筐体底面に近いところに通常サイズのSDカードスロット(UHS-I対応)が設けられており、デジカメ写真の取り込みも楽々。Webカメラは100万画素という最低限のものではあるが、Web会議をこなすうえでは画質面において不足はないだろう。
大きな画面と筐体による高い利便性とエンタメ性能
mouse F7-i5の一番のポイントは、やはり17.3型という大きなサイズのディスプレイをもつこと。解像度こそフルHD(1,920×1,080ドット、60Hz)というオードソックスなものだが、大画面なのもあいまって文字の視認性は高く、Webコンテンツやビジネス文書の閲覧性は上々だ。反射の少ない非光沢タイプなのもビジネス向けと言えるだろう。
プライベートユースでは、内蔵スピーカーとヘッドフォンの両方とも「Dolby Atmos」に対応するのがうれしい点だ。動画視聴がはかどる大画面、そのうえでサウンド面においても動画向けのスペックとなっていることで、よりリッチな体験を味わえる。
筐体サイズは約399.9×268×25.3mmで、B4サイズ+αという大きさになるわけだが、スピーカー位置も必然的に幅広となり、音場に広がりを感じやすい。サラウンドオーディオ対応コンテンツでは、まさに音に包まれる感覚を体感できる。
筐体サイズが大きい分、キーボードや周辺のパームレストのスペースも広くとられている。キーピッチは約19mmのフルサイズ、かつキーストロークは約1.8mmと深め。メンブレン方式と思われるが、かっちりした打ち心地で、静音性も高く良好なフィーリングだ。テンキー付きということで、電卓や表計算を多用する場面でも効率よく入力できるだろう。
ただ、加減乗除のキーが奥側にあるなど、テンキーエリアを3列に収めるためか、ややイレギュラーな配置になっているのが気になるところだ。筐体幅に余裕があるだけに、もう1列増やしてもよかったのでは、と思わなくもない。
さすがに頻繁に持ち運ぶのには向かない筐体サイズではあるものの、重量は部屋間の移動くらいであれば苦にならない約2.38kg。Webサイトや説明書類等には明記されていないが、米国防総省の物資調達基準として知られる「MIL-STD 810G」、いわゆるMILスペックに準拠する耐久性も備えていることから、持ち運びは少ないとしても安心感は高い。
バッテリは着脱式で、ユーザー自身での交換もOK。劣化したときにはサポート経由で交換品を入手することが可能なので、長く使い続けられるのもありがたい。
バッテリ動作時間はスペックシート上は約4時間、後述のベンチマークでも3時間32分となっているので、一時的に静かな場所に移動して1~2時間のWeb会議をこなす程度ならACアダプタなしでOKだ。エアフローにも余裕があるためか、冷却ファンの動作音は高負荷時でも不快感がないレベルで、自分にも周囲にもストレスを与えることなく利用できるだろう。
また、標準で付属するACアダプタは45W出力の比較的コンパクトなものだが、別途オプションで最大100W出力のUSB PD対応充電器を追加することもできる。2ポート構成で、併用時の出力は最大65Wと30W。標準のACアダプタよりPC本体を高速に充電できるうえ、同時にスマートフォンも充電できてしまうパワフルさだ。
端子部はマグネット構造となっており、先端をPC側に残したまま簡単にケーブルの接続/取り外しができるのも便利。ケーブルは100W対応かつ10Gbpsのデータ転送にも対応するため、充電だけでなくデータ転送も手軽になる。
ビジネスからちょっとしたゲームまで、実用度高いPC性能
各種ベンチマークテストで性能もチェックしてみよう。「PCMark 10」や「UL Procyon」といったビジネスアプリケーション系のベンチマークでは、Core i5+Iris Xe Graphicsのミドルクラスらしい性能が出ている。
「3DMark」をはじめゲーミング系のスコアも、下記の通り高いというわけではないものの、重量級のゲームでない限りは十分に遊べそうだ。「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」あたりになると解像度をHDに落とさないと快適にはならないようだが、17.3型の大画面で楽しめる利点は大きい。
「CrystalDiskMark」では内蔵SSDとSDカードスロットの性能を計測した。内蔵SSDはシーケンシャルリードが3,000MB/s超で、PCIe 3.0接続としては標準的。SDカードスロットは90MB/sを超えており、デジカメ画像の取り込み用としては実用性十分と言える。
ハイブリッドワークはもちろん、プライベートのエンタメにも活用したい
17.3型のディスプレイを備え、標準でメモリ16GBを搭載するミドルクラス級のスペックを持つノートPCとして、コストパフォーマンスの高さが感じられるmouse F7-i5。最大で4画面出力もできるが、自宅に外部モニターを置くスペースがない、というユーザーにとってこの大画面は強い味方だろう。
光学ドライブも内蔵することから、持ち運びに向いた筐体ではないとはいえ、「機動性の高いデスクトップPC」みたいな位置付けで活躍の幅も広げられそう。動画再生用途でも大画面+立体音響の満足度は高く、ハイブリッドワークからプライベートのエンタメまで、ユーザーのPCライフをしっかり支えてくれるに違いない。